-
映 画

2023年前半の音楽関連映画のとっておき情報
(2023年1月20日15:00)
映画評論家・荒木久文氏が2023年前半の音楽関連映画のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、1月16日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 荒木さーん、よろしくお願いします。
荒木 こんにちは、荒木です。
先々週は今年公開の外国映画、そして先週は日本映画をご紹介してきました。
今週は、ダイちゃんとこの番組の音楽ファンのために、今年公開される、前半なんですが音楽関連映画をちょっとご紹介しましよう。
鈴木 おおー!!楽しみです。
荒木 近いところかららきますと、今やもう世界のという冠が付きます、BTSです! 2月1日(水)全世界公開の「BTS: Yet To Come in Cinemas」。昨年の10月に開催されたコンサートを収めた、ライブドキュメンタリーです。
釜山国際博覧会の誘致を目的に開催された一夜限りのスペシャルコンサートだったんですが、BTSメンバー7人が揃った兵役前最後のコンサートでもあったわけなんです。
このコンサートは、生中継や配信によって世界230国近くで配信されたんですけど、この映画は、このコンサートの模様を余すことなく記録した上に、劇場上映用に、生中継では使用されなかった専用カメラ14台で収められた超近接ショットやフルショットなど多彩なアングルの映像が盛り込こまれているらしいですね。

鈴木 これはファンはもう必見だね!
荒木 ファンはねー!そうですよね。通常の上映を始め、正面スクリーンと2つの側面スクリーンの計3面で構成されたScreenX!
鈴木 はいはい。
荒木 それと、シートなどが動いて環境効果が楽しめる4DX! これでも上映されて、その両方の機能がすべて搭載された4DXScreenXなど、ありとあらゆるリアルな臨場感を体感できる仕組みになっているらしいですよ!
鈴木 凄い―!これー!
荒木 2月1日公開です。BTSの「Yet To Come in Cinemas」という作品です。で、3月にはこれですね!!「ビリー・ホリデイ物語」
鈴木 ビリー・ホリデイ!?
荒木 はい。「ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill」.
3月10日公開です。あの奇妙な果実。伝説的ジャズシンガーの映画です。
ビリーを演ずるのはニューヨーク・ブロードウェイを中心に活躍する女優さんです。オードラ・マクドナルドさんて言うね。
鈴木 オードラ・マクドナルド…。
荒木 この人は、もう6度のトニー賞を受賞している人らしいですね。
鈴木 舞台じゃ凄いんだね。
荒木 そうなの。で、映画の中身はですね、1959年3月。彼女が亡くなる4か月前です。ビリー・ホリデイがフィラデルフィアの小さなジャズクラブのステージで、観客たちの前で人生最後のパフォーマンスを繰り広げる模様を、ジャズの名曲だとか、当然コメントも、辛らつでユーモラスな回想を交えながら、彼女の最後のパフォーマンスとなったステージなんです。この模様を再現したのが今回の作品です。
鈴木 なるほど。
荒木 これは、今後ブロードウェイの舞台を中心に数々の傑作を映画館で上映する「松竹ブロードウェイシネマ」シリーズの第1作だそうです。
鈴木 じゃあ、続いていくんだね、色々。
荒木 はい、色んなアーティストが。一回目がビリー・ホリデイと言う事ですね。…という事で、ビリー・ホリデイの次は、同じく3月。デヴィッド・ボウイです。

鈴木 おおー!!
荒木 「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」。3月24日公開です。もうこれは言うまでもなく、世界的ロックスター、デビッド・ボウイ。伝記映画みたいなのはたくさんありますけど、これはデビット・ボウイが30年にわたり保管していた膨大な量のアーカイブから厳選されたそうなんですね。「スターマン」はじめ40曲で構成されてですね、全編にわたってボウイ本人のナレーションを使用したとのことです。
鈴木 ほぉーほぉー!すげー…。
荒木 中では、デヴィッド・ボウイは一体何者だったのかというものを中心に、語り合われ構成されているんですが、この作品「デヴィッド・ボウイ財団」が唯一の公式認定ドキュメンタリー映画となっているとのことです。という「デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム」。3月24日公開の作品です。
鈴木 ボウイは、あの方は、宇宙人でございますからねー。
星に還ってしまったんですからね、あの方は。
荒木 星に還っちゃったんですね(笑)。
最後は日本のアーチストなんですけど、古い人のでわかるかなー?タイトルだけでわかりますかね? あ!曲名言おうか!陽の当たる場所!路地裏の少年!…と言うと…。
あー多分皆知らないかな…。「A PLACE IN THE SUN at 渚園 Summer of 1988」って言うですね、浜田省吾です!ハマショー!
鈴木 ハマショー!それはデビュー前のですか?
荒木 いや、デビューして3度目の野外ライブですね。
鈴木 あ…すげー…。
荒木 1988年、35年前ですね。静岡県浜名湖の「渚園」で行われた、「A PLACE IN THE SUN」。陽の当たる場所って訳していいのかな。ここで5万5000人集まったんですね。この伝説のライブを記録した膨大なオリジナルネガフィルム。例のごとく4Kデジタルリマスターと5.1chサラウンドミックスを施し、臨場感を高めてあるそうです。
鈴木 へぇー。
荒木 35年前にも関わらず当時の空気感を感じさせると、担当の方が言ってましたけどね。
鈴木 だけど、こういうのってさ現場に居た方は当然見たいだろうけど、現場に居なくて、伝説など話を聞いていただけのファンなんてのは、これ絶対見たいですよね!
荒木 観たいですよね!110分あるそうですけど。実は私、浜田省吾がデビューする頃一緒に仕事してたんですよ。
鈴木 荒木さんのそういう話多いからね!
荒木 サングラスしてて、絶対に外さないでしょう!見たことないでしょう!?
鈴木 無い無い!
荒木 私、見たことありますよ!素顔。
鈴木 素顔でラジオの仕事ってされるの?
荒木 いや、ほとんどサングラスしてましたけど、時々ね。汗拭いたり、モノを飲む時に外すんですけど。
鈴木 その時にスタッフとして、荒木さんちょろっと見とくわけね!
荒木 そ!可愛い目をしていましたよ。
鈴木 やーやーや!言わないの!そういうのは言わない、言わない!
荒木 はい。でも、40年くらい前だからね…。と言う事で今年前半の音楽、およびアーチストをフーチャーした映画をご紹介しました。
鈴木 荒木さーん、ありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。