-
映 画
アラキンのムービー・ワンダーランド/「リボルバー・リリー」「さよならエリュマントス」などのとっておき情報
(2023年8月12日10:45)
映画評論家・荒木久文氏「リボルバー・リリー」「さよならエリュマントス」などのとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、8月7日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 荒木さーん、ご機嫌いかが?
荒木 この暑いのにご機嫌です~。この間、ダイちゃんに教えてもらったパルムのアイスクリーム、箱買いして毎日食べてます。
鈴木 それ、もしかして美味しいってことですよね?
荒木 美味しいです。 ほんと、知らなかったことが損した気分になりました。ということで、朝から食べましたけど1本。
いつものように映画イベントからご紹介しましょう。お隣の、長野県八ヶ岳の麓、原村。八ヶ岳自然文化園というところがあるんですが、ここで、今年も「星空の映画祭」が開催です。今年は、8月20日㈰まで。ほぼほぼ毎日映画上映、20:00から。真夏の夜にだけ開催される、林の中にスクリーンが張られた、野外映画館ですね。日本一標高の高い1300mの高地だそうですから…。
鈴木 寒いよね?
荒木 夏のイベントですけど、高原ですから、夜は冷えるので長袖どころか、セーターが必要なようですよ。いかれる方は調べて行った方がいいと思いますが、上映作品「スズメの戸締り」だとか、「銀河鉄道の父」、それから「トップ・ガン・マーヴェリック」もやるし、「エブエブ」もやるという、なかなか素晴らしい作品が多いです。
鈴木 いいですね!
荒木 星空のもとで観る映画、いいと思います。第37回「星空の映画祭」ご紹介しました。
今週の金曜日11日からはそろそろお盆ですので、お盆映画がたくさん公開されますよね。目立つところだと、「バービー」。あの世界中で愛されるお人形「バービー」を、マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリングの共演で実写映画化です。
鈴木 話題になってますねー。
荒木 そう。世の中からピンクの塗料が無くなったという・・、もうピンクだらけでした。で、「ミンナのウタ」という作品もあります。「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバー7人が本人役で主演を務めました。清水崇監督がメガホンをとった結構怖いホラーです。
ということで、8月11日はいくつかあるんですが、目玉はなんといっても、ダイちゃんもお好きだと思うんですが、綾瀬はるかのガンアクション「リボルバー・リリー」。好きですよね?鉄砲もの。
鈴木 鉄砲ものは好きだし、綾瀬はるかさんも綺麗だし好きですね。
鈴木 鉄砲ものは好きだし、綾瀬はるかさんも綺麗だし好きですね。
荒木 そうだよね。なかなかいいですよ。
物語の舞台は、関東大震災1年後の復興しつつある、大正時代の東京です。綾瀬はるか演じる のは、小曾根百合。百合だからリリーなんですけど。 彼女は花街のカフェーの店主なのですが、実はかつて諜報員として活動していて、主な武器はリボルバー、回転式拳銃ですね、過去に67名もの暗殺に関与していた経歴を持つ引退した女性だったのですね。もう一人、細見慎太と少年がキーマンなのですが、彼は何者かに家族全員を殺害され、とある重大な事件のカギを握っているため、男たちに追われ続けるんです。百合は、その慎太から助けを求められたことで、軍隊やヤクザ組織から追われる身になるんです。なんと軍人とかヤクザ1000人くらいを相手に6日間にも及ぶ壮絶なバトルを繰り広げることになる、というお話。
大正ロマンの香りが漂う日本での冒険活劇という久しぶりですけど、ダイちゃんもガンもの好きだと思うんですけど…。
鈴木 ワクワクするし、ドキドキするからねー。
荒木 そうなんですよね。銃撃戦が多いので火薬の量が半端じゃないんですよ。最近の映画ではこの火薬が一番お金がかかるらしいんですよ。とにかく拳銃撃ちまくりで、お金がかかってるんですよ、この映画。
鈴木 ええーっ!!
荒木 日本映画では破格ですよね。そして近過去映画なんで、大正風の建物がないでしょ。だからセット作るのが大変ですよ。足りない部分はVFXが必要ですよね。
ヘアスタイル 衣装 数え上げたらきりがないんで。ほんとにお金がかかってる。
鈴木 本気でお金かかってるんだね。
荒木 見どころはいろいろありますが、なんといっても綾瀬さんのファッションとアクションね。ガンアクションが凄いですよ。「ジョン・ウィック」って観たことあるでしょ?あんな感じの接近拳銃戦。銃撃戦。もうすぐ近くで撃つんだもん、バンバンバンバン。本当にそういう意味じゃ、はるかさんね、コメディからシリアスまで幅広いね。
今回は、ダークヒロインということで、レトロな雰囲気が滲み出て、圧倒的な存在感があります。
鈴木 あの顔立ちが、また似合うんじゃないんですかー。
荒木 似合うんですよ。百合と行動をともにする慎太くんていうのは、羽村仁成くんという、ジャニーズJr.の子ですね。他には、長谷川博己さんだとか、シシド・カフカさんとか、清水尋也さん、それからジェシーですね、ストーンズの。
鈴木 SixTONESのね。
荒木 この人たちとてもいいですね。シシド・カフカさんも凄かったけど、ジェシーくんね。重要な役まわりだったんですけど、このような大作に出演して、凄いいい演技やってました。びっくりしました。
監督はアクション映画が初めてという、行定勲さん。この人は、恋愛映画の畑の人ですよね。だから、彼らしい映像美は十分生かしたうえで、とにかく綺麗なアクション、撮ってましたね。原作は長浦京さんの小説です。
今年は、1923年に発生した関東大震災から、100年の節目に当たるんですが。大正時代って、ちょうど近代と現代のはざまで、いろいろなものが混沌とした時代なんですよ。大正ロマンとか、よく聞いたことあると思いますけど、政治・社会的には軍部が、公然と政治や外交に介入し始めたり、戦争の空気とか、当時スペイン風邪が流行ったりなんかして、そういう意味でも、何が起きてもおかしくないという不安な時代という、ちょっと今に似ているんですよ。
鈴木 混沌とした、先行きがわかんないっていう感じですよね。
荒木 そう、そんな中で、女スパイという、戦う女性が主人公で、ジェンダーリーダーみたいな、叫ばれる今に通じる物語だと思います。
もともと、綾瀬はるかさんはほわっとした感じですよね。
鈴木 そうですよ。
荒木 本当は、運動神経抜群なんですね。かってハードル競技や、サッカーもCMに出てますし。ご自身は、学生時代バスケットやってたらしいんですよ。
鈴木 何でもできるんだね。
荒木 そう、50メートル7秒という話もありますよ。
鈴木 あのルックスで運動神経いいって、反則ですね。
荒木 ホントですよ。女性のアクションスターって、海外ではミラ・ジョヴォヴィッチだとか、シャーリーズ・セロンだとかいるけど、日本にはいないですよね。
鈴木 志穂美悦子さんぐらいですよ。
荒木 そうですよね。志穂美悦子さんは、ガチガチのね…筋肉派でした。
鈴木 「JACK」所属でしたよね。
荒木 演技も出来るっていう俳優さんはなかなかいない…。あとは、清野菜名さんとか、土屋太鳳さん、広瀬すずさん、みんなちょっとかわいくて小っちゃいんだよね
。運動神経いいけど。背がスーッと高くてカッコいいのは、綾瀬さんぐらいですかね。
鈴木 ちょっと、アクションスターとしてもいけるね。
荒木 いけます、いけます!もっと観たいなと思いました。ということで 日本の大作「リボルバー・リリー」8月11日公開ですので、是非。これ、すごいお金かかってますんで(笑)、観に行ってください。東映に代わってお願いします。
…ということで、8月11日公開の最後の映画は、「さよならエリュマントス」という作品です。山梨県が舞台の映画です。
鈴木 そうなんですよ。
荒木 エリュマントスというのは、もともと、ギリシア神話に登場する大猪の怪物のことなんですけど、映画の中では甲府市に本拠地を置く、社会人野球チームの名前で、あくまで映画の中での話ですよ。架空の話で、そんなチームは実際にはありませんけど・・・
主人公はもともと「エリュマントス」のチアリーダーだったココさんという女の子をはじめ6人の女の子たちなんです。野球チームは解散してしまったんですけど、このグループ名「エリュマントス」がそのまま残って、チェアリーダーにちょっとアイドルが入ったような彼女たちは、マネージャー、これは中島歩さんがやってるんですけど、彼に連れられて、近隣の催事場だとかお祭りなどのイベントに出る。いわゆるドサまわりをやっているんです。
鈴木 営業をやっているんですね。
荒木 そうなんです。ありていに言えば、最底辺の地下アイドルのような活動をさせられているわけですよね。そんなですからエリュマントスのメンバーとマネージャーとのケンカ、いさかいが絶えなくて、グループ内でも同様で、空中分解寸前なんです。
で、ある日、イベントに参加するために山梨の温泉、石和辺りですかね…。
鈴木 あれは石和温泉です。
荒木 マネージャーの不用意な発言から思わぬトラブルに巻き込まれていくというお話なんですけども。実は今回前もってこの映画、ダイちゃんに観てもらっていました。
鈴木 見ましたよー。まず、何よりも山梨をふんだんにフューチャリングされていて、特に、山梨といっても石和温泉、この界隈なので、僕は公私ともにウロウロしている場所で。
温泉旅館出たじゃないですか。あそこね、僕が山梨に来て、一番最初にFMFUJIの方にとって頂いて、泊まった旅館なんですよ。懐かしくなっちゃって。あそこの入口か、ロビーのところで、木で出来たベンチなんかもあのまんま使ってたし。
荒木 すごくいい旅館ですよね。
鈴木 なかなか良くて、お風呂も素敵でね。笛吹川フルーツ公園の展望の雰囲気も、夜見えちゃったりして。だからストーリーを追うというよりは、山梨の、ここ使った!、ここかーっていう、山梨の景色をまず楽しむのが、100%中89%くらいになってしまったんです。で、残りの11%は、あれ?どんなストーリーだったんだっけなーっていうような…あはは…。
荒木 なるほどね(笑)。ま、いっぱい出てきましたからね。私も見慣れた景色が出てきましたんで。
エリュマントスの、この6人の女優さんはですね、「ミスマガジンコンテスト2022」でグランプリに輝いた人とか、全員、特別賞などを受賞したメンバーなんです。
鈴木 じゃあ、れっきとしたタレントさんなんですね。
荒木 そうなんです、グラビア系のタレントさん。「ミスマガジン」って、かつてあのグラビアコンテストで、斉藤由貴だとか、細川ふみえといった有名アイドル、歌手を輩出してるんです。だからというか、今夏の6人もよーく見るとなかなか可愛くってセクシーですよね。
鈴木 背の高い娘が好きでしたね。
荒木 ココちゃんね。マネージャー役は中島歩さんでね、この人いい味出してるんですよね。
鈴木 ダメなイケメンであの味はちょっとねー…。
荒木 ダメ男の問題人物やらせたら一番ですよね。 他の作品でも、ちょっとカッコよくて女生徒にモテるんですけど、とんでもないアンモラルな女子高の高校教師とかね。すごいいいですよ。
鈴木 そういう役、絶対ハマるわー。
荒木 こちらでは野球の社会人チームの設定がありましたけど、なんか来年の4月ぐらいから、「BCリーグ」に参加するチームが出来るようですね。だから、ヴァンフォーレも。山梨、スポーツ王国、フルーツ王国として頑張っていただきたいと思います。
鈴木 ほんとそうですよね。
荒木 ということで、山梨県民ナショナリズムを刺激してしまいましたので、もう時間が無くなってしまいましたんで、今日準備していたアラキンの推薦おバカ映画シリーズ第3弾は、次にまわしますが…。
鈴木 それは、次回ということですね。
荒木 地元を舞台にした「さよなら エリュマントス」、なかなかシブくていい映画ですよね。
鈴木 劇中の台詞で、僕が忘れられないのが、「山梨なんて、ほうとうと暴走族しかないじゃん!」て、女の子の投げかけた言葉に大爆笑しましたね。その通りだなと思いながら、笑ってしまいました。
荒木 はい、
で、試写会プレゼントのお知らせがあります。8月21日(月)、午後6時半から東京神田の一ツ橋ホールで行われる、吉永小百合と大泉洋共演の「こんにちは 母さん」の試写会招待券を2組4名様にプレゼントします。
宛先はダイちゃんの方からお願いします。ということで、暑い中ダイちゃんも頑張ってください。僕もパルムのアイスクリーム食べながら…、ちょっとお腹の調子がゆるくなっちゃった。
鈴木 荒木さん、食べすぎはダメです。
荒木 箱買いだから。
鈴木 ありがとうございました。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。