-
映画
「ヴァチカンのエクソシスト」ラッセル・クロウが”最強の悪魔”との壮絶な戦いを熱演
(2023年7月13日15:00)
カトリック教会の総本山ヴァチカンのローマ教皇に仕え、生涯で数万回の悪魔祓いを行ったという実在のチーフ・エクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父(1925年~2016年没)が、人間に取憑ついた「邪悪な悪魔との壮絶な戦い」を記録した同氏の著書「エクソシストは語る」を基に映画化したホラー作品。
同神父を「グラディエーター」(2000年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したラッセル・クロウが演じている。ローマ教皇役にフランコ・ネロ、アモルト神父に協力する若きトーマス神父にコスタリカ出身のダニエル・ゾヴァット、悪魔に取りつかれる少年の母親ジュリア役にアレックス・エッソーなどのキャスト。監督は短編映画「Jerrycan」(2008年)がカンヌ国際映画祭で審査委員賞を受賞。「オーヴァーロード」(2018年)、シルヴェスター・スタローン主演の「サマリタン」(2021年)などで知られるオーストラリア出身のジュリアス・エイヴァリー。
少女に取りついた悪魔と対決し壮絶な悪魔祓いを繰り広げるドラマを描いて大ヒットしたウイリアム・フリードキン監督の「エクソシスト」(1973年)から50年。新たな”エクソシスト”映画として注目される話題作。
原題:The Pope’s Exorcist
監督:ジュリアス・エイヴァリー
ガブリエーレ・アモルト著「An Exocist Tells His Story」及び「An Exorcist:More Stories」に基づく
出演:ラッセル・クロウ、ダニエル・ゾヴァット、アレックス・エッソ―、フランコ・ネロ
上映時間:1時間43分
■ストーリー
1987年7月、サンセバスチャン修道院。夫を亡くしたアメリカ人のシングルマザー、ジュリアは、反抗期のティーンエイジャーの娘エイミーと、父を失ったショックで何も話さなくなった息子ヘンリーを連れて、遺産として残されたスペインのサンセバスチャン修道院にやってくるが、まもなく少年は何かに取り憑かれたように変わり果てた姿になっていく。
そうしたなか、アモルト神父はローマ教皇から直接依頼を受け、悪馬に取りつかれたという少年の悪魔祓いに向かう。少年はしゃがれた声で卑猥な言葉を母や姉に投げつけ、かをを自身で傷つけて邪悪なに変貌していた。絶対に知りえないアモルト神父の過去を暴露する少年を見て、悪魔の仕業つぃんじて、若き相棒のトーマス神父とともに調査に乗り出し、修道院の何百年も隠されていた恐ろしい秘密を暴き出し、少年に取りついた悪魔と壮絶な戦いを繰り広げる。
■見どころ
数千回も悪魔祓いをしたという実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父の悪魔祓いを記録した著書に基づいているだけあって、悪魔の存在を信じるかどうかは別にして、「悪魔」と神父の戦いはスクリーンを揺るがすほどに壮絶でスリリングだ。悪魔に取りつかれた少年がしゃがれた声で神父の過去の禍根を暴露して見せたり猛烈なパワーで神父や母親たちを吹き飛ばしたりするシーンは圧巻だ。ラッセル・クロウが悪魔と戦うエクソシストの神父を重厚にパワフルに熱演して圧倒的な存在感を見せている。
アモルト神父はキャリアの中で最も手ごわい悪魔の憑依を解放しようとする中で、ヴァチカンからの警告を無視して何百年も隠されてきた巨大な陰謀を暴くのだが、エイヴァリー監督は「彼は組織の中のはぐれ者。現状や体制に挑んでいく因習打破主義者です」といい「私はそういうところを尊敬しています。ヴァチカンのチーフ・エクソシストを務めていた間ずっと、彼は率直に発言し、物議をかもす存在でした。非常に興味深いキャラクターです」と語っている。アモルト神父の悪魔の闘いと同時に、ヴァチカンに巣くう”悪魔”との戦いも描かれている。
7月14日(金)全国の映画館で公開