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映画
「ノック 終末の訪問者」M.ナイト・シャラマン監督の終末スリラー
(2023年4月5日11:45)
「シックスセンス」(1999年)、「アンブレイカブル」(2000年)、「サイン」(2002年)、「オールド」(2021年)など、斬新な着想とスタイリッシュな映像で描く数々のスリラー作品で定評があるM.ナイト・シャラマン監督の最新作。人里離れた森の奥にある山小屋を舞台に、少女とゲイカップルの両親が、突然やってきた謎の4人組に予想もつかない衝撃の”選択“を迫られるというスリラー。
原作はポール・トレンブレイ著「ノック 終末の訪問者」(竹書房文庫)
謎の訪問者役に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのデイヴ・バウティスタや「ハリー・ポッター」シリーズのロン役でおなじみのルパート・グリントら。襲われる同性カップルの家族のアンドリュー役にドラマ「Fleabag フリーバッグ」のベン・オルドリッチ、エリック役に「マトリックス レザレクション」などのジョナサン・グロフ、2人の8歳の養女ウェンに本作が長編映画デビューとなるクリステン・ツイなどのキャスト。
2023年アメリカ/101分/原題:Knock at The Cabin/字幕:風間綾平/ユニバーサル映画/配給:東宝東和/
■ストーリー
静かな森の奥にある別荘の小屋で休暇を楽しんでいたアンドリュー(ジョナサン・グロフ)とエリック(ベン・オルドリッチ)の同性カップルと8歳の養女のウェン(クリステン・ツイ)の家族のもとを、謎の4人組が訪れる。
ウェンが外で遊んでいると、レナード(デイヴ・バウティスタ)と名乗る巨漢の男が近づき「友だちになりに来た」といい、バッタを捕まえてウェンを感心させた。しかし、あとから仲間とみられる奇妙な武器を持った男女3人が現れたため、ウェンは走って小屋に行きエリックと、アンドリューに知らせた。
エリックらはドアに鍵をかけて入れないようにするが、レナードは「多くの人を救うためにやってきました」と謎めいたことを言い、ついにはドアを破壊して乱入。エリックらは4人組と闘うが、椅子に縛り上げられてしまう。
そして、レナードは「われわれは世界の終わりを防ぐためにやってきた」といい、「世界が終わるかどうかは君たちにかかっている。家族3人から、犠牲になるものを選んでくれ」と家族に究極の選択を迫る。そうしないと「70億を超える人類は死滅する」という。狂信的なカルトの妄想にとりつかれた4人組かと思い、エリックらはでたらめだと拒否するが、テレビをつけると大地震や大災害のニュースが映し出され、恐怖の展開が待ち受ける。
■見どころ
デイヴ・バウティスタがなんとも不気味な4人組のリーダー格の男レナードを熱演して恐怖をかきたて存在感を見せている。そして少女ウェン役のクリステン・ツイも可憐なキャラと達者な演技でこの奇想天外のスリラーを盛り上げている。
「犠牲者を出さないと人類は滅亡する」というキーワードに驚かされ、いったいなぜ?そしてそれを拒否することを決断したとき、家族3人はどうなるのか? はたまた4人組の運命は?と最後までスリリングな展開が続く。その究極の選択をめぐる一家3人と4人組の目まぐるしく繰り広げられる奇想天外な攻防や「終末」の映像などの仕掛けが見ものだ。
(2023年4月7日(金)全国公開)