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映 画
「カラダ探し」「”それ”がいる森」「ザ・ディープ・ハウス」のとっておき情報
(2022年9月24日10:50)
映画評論家・荒木久文氏が「カラダ探し」「”それ”がいる森」「ザ・ディープ・ハウス」のホラー映画3本のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、9月19日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いいたします。
荒木 敬老の日と言う事で…!高齢者の荒木です。
鈴木 いや、そこまでじゃないでしょう!?
荒木 ありがとうございます。気を使っていただいて(笑) 今日はお年寄りも若い人も関係なく、気軽にみられるホラーをね…。3本建てをご紹介します。
鈴木 気軽に観られるホラー…ね…。
荒木 はい、気軽に観られます。始めの2本は、日本の元アイドル系の人が主演する作品ですが、最初の作品は「カラダ探し」というですね。
鈴木 カラダ探し…、怖そうだなぁ。
荒木 (笑) 10月14日公開の作品です。主演は橋本環奈さん。
さあ、ストーリーなんですが、夏の初め7月5日のことです。女子高生の森崎明日香さん。もちろん橋本環奈さんがやっています。彼女は高校の校内でいるはずのない幼い12歳ぐらいの少女に出会い、「私のカラダ、探して」という意味不明なことを言われます。
鈴木 もう怖いじゃん!
荒木 その夜いつも通り寝ようとしていた明日香ちゃんですが、深夜12時になった瞬間、気が付くと彼女は深夜の高校校内にいたんですね。そこには、明日香の幼なじみで最近は疎遠になっていたクラスメートの高広君と、普段は接点のない同じクラスメイトの女子と男子2人づつ4人、つまり6人がいたんです。
何が何だかわからず、困惑する6人の前に、全身が血で真っ赤っかに染まった少女、「赤い人」が現れて、逃げ惑う彼らを次々殺していきます。
鈴木 それ、怖いじゃん!
荒木 そうなんですよ(笑) 明日香ちゃんも逃げたんですけど、されてしまうんです。その瞬間、なんと彼女は自分の部屋のベッドで目を覚ますんです。
殺された記憶を抱えてたまま、7月5日の朝に戻っていたんですね。その日から、6人は毎日毎日、深夜になると校内にいて、殺されて、同時に7月5日に目覚めるということを繰り返すようになってしまうんですね。いわゆるタイムループっていうやつです。死んでも、死んでも・・というか殺されても殺されても、同じ日を繰り返すというタイムループにはまってしまうんです。
鈴木 最悪だぁ…。
荒木 最悪だよね。そのループを抜け出して明日を迎える方法は何なのかっていう事を検討すると、校内に隠された“少女”のバラバラ死体のカラダをすべて見つけ出すことが、それを解決する方法になるんじゃないかと言う事で6人は次第に協力し始めます。 さあ。“カラダ探し”とは一体何なのか? “赤い人”の正体とは何なのか?
なぜ明日香たち6人はこのループに選ばれてしまったのか…? そうゆうストーリーのループ型ホラーです。
鈴木 荒木さん、今日はこれ一個だけでいいわ…。もう怖すぎるわ…。
荒木 そうですか(笑) すっかり若手女優の代表格になった橋本環奈さんですが、かつて『1000年に1人の美少女』と言われましたけど、既に23歳なんだけど、高校生役が全く違和感ありません。
鈴木 イケる顔してるもんね~。
荒木 私は、ああいう顔大好きなんで。
鈴木 ええ~!
荒木 ダイちゃんは違うよね。
鈴木 俺は、ちょっと違うね~。
荒木 そうなんだよね。他にもキラッキラの青春スターがいっぱいです。 クラスメイトには真栄田郷敦くん。強気の女子クラスメイトに、山本舞香ちゃん。他にも今引っ張りだこの神尾楓珠くんなどキラキラなんですけども、みんなかわいいお顔を引きつらせて頑張ってます。
鈴木 (笑)
荒木 殺され方も凄いんですよ。上半身と下半身がサヨナラしちゃったり、あのかっこいいか神尾君が手足をねじられたり、顔も結構えぐってたり、ひどい殺され方してるんですよ。結構グロくって、こんなこと青春スターにしていいのかな?って感じですけどね。
鈴木 ファンはどう思うんだろう?
荒木 ねー。橋本環奈ちゃんでさえも口に腕を突っ込まれ 変顔みたいになって死んじゃったりするんですよ。結構、血みどろで凄いんですよ。血の量も半端じゃないんです。それも安っぽい赤い血じゃなくて、黒い、どす黒い血が、ダボダボですよ。
鈴木 もう、俺…これは…。
荒木 (笑)まあ、アクションホラーと言っていいんですかね。 もうひとつは、ばらばらだった6人の高校生が、やがて協力して恐怖に立ち向かうという、ちょっとエモーショナルな青春群像劇の要素も入ってるんです。
ただ一点、僕、納得できないことがあってね…。
鈴木 何?何?
荒木 あの橋本環奈さんの、明日香ちゃんがですね、クラス全体から「なに、あの暗い地味な女は?」って、無視されて、いわゆる“ぽっち”という設定なんですよ。これはどう見ても無理があるでしょう! お前ら目が悪いか、頭おかしいかどっちかじゃないの?っていう、こんな日本一の美少女がクラスにいたら男はもちろん勉強どころじゃないよね…。
鈴木 (笑)荒木さん、荒木さん!落ち着いてください。お願いしま~す。
荒木 もう…私の時にはクラスに女の子少なかったですから。ダイちゃんは、どうですか?
鈴木 僕はいつも…、小、中、高、大って、女子の方が多いです。
荒木 いい環境にいましたね。
鈴木 いい環境かどうかはわかんないけど、女子の方が居て当たり前です。
荒木 うちはもうほぼ男子校で、50人中2人ぐらいしか女子が居なかったですからね。
鈴木 2人って、先生の事言ってるんじゃなくて?
荒木 (笑)いいえ、生徒です。
鈴木 えー?
荒木 そういう学校だったんですよ。不思議なことに。それはいいとして、そういうループで、キラッキラに可愛いスターを観るのもいいと思います。怖がる人はね。怖がる人を見るのが好きな人もいるでしょうからね。
鈴木 7月5日が嫌いになりますね。
荒木 そうですね(笑)。この映画の主題歌・挿入歌は、今最も勢いのあるアーティストAdoが担当しています。若い人向け「青春ホラー」です。ちょっと先ですが、10月14日公開です。ご覧になってください。
鈴木 はーい。
荒木 二本目。アイドルと言っても、もう卒業ですかね?この人は。
嵐の相葉雅紀君のホラー初主演作品です。9月30日公開の「”それ“がいる森」という作品です。ストーリーは、東北あたりでしょうか、山の中の田舎でひとり農業に従事している相葉君に、ある日、別れた妻と東京で暮らしているはずの小学生の息子が訪ねて来ます。しばらくの間、父と子はこの田舎で一緒に暮らすことになりますが、ちょうどその頃、彼らが住む家の近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに起こっていたんです。近所でも、住民の不審死やこどもの失踪事件が相次いでいたんです。そして、この親子も、得体の知れないいわゆる“それ” を目撃してしまい大変な恐怖にまきこまれていくことになる…。という、9月30日公開の「”それ“がいる森」とう作品でした。
鈴木 …荒木さん、お言葉ですが、何がなんだかわからない説明ですが…?
荒木 (笑)そうですよね。
鈴木 何が言いたいのか、よくわかんないです。
荒木 「それ」って何だ?って話ですよね?
鈴木 「それ」は何?何なの?
荒木 実はこの作品めちゃくちゃ規制が多いんですよ。まあ、裏話をしますと、通常こういう作品は、配給会社の試写室に我々や新聞記者などが行って、観せてもらってですね。今回はこの映画の試写が終わったあと、映画会社の人から一枚紙を渡されたんです。
鈴木 お!
荒木 ネタバレに関する注意なんですね。推理モノとか探偵モノとかの作品には、たまにあるんですけど、今回はその注意書きが凄くてですね。ちょっと読んでみると。
鈴木 お!お願いします!面白そう。
荒木 『ご協力のお願い。「誠に勝手ながら本作の宣伝では“それ”の正体や以下のネタバレ事項の情報を出さないことを統一させていただいております。」…そしてネタバレが書いてあるんです、これこれこれこれ…。さらにNGワードが5点ぐらい、これこれこれこれ…書いてあるのですが、これ全部、映画の大きな要素なんですがね。そして最後に『この作品をご紹介いただく際には「未知と恐怖と遭遇するホラーエンターテインメント」という表現でお願いできますでしょうか。』と書いてあるんです。
ですから 「未知と恐怖と遭遇するホラーエンターテインメント」です…。
鈴木 あ!ちゃんと紹介してる!荒木さん、NGワード一個くらい言わない?
荒木 NGワードねぇ…これ言うと、私、業界から葬られちゃうんですよ(笑)。
鈴木 わかった。もういい、もういい。
荒木 そんな大袈裟なことはないんですけども(笑) とにかく未知との恐怖、というか…。相葉君にとっては8年ぶりの映画主演作なんです。ホラー映画には初出演だそうで、共演には松本穂香ちゃんとか、江口のりこさん、子役には上原剣心君っていう、ジャニーズJr.で人気の子が出てるらんですけど。これ、ヒントになるかどうかはわかりませんが、監督は、中田秀夫さんなんですよ。
鈴木 え?
荒木 あの、「リング」とか、「事故物件 恐い間取り」など。
鈴木 それ聞いても、怖いだろうなくらいしかわからないよね。
荒木 そうだよね。ジャパニーズ・ホラーの第一人者として知られる中田秀夫さんなんですが、あの貞子の生みの親ですよね。日本のホラーを30年も担ってきた人です。中田監督は、今回ほど考えてチャレンジした作品はないとまで言ってます。
ま、期待大ということで…。全然ヒントにならないか?
鈴木 これ以上、荒木さんの話聞いても何の答えも出てこないんでしょう?
荒木 そういうことですね(笑)。
鈴木 もういい、もういいです、そしたら。
荒木 はい。ということで、未知と恐怖と遭遇するホラーエンターテインメント「“それ”がいる森」という、9月30日から公開の作品でした。ま、これもひとつの宣伝戦略だからね。何にも言うなっていうのもね。
鈴木 わかりました。う~。
荒木 はい。最後の作品は洋画のホラー、現在公開中の「ザ・ディープ・ハウス」という作品です。ストーリーはですね、2人の主人公のカップル。ティナとベンというんですが、二人は世界各地の廃墟などを撮影しているユーチューバです。
今回、二人の狙いは、フランスのある湖に沈められたお屋敷。これを撮影しようと湖を訪れます。二人は早速湖に潜って、湖底に沈んでいる不気味な屋敷を撮影するんです、中に入って。しかし、そんな彼らの前に不思議な現象や幻影が次々と現れます。2人は水の中の屋敷から出ようとしますが、いつの間にか出口は塞がれて…。当然、酸素ボンベの残量も少なくなって、パニックに陥るというところに、再び恐怖が襲いかかる…という内容なんですが…。
鈴木 そこに出てるの、相葉君じゃないでしょうね?
荒木 (笑)相葉君じゃない。
鈴木 あ、わかりました。
荒木 ベン役にはジェームズ・ジャガーさん。名前聞いたことあります?
鈴木 ジェームズ・ジャガーって、ミックの息子の一人とかじゃなくて?
荒木 そう。ミックの息子ですね。
鈴木 ミック・ジャガーの息子さんてこと?
荒木 そう!7人いるらしいですね、母親が違う子供が。その内の4番目らしいです。言われてみると、なんとなく似ています。37歳ですから、結構年ですから、おじさんです。ティナ役は人気モデルのカミーユ・ロウさん。
ほとんどが水中のシーンという珍しい設定のホラー映画です。水中のhaunted houseというか、つまり幽霊屋敷+水中恐怖ですよね。
鈴木 最悪、逃げられないじゃん、これ。
荒木 そうなんですよ。人間は水に潜ること自体が恐怖ですよね。水圧があるとか、息ができないってこともありますが、ひとつは早く動けないってこと。「走って逃げたいのに逃げられない」という夢をみたことあるでしょ? 悪夢。
鈴木 怖~い、怖いな。
荒木 そうだよね。足がおもうように前に進まない。思うように逃げられない。いわゆるジワジワとくる恐ろしさ。そして、お定まりではあるのですが、あと、酸素がこれだけしかないか無いよという恐怖で、思ったより怖いですよね。
鈴木 もう俺、海入らない。やめるわ。
荒木 (笑) 湖底に沈んだ謎の屋敷で思いがけない恐怖に遭遇するという、2人のカップルを描いたホラー。ま、迷惑系YouTuberなんですけど、バチが当たるみたいな感じというか。 水の中と幽霊屋敷という現在公開中の「ザ・ディープ・ハウス」という作品です。
鈴木 相葉君のネタ、一個くらいお伝えするってこと、出来ないんですか?
荒木 相葉君はね…。映画会社から「あなたもう来なくていいです。」ってロシアみたいに制裁を加えられるんですよ。
鈴木 もうわかりました。もういいです。もう二度と聞きません、大丈夫です。
荒木 あの、後で内緒で、個人的に教える…。
鈴木 マジ!ですか?
荒木 マジ、マジ。
鈴木 それ楽しみに、一端締めたいと思います。
荒木 じゃ番組終わった後ね(笑)
鈴木 (笑) 荒木さん、ありがとうございます。では このあと 映画「カラダさがし」からAdoさんの挿入歌をお届けします。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。