-
映 画

2022年公開の邦画と「ハウス・オブ・グッチ」のとっておき情報
(2022年1月21日10:45)
映画評論家・荒木久文氏が、2022年公開の邦画と「ハウス・オブ・グッチ」のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、1月17日放送)の映画コーナー「アラキンのムービーキャッチャー NEO」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。

鈴木 荒木さん 本日もよろしくお願いいたします。
荒木 本日は今年の映画ラインナップ、国内映画編です。
コロナの影響で例年に比べていろいろな面で遅くなっていまして、今わかる時点での情報です。しかも公開日はあくまで予定ですのでそのあたりご了承くださいませね。ということです。配給会社別で行きますか?
鈴木 配給会社別という言い方が好きですよ。
荒木 さあ東宝からです。
まず2月4日公開の大型アニメ「鹿の王 ユナと約束の旅」。
時代はいつのことなんでしょう…大昔のようにも思えますし、遠い未来のようでもあります。謎の病が世界中に大流行します。その中で過酷な運命に翻弄される登場人物たちと、謎の病との壮大な戦いが描かれます。
そして3月4日には恒例のドラえもん 今年は「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」ということで昨年公開予定だったものが公開延期されようやく今年 公開…か?
ということです。
ついでに アニメをまとめて紹介すると…
4月15日、シリーズ第22弾「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」ハロウィンで賑わう渋谷を舞台に、結婚式での暴漢乱入事件と、連続爆破犯の脱獄との関連は?というもの。
コナンが22弾目だったらこちらはなんとシリーズ30弾というからすごい。
何だと思います?
鈴木 えー?
荒木 4月22日公開「クレヨンしんちゃん」。今回は新之助の出生の秘密が明かされるという、おバカ忍者アクションエンターテインメントだそうですよ。みさえから生まれたんじゃないのかな?どうなりますか?
そして秋には、あの「君の名は」「天気の子」の新海誠監督の新作ですね。
「すずめの戸締り」という新作アニメ。
日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描くロードムービーということです。
アニメも楽しみですが、アニメの原作を実写化した作品もあるようです。
ダイちゃんはおそ松くんはご存じですよね?
鈴木 知ってますよー。
荒木 その名も「おそ松さん」。おそ松くんじゃなくて「おそ松さん」
3月25日の公開。主演はあの「スノーマン」。おそ松くんは5つ子ですが、9人いますからね「スノーマン」は どうするんですかね?
そしてこれも注目 「シン・ウルトラマン」 シンゴジラ 新エバンゲリオンの 庵野ひであき企画脚本の新シリーズ…あのウルトラマンのリアル版…超豪華出演者もたくさん。楽しみです。これも一年越しの公開
6月には昨年開催されたオリンピックの公式作品「2020東京オリンピック公式記録映画」(河瀬直美監督)が、もう公開です。見に行けなかった分きれいな大きな映像で見てみたいですよね。
そして 今を代表するイケメンと言ったら 竹内涼真君と横浜流星君。
良きライバルであり、友人でもあるふたりの青年のそれぞれの運命を描く、あの池井戸潤原作を映画化「あきらとアキラ」。8月26日の公開です。
9月には東野圭吾原作「ガリレオ」シリーズの第3弾が登場です。
主人公の変人で天才的な物理学者・湯川学には当然福山雅治。柴咲コウ・北村一機も再び登場。9月16日公開予定。今回は「沈黙のパレード」というタイトルらしいですよ。
次は東映です。2/18「牛首村」。一昨年ヒットした「犬鳴村」、昨年の「樹海村」も大ヒット・・これに続く恐怖の村シリーズの決定版第弾がこの「牛首村」…実在の心霊スポットを舞台にした恐怖の物語。
鈴木 大好きなパターンですよ。
荒木 そうですか モデルのKōki,さん(18)の女優デビュー作にして初主演作となるホラー映画です。あの恐怖映画の巨匠 清水崇監督が描く恐怖と混とんの世界…怖―いですよ。
そして4月22日公開 おなじみ「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」。
今回は原作者・鳥山明が自ら脚本を執筆し、新たに生み出されたストーリーに、キャラクターデザイン、セリフの細部に至るまで、徹底的にディテールにこだわった、原作者渾身の一作、映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』期待、たかまります。
そして、こういうアニメを作っている人たちを描いた、実写映画「はけん・アニメ」というタイトルです。さん
鈴木 いわゆる業界の裏モノですか?さん
荒木 そうですね。厳しいアニメ業界で戦う若者たちの戦いを描いています。吉岡里帆さんや中村倫也が出演です。6月ぐらいですよ。
そして ダイちゃんも大好きと思いますが、見てますよね。 おととし 大旋風を巻き起こした、コメディ「とんで埼玉」。さん
鈴木 はいはいはい、もちろん見てますよ。
荒木 この続編が公開されるということです。仮タイトルですが「翔んで埼玉 Ⅱ」。
鈴木 あはははは…いちばん正しい方向ですよ。ツウ―。まさに…。
荒木 GACKTさん、二階堂ふみさんの二人も出演するようですよー。
そして 最後は松竹です。
2月は、4日公開の「大怪獣の後始末」という映画です。
ウルトラマンなどで倒された、退治された怪獣たち。その死体の処理はどうなっているの?誰が、いつ、どこで、どんな方法で?という発想から始まった、作品です。
鈴木 そういえばそうですよね。死んだあとどうやって・・・ゴミの日に捨てるのか?おもしろいね。
荒木 また詳しくご掃海します。
3月12日の大安吉日の公開作品は「ウエディング・ハイ」。バカリズム脚本の完全オリジナル・ストーリー映画化したもので、人生最良の日に起こる前代未聞のハプニングとは?クセ者ぞろいのウェディング・パーティーが幕を開ける
という篠原涼子が主演のウェディングコメディ—です。
そしてこれも昨年公開予定がずーっと伸びていました。
「峠 最後の侍」大ベストセラー、司馬遼太郎の名著「峠」が初映像化したもの。
幕末の動乱期を駆け抜けた“最後のサムライ”河井継之助を描く歴史超大作!です。
主演は役所広司さん。
公開日:5/20(金)には『大河への道』中井貴一、松山ケンイチ、そして北川景子
豪華キャストの一人二役で贈る笑いと感動の〈歴史発見〉エンタテインメント誕生!
松竹の喜劇DNAをうまく生かしたコメディ大作のようですよ。
夏には ガンダムが再び大地に立つ!!…ということであのガンダムが帰ってきます。
「機動戦士 ガンダム ククルス・ドアンの島」というタイトル。
ざっと大手配給会社の作品ご紹介しました。
鈴木 いっぱいありますよね、話題作。
荒木 僕は「シン」シリーズが気になりましたよね。
そしてこれは2023年度になりますが、東宝が「シン・ウルトラマン」だったら、東映は看板の仮面ライダーを持ってきました。これも庵野秀明 企画脚本 題してシン仮面ライダー。
さあ、どんな作品になるのか楽しみです。
ザーッと日本映画の公開スケジュールを申し上げましたが、ダイちゃん どのあたり、楽しみですかね。
鈴木 どれもみたいなあ 選ぶのが大変ですよ。

荒木 次はグッチの話。私の愚痴でも、あのビジーフォーのグッチ裕三でもありません。ダイちゃんがいつも女の子にプレゼントしているという噂のブランド品のグッチですよ。
鈴木 何をぼけてるんですか?
荒木 あはは…「ハウス・オブ・グッチ」という現在上映中の作品です。
あの「エイリアン」や「ブレードランナー」の巨匠リドリー・スコット監督が、
あの高級ブランド「GUCCI(グッチ)」の創業者一族の崩壊を描いたサスペンスドラマです。
1995年3月27日、GUCCI創業者孫にあたる3代目社長マウリツィオが、ミラノの街で拳銃で殺されます。私、この日のことラジオ局の報道関連部署にいたのでよーく、覚えています。桜の話題の前にやってました。
この事件の黒幕はなんと、殺されたマウリツィオの奥さん、パトリツィアがマフィアを使ってやらせたということが後でわかります。事実です。当時ほんとにショッキングな事件でした。今回の映画「ハウス・オブ・グッチ」は、この実話を元に映画化されたものです。この映画の主人公パトリツィアを演じるのが、あのレディー・ガガ。
夫役には アダム・ドライバー、キャストも豪華で、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、凝ったメイクで顔が全然違うジャレッド・レト、など。
主演のガガが、とにかく欲望のままに、自分の思った通りに生きてゆく女性をリアルに演じています。ガガが素晴らしいです。
鈴木 似合いますのねー、雰囲気…。
荒木 彼女の演技がこの映画を引っ張るというかすごい映画にしていますね。実物のパトリツィアもすごい人だったらしいですが、
ひとつ間違うとどろどろ昼メロみたいになるところを緊迫したドラマにしています。移り変わるイタリアのファッション的な視点から見ても大変面白いと思いますよ。
鈴木 もともとガガはイタリア系ですものね…。
荒木 そうですよね。唯ね、いつも思うんですけど、イタリアの物語なのに英語喋ってるんですよ。それもイタリア人がしゃべるような、イタリアなまり。それなのに、ところどころチャオとかイタリア語を使っている…アメリカの大手映画会社が例えばドイツを舞台した映画を作ると、ドイツなまりの英語なんですよね。この辺りは昔からなんですけど。しようがないんですね。
まあ、アメリカ以外で上映するときには吹き替えが多いからそれでいいのかもしれませんが、この辺りはいつも違和感を感じますよね。ただ、これが映画を貶めていることにはなりません。よけいな話してしまいましたが…すみません。これ!!超推薦映画ですよ。「ハウス・オブ・グッチ」現在公開中です。
鈴木 長い映画ですよね?
荒木 2時間30分以上ありますよ。長く感じません、ガガの若作りも。20歳の時からやりますので、成熟した女の魅力もいいですよー。
鈴木 ありがとうございました。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。