-
映 画

「非常宣言」と2023年公開作品のとっておき情報
(2023年1月9日17:30)
映画評論家・荒木久文氏が「非常宣言」と2023年公開作品のとっておき情報
を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、1月2日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 荒木さん、明けましておめでとうございます!
荒木 おめでとうございます!ワンダーランド!今年もよろしくお願いします。
毎年恒例なんですけども、第一回目の放送はその年に公開される作品を紹介しているんですけども、今回は外国映画、洋画から紹介したいと思います。
鈴木 お!お願いします。
荒木 今年はどんな映画に会えるんでしょうか?ということでですね、
1月から順番に行きますね。
公開は日本の公開予定ですから、あくまで予定ですけど。
まず、1月6日です。韓国の映画界2大スターが共演の「非常宣言」という作品です。
飛行機で発生したウィルステロの恐怖を描いたパニックスリラーですが、この作品はこの後、後半でちょっとお話します。
鈴木 あ、そうですか。
荒木 2月10日公開は「バビロン」という作品です。1920年代の黄金期のハリウッドを舞台にしたブラッド・ピットとマーゴット・ロビーという…豪華ですよね。話題の作品です。
鈴木 面白そうですね。
荒木 2月17日、売れっ子、プリンスと言われるティモシー・シャラメの新作です。「ボーンズ アンド オール」というタイトルの問題作です。おせちなら料理ならぬ、人間を食べる若者たちを描いているんですね。
鈴木 え?えーっ!?
荒木 世界中で賛否両論を巻き起こしている作品です。このティモシー・シャラメ君はですね、今年は他にも「チョコレート工場」って名作ありますよね、「チョコレート工場の秘密」。これに登場する工場主のウィリー・ウォンカという人の若き日を描く「ウォンカ」という作品に主演します。これも今年中の公開ですけれど、どうもミュージカル仕立てらしいんです。だからシャラメの珍しい歌や踊りが見られそうです。
そしてダイちゃんも観たと思われる「デューン 砂の惑星」。これは2部作なんですよね。
これギリギリなんですよね。日本ではぎりぎり、来年になっちゃうかもしれませんけど、「砂の惑星」の続編も控えています。
鈴木 ということは、今年の年末年始って感じで…(笑)
荒木 そんな感じですよね。そして4月になると、日本の生んだ世界のスーパースターというと?色々いますが…。
鈴木 あ!ゴジラとか。
荒木 マリオです。とうとうスーパーマリオが映画になるんですね。
鈴木 それは実写ってこと?
荒木 いやアニメーションで。4月28日、アニメーション「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」という、何となくやっとですか?という感じですよね。
初めてなんです。で今回マリオの声は、クリス・プラットがやります。
ルイージはチャーリー・デイって人。クッパはジャック・ブラックですが、ピーチ姫の声誰だと思います?売れっ子女優です。
鈴木 誰よ、誰?
荒木 アニャ・テイラー=ジョイなんですよ。面白いですよね。
ストーリーはどうやら、世界征服を目論むクッパの悪だくみを、マリオたちが協力して阻むというものらしいです。
鈴木 はい。
荒木 ということで、それはさておき、去年世界で一番観られた映画と言えば、ダイちゃんもトップに挙げた…。
鈴木 「トップガン マーベリック」!?
荒木 そうです。「トップガン マーベリック」、凄かったですよね。
鈴木 最高!最高!最高!
荒木 そしてトムクルーズの演じるアクション映画と言えば、もうひとつありましたよね?
鈴木 ミ、ミ、ミ、ミッションインポッシブルー!
荒木 そうですよ。最新作「ミッションインポッシブル7」、今回は2部作になるという、大ヒットシリーズですが…。
鈴木 何か前同じような話しなかった?
荒木 よく覚えてますねー。(笑)実は1年前この番組、この時間でご紹介したんですよね。
鈴木 何やってんの!これ、やるやる詐欺じゃない?どういうこと?
荒木 2022年の9月30日が公開とか言っていたんですけど、公開延期でした。
…私はよく嘘つきと言われますけど、私が嘘をついたわけじゃないんですよ、これに関しては。
鈴木 荒木さんが嘘ついてるわけじゃないんだ?
荒木 これはもう配給会社の決定なんですが。ま、「トップガン マーベリック」が重なったってこともあったんでしょうかね。今度こそ、本当に本当です。
鈴木 (笑)
荒木 嫌だな、その笑い声は(笑)。日本公開日、今年の7月14日です。
鈴木 本当にそれインポッシブルじゃないの?大丈夫なの?ほんと、ミッションのインポッシブルになりますよ。
荒木 ほんとそうですね、シャレになりませんね。その続編の8は、来年の2024年の6月28日と決まってるそうです。
タイトルが「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」です。
デッドレコニングっていうのは、船や車で進んだ経路だとか距離、そういうものを何もついてない状態で測ってですね、スタート地点や海流の流れなどから過去や現在の位置を推定して、その位置情報をもとに行う航法のことです。つまりあまりよくわかってない不安定な航法ということですかね。日本で言うと推定航法とかいう、そういう訳になっていますね。
鈴木 へぇー。
荒木 主人公のイーサン・ホークのこれまでの軌跡を辿る集大成になると言われています。そうなると、ミッションインポッシブルもそろそろ大団円を迎えるのかなというところになりますね。
とにかく今度は大丈夫だと思います。「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」7月14日公開です。
鈴木 ポッシブルでお願いしますよ、ちょっとー!
荒木 私もよく頼んでおきます。近所の北澤八幡宮に(笑)
そして「ミッションインポッシブル」と並んでですね、今年最大の作品のひとつでしょうね。これも昨年公開予定だった…。(笑) アドベンチャー映画の頂点にして、原点と言うと?
鈴木 え?…何?!インディージョーンズのこと?
荒木 ピンポンピンポン♪「インディージョーンズシリーズ」ですねー!
鈴木 それも何回か聞いてるよ、荒木さん!
荒木 そうですよね。去年の公開の予定がですね、15年ぶりに今年は必ず帰ってきます!「インディージョーンズ」。
鈴木 インポッシブルのような感じするなー、大丈夫かなあ?
荒木 ちょっと信用してないね、その口調は。
今年公開第5作のタイトルは「インディージョーンズと運命のダイヤル」ですね。
ちょっとわくわくしますけど。今年80歳を迎える、あのハリソン・フォードが引き続き主演を務めてるってのもね。
鈴木 ちょっとそれ、どうなの?
荒木 一説によると、色んな技術で顔を若返らせてるらしいですよ。私ももちろんまだ観てないんで、何とも言えないんですけど。
鈴木 動きが気になる、表情よりもちょっと…。
荒木 そうですよね。身体動くのかな?って言うね・・・。
そして今回の悪役は、あのマッツ・ミケルセンだという情報も入っています。で、スティーブン・スピルバーグは、今回制作総指揮だということですね。こちらは6月30日公開予定です。
鈴木 一応書いとくよ、日にちだけは。
荒木 あ…ちょっと信用してないな。
鈴木 仮にしておくわ。
荒木 他にもキアヌ・リーヴスが伝説の殺し屋を演じるアクションシリーズ、「ジョン・ウィック」。近距離ガンアクションが凄いですよね。今年「チャプター4」として公開されるようですね。
それからトランスフォーマーシリーズ。「トランスフォーマー/ビースト覚醒」というタイトルで公開されるらしいです。もう一本注目は、ダイちゃんも好きなロッキーシリーズ。
鈴木 え?え?ロッキー?!
荒木 「ロッキー」お系譜を受け継げしもの「クリード」です。
その最新作「クリード3」も上陸します。
その他 ディズニー関係ですね。あのアニメの不朽の名作「リトルマーメイド」。この実写版。初夏の頃に公開されるらしいです。実写版です。どうも有色人種、白人じゃない人が主演らしいね。
鈴木 何か流れだねー。
荒木 そうだねー。そしてディズニーランドの人気アトラクション、「ホーンテッドマンション」これも2回目の実写映画なんですけど、これも来るようです。
他にも楽しみな作品公開予定です。コロナの影響が無いといいと思うんですけど、ひたすら北澤八幡宮にお祈りしておりますので。
鈴木 荒木さんさー、今耳にしてるかしてないかだけ聞きたいんだけど、スーパーマン、バットマン、スパイダーマンの…何とかマン辺りの続編とかなんかまだ無いのかな?

荒木 あー、無いですねー。スパイダーマンは、アニメで来ますけどね。
実写は次の年…、2024年くらいに来るんじゃないのかなっていう形です。そちらも楽しみですよね。
ということで、さっきちらっと話した1月6日公開の韓国映画「非常宣言」、これも話題の映画なんです。ウィルステロに巻き込まれた乗客と飛行機を救う為に頑張る男たちの活躍を描いたものですけど、あの韓国映画界を代表するソン・ガンホとイ・ビョンホンの共演です。
イ・ビョンホンは、娘とハワイ行きの飛行機に乗っちゃった乗客です。離陸後間もなく乗客が死に初めて、機内はパニックに陥るという。一方地上では、飛行機へのウィルステロの犯行予告がネットに載っかってですね、刑事のソン・ガンホは、妻が乗ってる飛行機の便だと気づくんです。地上と空と2つのパニックが展開されるんですが。
これは色々大変です。最近の韓国映画のクオリティの高さを表す一作ですね。
鈴木 そうですかー、観たいなこれー。
荒木 韓国映画は、悪人は悪人、絶対悪。それから因果応報とかね、透けて見えるんですけど。相変わらず味付け濃いですけど、非常に密室、密集、ウィルスですね、飛行機の中の。絶望と打開を繰り返す展開は定番なんですけど、上手いですね。
鈴木 わくわくしちゃいますね。
荒木 「新感染」、パンデミックスリラー。この辺りが上手く生かされてますよね。逃げ場の無い状況でのスリラーという意味で。何となく空の、昔あったよね、ダイヤモンドプリンセスって。
鈴木 あ!ありましたねー。
荒木 どこの国にも着陸できずに、という意味で、空のダイヤモンドプリンセス号っていうね、そんな感じがしました。飛行機内のパニックってたくさんあるんですけども、これフライトパニックにバイオテロ。いわゆるウィルステロを加えるというね、一見B級的な要素なんですけども、言わばごった煮作戦とも言えるかもしれませんけど、何故か韓国の料理は混ぜるのが多いので、ちゃんと収まるというか上手いんですよ、これ(笑)。
鈴木 流石ですよね、その辺りは。
荒木 混ぜるところがね。上手くまとまってみえるのは、ソン・ガンホとかね、イ・ビョンホンなどのスターを起用してるせいもあるんでしょうけど、中々のものです。
鈴木 サムギョプサルみたいなもんですね。美味しいんですよね(笑)。
荒木 美味しいですよ(笑)。一昔前と違うのは、飛行機内がSNS使えるんで、外の様子が公式発表より前に来ちゃうんです。この辺りが昔の飛行機映画とは違うんですね。逆に、飛んでる間にSNSで国民アンケート取っちゃうなんてシーンもありますけど、凄いなと思いました。
鈴木 密室だけど、世の中とは繋がってるわけだものねー。
荒木 そういうことです。ということで、1月6日公開の韓国映画「非常宣言」をご紹介しましたけど、今年もいい映画にたくさん会いたいですね。
鈴木 荒木さん、その為にもガイドよろしくお願いします。
荒木 力は弱いですけど一生懸命やりますので、ひとつお見捨てなきよう今年もよろしくお願いします。
鈴木 ありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。