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映 画

「砕け散るところを見せてあげる」のとっておき情報
(2021年4月16日10:00)
映画評論家・荒木久文氏が、「砕け散るところを見せてあげる」などのとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、4 月12日放送)の映画コーナー「アラキンのムービーキャッチャー NEO」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。

鈴木 時刻は午後3時を回りました。
4月から始まりました新番組「Bumpy」も2週目。
さあこの時間は「アラキンのムービーキャッチャー NEO(ネオ)!!」
この4月からもこのお方に映画の最新情報を伺っております。うれしいなー。
荒木さーん!よろしくお願いします。
荒木 はい、荒木です。
鈴木 あはは…バタバタしておりますが、お願いします。
荒木 はいはい まずはこちらの作品 少し変わったタイトルです。
「砕け散るところを見せてあげる」という作品 現在公開中なのですが…。
実はこの映画 前情報なしで見た方が断然いいので…私も何も知らないほうがいいと言われてタイトルだけ認識して、あとは誰が出るのか、監督は誰なのかとか全く何も入れないで見たんですが、イヤー大変面白かったですよ。
だから皆さんにもそういうことで…今回は説明なしにしようと思っているんですよ。
鈴木 あの ねえねえ、ねえ 荒木さん。このコーナーは一応ね、あなたが映画の最新情報をお伝えする番組なんですよ。内容をお伝えいただかないと、成り立ちませんよー。

荒木 そうだねー番組成り立たないからねー。そうもいかないよね。
あはは 手を抜いちゃいけないよね。
では、ちょっとだけストーリーから、ね。
高校生3年生の濱田清澄(はまだきよすみ)くんは、ある日、学年一の嫌われ者と呼ばれる孤独な1年生の女子高生・蔵本玻璃(はり)ちゃんの存在に気が付きます。
彼女はひどいいじめを受けていたのですが、正義感の強い清澄は、彼女に救いの手を差し伸べます。玻璃もそんな清澄に対して徐々に心を開いていくのですが、しかし、彼女には誰にも言えない秘密があったのです。その秘密に気づき始めた清澄に何が起こるのか?というところなのですが…。
鈴木 が…?
荒木 ちょっと微妙なんですがこれもほんとは知らないほうがいいと思うんだけど、一つだけ言っておくと、前半と後半は全く違う作品という感じ…です。
全く別ものと言っていいくらい違うんですよね。当然、出演者は同じ、一本の作品ですよ。
鈴木 全然わかんないんけど。
荒木 わかんないよねー、こういう傾向の作品は昔からあります。
多分一番有名なのはタランティーノが脚本を書いて、ロバート・ロドリゲスが監督した「フロム ダスク ティル ドーン」という作品 前半 銀行強盗ものアクション 同じ映画なのに後半はホラースリラーになっちゃったという、ぶっとびものでした。
鈴木 大好きですよ、あの作品。
荒木 あとウィル・スミスが嫌われ者のヒーローに扮したアクションコメディで「ハンコック」というのがありました。シャーリーズ・セロンも出てました。これも前半はただのアクションムービー、後半は驚くほど意外な方向への二層構造でまったく違う映画を見た感じでしたね。
これらに近いと言えば近いと思うのですが…言えないですけど。
鈴木 言えないですか。
荒木 出演は濱田清澄役には中川大志君、いじめられる女子高生蔵本玻璃(はり)さん役は2020年に解散したE-girlsのパフォーマーで女優の石井杏奈さんが演じています。
ほかの出演者は、清原果耶、北村匠海、原田知世、堤真一、井之脇海、松井愛莉、豪華ですよね。
監督はSABU。蟹工船(2009年)うさぎドロップ(2011年)なんかで知られています。
一癖ある監督ですよ。先に聞くとやばい作品だねと気づくと思うのですが
今回は忙しくっていきなりオンライン試写だったので結果的によかったです。
鈴木 よかったですか?
荒木 原作は竹宮ゆゆこさんというライトノベルズ系の人ですよね。よく知られている作品では『とらドラ!』で初のアニメ化を果たしているということなんですが、私も正直読んだことないのですが、タイトルが面白いですよね、「砕け散るところを見せてあげる」のほかにも「あしたはひとりにしてくれ」「おまえのすべてが燃え上がる」「応えろ生きてる星」「あなたはここで、息ができるの?」「いいからしばらく黙ってろ!」、面白いよね?
鈴木 タイトルだけで内容が浮かびそうだね。
荒木 可能なら、この作品予告編を見ずに映画館に行ってほしいです。予告編は後半にも触れちゃってるんですよね。まあ、映画館で予告見ちゃった人もいるかもね。
予測のつかない映画ですから…好き嫌いははっきり分かれ、かなり好みが分かれる作品だと思うけど、私はいいものを見たな…という感想でした。
鈴木 とにかく何にも見ないでまっすぐ席に行けということですよね。
荒木 そうそう。見た後は、後を引くというか 余韻を引きずるといか、ちょっと引きずる作品ですよ。 面白いと思いますよ。わけのわからない紹介になってしまいました。
鈴木 見る側のほうが砕け散るという感じですね。全然わからないけど面白そうですね。
荒木 はい。もう1本いけるかな?
マーゴット・ロビー 大ちゃんお気に入りでしたよね?ファムファタールと言われる男を滅ぼす悪女をやらせたら、今一番でしょう。「華麗なる覚醒」のハーレイ・クイーンだけじゃなく「アイ・トーニャ」でのトーニャ・ハーディングもよかったですね。
そのマーゴット・ロビーがプロデュース&主演を務める、美しい指名手配犯と17歳の少年の恋を描いたラブストーリーが、「ドリームランド」っていうタイトルの映画です。これも今公開中です。
テキサスの荒れた土地の田舎に暮らす17歳の男の子ユージンは、大怪我を負った女性が納屋にいるのを発見します。彼女は地元の銀行を襲撃して警察から追われている強盗犯でした。危険だと知りながらも彼女に惹かれていく彼は、彼女を匿い行動を共にします。警察から逃れて自由を手にしたい女と、希望に満ちた新天地へのあこがれを募らせる少年・・
さあどうなる…ということですよ。
鈴木 わくわくだねー。
荒木 ですよねー。マーゴット姉さん 埃っぽい衣装で、化粧っけまるでないですが、きれいです。見事なヌードもばっちり見せてくれます。
鈴木 俺を破滅させてほしいですよ。
荒木 そうだよねえ。17歳の少年になりたいですよ。
お風呂の中でいろいろ教えてくれるんですよ。
鈴木 何それ、17歳の時 そんなことなかったよね。
荒木 ということで「ドリームランド」…夢のような国?現在公開中です。
最後にお知らせです。
スクリーン。洋画雑誌のスクリーン。ご存じですよね?
洋画の雑誌といえば「スクリーン」、この番組でも何度か取り上げています。戦後間もなくの1946年からの発行という、洋画雑誌の老舗です。
この「スクリーン」が75周年を迎えることを記念して「創刊75周年記念 SCREENを飾ったハリウッド・スターたち」という展覧会が、東京・京橋の国立映画アーカイブで 明日4月13日(火)から開催されるんです。
国立映画アーカイブは、日本映画のいろいろを集めた博物館みたいなところなんですよ。
この展覧会では、雑誌「スクリーン」が1950年代からハリウッドで独自に収めた、映画スターの写真や、俳優、スターの来日時に撮影された貴重な写真を紹介します。
中でも、クラーク・ゲーブルはじめ、1950年代から60年代にかけて日本を訪れた伝説的なスターたちの貴重な取材写真は見逃せません。ほかにもマリリン・モンローが来日した時の様子を伝える記事なども登場しますし、さらに、ジョン・ウェインからナタリー・ポートマンまで、多彩なスターたちをパネル展示し、読者投票によるベスト作品や人気俳優の歴史も紹介します。写真展というより展覧会ですよね。
鈴木 映画ファンにはたまらないですよね。
荒木 加えて、オードリー・ヘプバーンやジョニー・デップのサイン色紙、ジェームズ・スチュアートやグィネス・パルトローのサイン入りポートレートなど“お宝グッズ”も登場です。スターへのインタビューや、アカデミー賞授賞式などを掲載した歴代の「SCREEN」誌面も紹介・展示です。
この入場チケットを2組4名の方にいただきました。近代映画社さんありがとうございます。「創刊75周年記念 SCREENを飾ったハリウッド・スターたち」は、東京・京橋の国立映画アーカイブで 明日4月13日(火)から7月18日まで開催です。
ご希望の方は?
鈴木 はい、(応募方法説明)荒木さん、ありがとうございました。また来週です。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。FM Fuji『GOOD DAY』(火曜午前10時)のパーソナリティなどに出演中。
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