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映 画

「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」「BOND60 007 4Kレストア」「アメリ」のとっておき情報
(2023年11月18日10:45)
映画評論家・荒木久文氏が「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」「BOND60 007 4Kレストア」「アメリ」のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、11月13日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 今日1本目は、「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」。
11月17日から公開です。モナ・リザという名前の韓国系の少女が主人公なのですけど、
あのダヴィンチの名画とは全く関係ありません。

鈴木 関係ないの?
荒木 関係ないです。彼女は12年もの長い間、精神病院に入院させられているんです。ところがある赤い満月の夜、突如“他人を操る”特殊能力に目覚めるんです。
そして自由を求めて逃げ出し、彼女が辿り着いたのは、70年代のサイケデリック音楽が鳴り響くアメリカ・ニューオーリンズだったんです。
鈴木 ご機嫌じゃないですか!
荒木 ご機嫌です。そこで彼女はいずれもワケありの人生を送ってきた多くの人々と出会ったことで、自らの強力なパワーを発揮し始めます。いったい彼女は何者なのか。そして、まるで月に導かれるように、モナ・リザが切り開く新たな世界とは何なのか…というお話です。
鈴木 面白い!
荒木 面白そうですよね。監督も注目です。“次世代の女タランティーノ” との呼び声が高いイラン系アメリカ人の女性監督なんです。アナ・リリ・アミリプールさん以前「ザ・ヴァンパイア 〜残酷な牙を持つ少女〜」っていう映画、ちょっと不気味な、チャドルを着た不気味な少女が印象的な映画作っていましたよね。今回はちょっとポップで、主人公は韓国人俳優、チョン・ジョンソさんていうんですけどね。それとケイト・ハドソンも出ていてですね。
鈴木 アメリカ映画なの?韓国映画なの?
荒木 アメリカ映画です。音楽もちょっと…、ここでは語れないんですけどサイケデリックな雰囲気ですね、独特の世界観を見る映画と言っていいんでしょうかね。
話はそれますが、タイトルになっている「ブラッドムーン」。
最近は、満月には英語で季節季節の名前がつけられていることが知られますよね。例えば、4月の満月は「ピンクムーン」、5月は「フラワームーン」、6月は「ストロベリームーン」って言うそうなんですが。
鈴木 ただのフルムーンじゃないんですね。
荒木 そうなんですよ。もともとアメリカの先住民に使われていた言葉が、呼び名になっているんですね。満月のうちで地球と月との距離が最も近いのが「スーパームーン」とか言われています。この映画のタイトルの「ブラッドムーン」というのは、直訳すると血のような赤い月ですよね。こういう言い方は、本当はないようです。
鈴木 ないんですか?
荒木 ないんですって。ただし、皆既月食の月が、暗かったり明るさにムラがあったり、血のように赤黒い色をしていたりすることから「ブラッドムーン」と呼ばれることがあるようですね。ちなみに2021年5月の満月は「スーパー・フラワー・ブラッド・ムーン」だったそうです。
鈴木 いろんなものが入っているんですね。
荒木 そうなんですよ。ちなみにことしの11月の満月は、「ビーバー ムーン」っていうんですね。
鈴木 なんでビーバーなんですか?
荒木 ビーバーを狩猟する頃ということらしいんですよね。ちなみに27日です。
鈴木 まもなくだね。
荒木 そうですね。で、今日はなんと新月なんです。真っ暗、月は出ませんね。
山梨県は、満月が富士山の頂に沈むパール富士という現象が秋から冬にあると言いますが、見たことあります?
鈴木 いや、ないですね。
荒木 見てみたいねー、一生に一度ね。
鈴木 お言葉ですが荒木さん。山梨はね、何ムーンだろうと、何スターだろうがですね、綺麗なんですよ!星が!空が!夜空が!
荒木 そうですよねー。山梨の月、夜見に行きたいですよね。
鈴木 来なさい、荒木さん。ドライブがてら(笑)。
荒木 ・・・ということで、よけいな話でした(笑)。
「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」11月17日から公開です。
ところで最近4K という言葉をよく聞きますよね。私もこの番組で4Kリマスターという言葉をよく使っていますけど、この前「荒木さん4Kという言葉をよく使いますが、4Kてよくわかって言ってますか?」って。
鈴木 あ はははは。ただきれいな画像ってだけで…。
荒木 そう、そんな感じ。4Kが注目されるようになったのはごく最近なんですよ。ちょっと前までは「フルハイビジョン」とか言っていたんですよね。だからきれいだよと。だから超簡単にいうとですね、4Kはフルハイビジョンの4倍の画素数なんですって。
鈴木 凄い わかりやすい。
荒木 だから粒子が高精細できれいということなんです。テレビでも映画でも、ディスク化が進んでいるんですね。「4Kデジタルリマスター版」とか「4K修復版」とか・・・いわゆるトレンドです。
ということで、ここでひとつ、今やってるシリーズ誕生60周年ということも相まって、「4Kデジタルリマスター版」ってのがあるんですよ。
実は、ダイちゃんも大好きなあの映画シリーズなんですけどね。
鈴木 寅さんじゃないってことですよね。
荒木 あはははは。お教えしませんでしたかね?「007」ですね。

鈴木 おおー!!!
荒木 実は、今年、「007」の第1作『ドクター・ノオ』が、1963年に日本で公開されてから60周年なんです。それで、「ドクター ノオ」はじめ10本ほどの作品が、4Kレストア版で9月から再公開されていたんです。
鈴木 それ全部、ショーン・コネリーの時代から、頭からだんだんにってことですか?
荒木 ということじゃなくて、9月の公開作品に関しては、ピアース・ブロスナンの「007/ゴールデンアイ」、「007は二度死ぬ」ショーン・コネリーですね。「007/私を愛したスパイ」ロジャー・ムーア、「007/ロシアより愛をこめて」ショーン・コネリーね。
それから、ジョージ・レーゼンビーの「女王陛下の007」、この5本やっていたんですけど、ほぼ終了してしまったんですね。
それで第2弾が 11月17日(金)から始まります。「 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」ダニエル・クレイグ、「 007/スカイフォール」ダニエル・クレイグね、あと「007/リビング・デイライツ」ティモシー・ダルトン、それから「 007/サンダーボール作戦」ショーン・コネリー、そしてこの記念すべき「 007/ドクター・ノオ」1962年のショーン・コネリー、が出てくるんですよ。「BOND60 007 4Kレストア」っていうイベントタイトルなんで検索して下さい。いろんなところでやってますんで、いずれも新鮮な4Kボンドですね。
鈴木 どうなんだろ?初期のあまりにもきれいすぎる画像って。
荒木 そこのあたりもちょっと心配なところもあるんですが、まー、はっきり見たいって部分がね、新しい発見があるかもしれないですよ。
鈴木 ハニー・ライダーの白い水着ははっきり見たいですからね。
荒木 あーなるほどね、そういうこともありますよね(笑)。6人のボンド俳優による宣伝フィルムがあってですね、というか宣伝ビデオがあってね、予告編が全25作品から見せ場を満載させたものが、今ホームページ行くと見られます。それだけでも面白いですよ。「BOND60 007 4Kレストア」でした。 私是非観に行きます。
007ファンですよね、ダイちゃんも。
鈴木 大ファンですね。
荒木 ということで、これはデジタルマスター版なんですけど、リバイバル上映です。観たことない人ずいぶんいると思いますので、新作ではないけど紹介しますね。
22年前、2001年が最初の公開でした。「アメリ」です。

鈴木 観たことないな、僕。
荒木 意外に観てない人多い。これ大ヒットしたんですよ。
当時はみんなが幸せな気持ちになれる映画として、フランスでも日本でも。
観てない人にはあんまり詳しく言っちゃうのもあれなんですけど…。
主人公のアメリは、ちょっと風変わり女の子で、他人とのコミュニケーションが苦手なんですけど、偶然発見した宝箱を持ち主に返したことから、少しだけ誰かを幸せにすることに喜びを感じるという…そういうお話。
監督はジャン―ピエール・ジュネさんといって、この人は、「デリカテッセン」とか「エイリアン4」の監督です。ちょっとダークな世界の人だったんですが、初めて作ったロマンティックコメディでね、大ヒットだったんですね。
アメリ役はちょっと変わった雰囲気の女の子でしたけど、当時デビューしたばかりの新人女優だった、オドレイ・トトゥさんていうね。この人、代役で採用されたらしいですね。
その後「ダヴィンチ・コード」にも出ていました。
この作品見たことがある方はご存じだと思いますが、当時流行した赤と緑が基調のポップなインテリアとか、彼女が着こなすレトロなファッションが見どころだったんですね。
これもデジタルリマスター版なんで、ファッションや色彩がとてもきれいに蘇ってますよ。私も、昨日から見始めたんですけど、とても新鮮でした。日本で初めて公開されたのは 2001年11月17日なんですよ。今回も11月17日ですから、ぴったり22年ぶりですね。デジタルリマスター版「アメリ」。見逃すと後悔するかもしれません。綺麗になって蘇ってきた昔の恋人?また惚れ直すかもしれませんから、お好きな方は観ていただきたいと思います。
ということで、最後はダイちゃんが持ってる秘蔵音源の中から、楽しみなのが出てくるみたいですね?
鈴木 いやー(笑)、秘蔵というか、やっぱり007だから、やっぱりジェームスボンドのテーマをかけたいんですが、荒木さんご存じのように、一番最初の劇中で使われたのはモンティ・ノーマンのバージョンなんですよ。だけどレコード化されて記録として残って、みんなが一番聞いてるのは、ジョン・バリーオーケストラの…ジョン・バリーの方を聴こうかな。
荒木 はい、是非お願いします。
鈴木 はいわかりました。来週もお願いします。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。