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映 画

「ウンチク/うんこが地球を救う」「不倫ウイルス」のとっておき情報
(2022年11月10日30)
映画評論家・荒木久文氏が「ウンチク/うんこが地球を救う」「不倫ウイルス」のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、10月31日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。

鈴木 よろしくお願いいたします。
荒木 ハッピーハロウィン! え~と、10月も終わりですね。11月にはいる今週は映画の公開ラッシュなんで、いくつかジャンル別にご紹介しますね。
鈴木 年末控えるもんね~。
荒木 そうなんですよ。まず、ちょっと今時珍しいタイプの作品かもしれません、ラブコメ!11月3日公開の「チケット・トゥ・パラダイス」です。
鈴木 ちょっ!荒木さん、俺、これ観たよ!試写。!面白かったですね!
荒木 あー!良かったですかー。はいはい。今時珍しいロマンチックコメディですね。娘のスピード婚を止めようとするジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーの、元夫婦の活躍を描いてます。ダイちゃんも推薦ですね。
鈴木 はい、その通りです!
荒木 次はアクション好きな人に!!ダイちゃん、これも好きかな?
11月3日公開の「犯罪都市 THE ROUND UP」というタイトルです。
これ、数年前の「犯罪都市」の続編です。あの見るからに怖いけど、どことなく愛嬌のある韓国の大人気スター、マ・ドンソクですね。
鈴木 はいはい。
荒木 「新感染 ファイナル・エクスプレス」なんかも出てましたけど。彼が主演を務めた型破りな刑事が犯罪組織を相手に繰り広げる壮絶な戦いを描いてるんです。
とにかく、腕っぷしが凄いんで…、見ていてスカッとします。
鈴木 はいはい。
荒木 で、人間ドラマがお好きという方には、同じく11月3日公開「パラレル・マザーズ」っていう作品もあります。これは、スペインの名監督ペドロ・アルモドバル監督が、あのペネロペ・クルス。数々のタッグを組んできた彼女を迎えて、同じ日に出産を迎えた2人の母親の物語を中心にスペインという国の暗い歴史も絡めて描いたドラマです。とても見応えがあります。
鈴木 なるほど。
荒木 微妙な恋愛ドラマがお好きな方もいるでしょうけど、これは11月4日公開の「窓辺にて」という作品をご覧になっていただくといいと思います。
これは、「愛がなんだ」の今泉力哉監督、恋愛映画の巨匠と呼ばれてます…、彼が、あの稲垣吾郎さんを主演に迎えてのオリジナル脚本で作ったラブストーリーなんですけど。稲垣さん、とってもいい味出していますよ。
鈴木 いいですかー、吾郎ちゃん!
荒木 はい、とってもいいです。ということで、ジャンル別にご紹介したんですけども…。ちょっと!もっと変わったものはないの?という個性派のあなたに…。
鈴木 さすが!このコーナーだね!
荒木 はい(笑)…に、お送りする映画なんですけども。強烈な個性的映画!
ただね、次の作品、早めのお昼を食べている人や3時のお茶を楽しみながら聞いている人にはちょっと・・かもしれませんね…。
鈴木 なに?
荒木 ちょっと…、苦手な人は想像つくと思うんですけど…。
鈴木 スプラッター!グロい!スプラッター系ですか?
荒木 いや、うんこなんですよ、うんこ…。いや、うんことかうんちと言う言葉が出てきますんで、聞きたくない人は、音を小さめにしてください。
鈴木 い、いや!ラジオだから、それはちょっとどうなんだろうね…。
荒木 そうか(笑)。いきなりですが、ダイちゃんは一日一回、ちゃんと大きいほうは順調ですか??
鈴木 ワタクシのうんこは、非常に快調です!
荒木 そうですか。ダイちゃんや私は、一生のうちで、どのくらいのうんちをするのでしょうか? 3つの中から選んでください。
鈴木 そんなこと知らね~ってやつですよ、そんなことは(笑)。
荒木 そうですよね(笑)。1、1トントラックで約5台分。2、1トントラックで約12台分。3、25台分。
鈴木 3番の25台分が正解です!
荒木 あ、そんなにやらないね!2!ですね。 12台分。 人は1日約400グラム弱の大便をします。1週間で2.7キロ。1年で約145㎏、するんですね。
一生にすると1トントラックがずらーっと並ぶ、12台分ですね。約12、2トンくらいですね。 想像してみてくださいね。そんなことあまり考えたことなかったでしょう?
鈴木 いや、全然!今初めて考えてますよ。
荒木 そうですね。これからご紹介する映画はうんちの映画なんです。 全編うんちで溢れていますという、うんちてんこ盛り。で、タイトルが「ウンチク/うんこが地球を救う」という現在公開中のドキュメンタリーです。
ダイちゃんも私も、うんこって、我々は話せるけど、あまりね…、さっき言ったように苦手な人は尾籠な話として、避る傾向にありますよね。
私たちは小学生並みだから…。
鈴木 そう!全然、うんこ、うんこって一生言ってられます。
荒木 この映画、うんちの歴史と未来の可能性をまじめに考える、ホントにそういう意味では、「クソ」まじめな映画です。
鈴木 上手い!上手い!
荒木 ありがとうございます。と言う事で、地球上には77億人の人間と870万種の生物が暮らしていると言われていますね。人類はもちろん、地球上のすべての生き物は一生、うんこをしなければ生きていけません。
で、生き物にとって、排泄は食べることと同様、もっとも身近で重要な問題ですよね。
鈴木 確かに、確かにそうですね。
荒木 だから、人類の歴史はうんこと共にあったと言っても過言じゃないんです。 わかるでしょう?社会も町も排泄行為と向き合うことなしに何ひとつ成立しないですね。
鈴木 なんか凄いわかるわ。
荒木 そういう事を前提にこの映画は作られているんですね。例えば身近な歴史で、トイレの歴史。私の小さい頃は 肥ため式 いわゆるポットン便所ってまだありました。ダイちゃんの頃はもう無いでしょ?
鈴木 いや、ありましたよ。一軒家の家に遊びに行ったら、身体半分落ちたっていう友達いましたよ。
荒木 あーそうですか。まぁまぁ、あったんだね。日本で水洗トイレがスタートしたのは昭和30年代と言われています。都市部以外でトイレが水洗化したのは、つい最近と言ってもいいんじゃないかな?
日本は 昔からいわゆる肥溜め式便所というものがありましたけど、江戸時代以降は人糞は肥料として使われてきた歴史もあります。ところがヨーロッパでは、なんと200年ぐらい前まではトイレという発想がなかったんですって。
今でもパリなんかは、公衆トイレが極端に少ないらしいですよ。
鈴木 はい、はい!フランスなんかは、その辺でしてたって話聞きますよねー。
荒木 仰る通りなんですよ。パリなどではその辺にしたり、家の中で用を足し、それを表通りにポイ捨て…という時代がほんと長く続いたようですね。
ロンドンなどでは、排泄物は全部テームズ川に捨てて、且つその川の水を飲料にしたり生活用水にしてたなんて言われています。
鈴木 え!? えーっ?!
荒木 ペストなどが流行ったのはこのような糞尿処理に大きな原因があると言われてるんですよ。
鈴木 パリなんか、花の都どころか、うんこの都じゃないですかー。
荒木 そう。臭いの上で…。臭いがひどかったんで、香水が発展されたと言われますよね。 ま、そんな歴史も、この映画には細かく描かれています。また、現代の社会問題も取り上げています。まだ、アメリカとメキシコの国境沿いでは、メキシコの処理させていない下水が、アメリカのサンディエゴに流れている現状を紹介していますし、安全なトイレを利用できない人は地球上に45億人も居るんですってね!
ま、そうだよね、考えてみたら中国の奥地だとか、アフリカとかね、水洗なんかあるわけないからね。
鈴木 そうだよー、どうしてんだろう…。
荒木 一方 この映画では 排泄物の有効利用についても最新情報も紹介されているんですよ。タイではゾウの大量のフンを紙にしたり、メキシコでは牛のフンをレンガブロックに変えるという取り組みが行われてます。
鈴木 そのレンガブロックで、僕の好きなタコスのお店が出来ているんでしょうねぇ。メキシコで…。
荒木 (笑)面白いね。うんこの店ね! で、ビル・ゲイツが糞尿から水を作る研究を進めていますね。それから、動物の排泄物からメタンガスをバイオエネルギーに変えるという、画期的なプロジェクトも紹介してます。まぁ、SDGs=(「持続可能な開発目標」)の重要なキーアイテムですよね。で、私たち、日本の子ども、特に低学年は「うんこ」大好きですよね。
鈴木 (笑)ってことは、我々も大好きってことじゃないですか。
荒木 そうですね!我々の時は、『トイレット博士』とかあったじゃん。 それから、ドリフターズの「うんこちんちん」ってね。
鈴木 やっていましたねー。あればっかりやってましたね、僕も。
荒木 (笑)ねぇー。最近の子どもも聞いたことあると思うんですけど、「うんこ漢字ドリル」というのが流行っているらしいですよ。
ベストセラーになってて、「うんこお金ドリル」なんていうのも流行っているらしいですね。 あのー、そればかりじゃなくて、私の大好きな大詩人、谷川俊太郎さん。
『うんこ』という詩、これいい詩なんですよ、元気が出るいい詩。
鈴木 うんこって、詩があったんですか?
荒木 あるの!あるの!後で送ってあげるね。読んでみてね。 はいはい、
森山直太朗さんも『うんこ』という短い曲を出しているんですよ。
ということで、ユーモラスに、真面目に極めて、史上初めてって言うんですかね、うんこドキュメンタリー = “ウンコメンタリー”です。下品になってないんで、そういう意味では、うんこに関するうんちくが一杯ありますね。
鈴木 うんこに関するうんちく! 上手いな!
荒木 個性的な映画なんで。タイトル「うんちく/うんこが地球を救う」という、現在公開中なんですが、見ている時はちょっと飲食しづらいですね。あのー、ポップコーン喰うと、なんとなくポップコーンって、どっかのなんかの動物のうんちに似ているような気になって…。
鈴木 やめてよ!!ポップコーン大好きで、毎日でも食べてるんだから!やめてよー。
荒木 そうだよね、はい。失礼しましたということで、うんこに関する映画でした。何回言ったろうね、うんこって。
鈴木 うんこ、ありがとうございました。
荒木 はい。で、うんこの次はウイルスです。(笑)次はウィルスです。
鈴木 え?今日、なんなの?これー。

荒木 ごめんねー。聴いてる皆さんを不快にし兼ねないラインナップですが今日だけで勘弁ですね。 それにウィルスと言っても 実在のウイルスではなく、想像上のウイルスっていうかね、その名も「不倫ウイルス」って言います。
鈴木 「不倫ウイルス」?
荒木 はい。 映画のタイトルもズバリ「不倫 ウイルス」です。 現在公開中なんですが、この不倫ウイルスに感染すると、不倫せずにはいられなくなってしまうというですね。
鈴木 いいーっす!素敵なウィルスじゃないですか、これ。
荒木 いやいやそんなことはない・・恐ろしい恐ろしいウイルスです!!!っていうふうに言っておかないといけないですね。もう、それは、それは恐ろしいウィルスですね。
鈴木 へぇー。
荒木 映画は、ウイルスに振り回される人の姿を描いた群像ラブコメディと言いますか、ですね。専業主婦のれんさんがですね、夫の不倫を疑ってですね、後をつけるんですね。すると彼は意外なことに、病院に行っていたんですよ。
そこには「不倫科外来」というのがあってですね、そこでれんさんは、夫の主治医から「あなたの夫は『不倫ウイルス』に感染しているんですと聞かされるんですね。で、彼女、レンさんは、夫の不倫はウイルス=病気のせいだと言われますが、当然、納得が行かないんですよ。で、れんさんは、夫が本当に自分を愛しているのか悩んでいるんですけども、一方、妻への愛を証明しようと右往左往している夫は、不倫ウイルスを次々と他の人に感染させてしまいます。さあ大変…という、そういうくだらない物語なんですけども。
鈴木 ふぁい!
荒木 ま、不倫する方も、された方も、病気だから仕方がないという都合のいい映画なんですが。ま、馬鹿馬鹿しいんですけども、今言ったような不倫治療だとか、私は「不倫ウイルス」にかかっていますという缶バッジを、患者はつけなければいけないなど…。
鈴木 これは、ちょっと罹ってみたい。しかも、あの娘に感染させたい。
荒木 (笑)わけのわからないことが沢山出てくるんですが、面白いですね!
日本には古来「浮気の虫」という言葉があるじゃないですか。浮気や不倫はコントロール出来ない…虫のせいとか、ウイルスのせいとかしちゃうとね!都合がいいんですよ。
鈴木 虫のせいだよね。あの時は、やっぱ虫のせいだったんだよなぁー…。ああ、わかる。わかる。
荒木 そっか、そっかー。ま、今は 不倫に対しては厳しい視線や、批判が浴びせられる事多いですから。今日この頃。ま、浮気の虫が居る人は、くれぐれもご注意してくださいね。
鈴木 くれぐれも注意って言われてもねー。
荒木 (笑)そうですね。ダイちゃんは若いからねー。不倫ウイルスの予防接種、受けた方がいいんじゃないんですか。無いかそんなものは…。
荒木 はい。そういう意味ではですね、王道の新作映画から始まって ちょっと尾籠だったり、不謹慎なお話、不倫のお話までして申し訳ありませんでした。
鈴木 今日は、今までの中で一番素敵な回だよ、これ。そんな気がしますよ。
荒木 そうですか。くれぐれもご注意してください。因みに、私はもう不倫もね、年ですので物理的にも出来ませんので、羨ましいです。
鈴木 いいなぁ、そういうふうに言って不倫することありそうだからねー。
荒木 いや、無理だよもう…という事で。
鈴木 (笑)ありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。