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映 画
(2023年1月6日11:00)
映画評論家・荒木久文氏が2024年公開外国映画のとっておき情報
を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、1月1日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 明けましておめでとうございます。
荒木 うぉーっ!明けましておめでとうございます。
鈴木 荒木さん、何吠えて登場してるんですか!
荒木 これは、私、年男で辰年なので、龍の鳴き声を模してみました。聞いたことないですけど。
鈴木 ちゃんと理由があって吠えたのね。
荒木 そうなんです。年男で36歳ではないんですよ。24でもないんですけどね。
鈴木 そうだね、そんな無駄な時間割いてる場合じゃないよ。そんなことわかってます。今年もよろしくお願いします。
荒木 よろしくお願いします。今年はなるべく楽して、他力本願、ダイちゃんのふんどしで相撲を取るということをやりたいと思います。
今日は第1回目の放送なので、今年公開される予定の作品で、外国映画をご紹介しようと思います。
鈴木 おおー!楽しみだなー。
荒木 さあ、どんな映画がやってくるのか楽しみですけど。ただ、予定なんで、変わることがあるんだよね。その辺はよろしくお願いします。
1月12日からは、ダイちゃん 好きかな?アクアマン!DC作品ですね。
鈴木 まあまあまあ、OKな感じですね。
荒木 これは、2018年「アクアマン」の続編なんですけど、「アクアマン//失われた王国」という。はるか昔、南極の氷河の奥深くに「失われた王国」があって、そこにあるとされる伝説の古代兵器が巻き起こす混乱。これを海底アトランティスの王アクアマンが、海と地上の世界を守るため、仲間たちとともに立ち上がるというお話です。
鈴木 ドリーミーでいいじゃないですか。
荒木 特撮が凄いです、海の中の。ジェイソン・モモア主演ですね。ニコール・キッドマンなんかかも出ています。お子様と一緒に行ってもいいですね。
この後ざっと公開順にいきますか。2月の注目は「カラーパープル」です。2月9日公開
「カラーパープル」って、1985年にスティーブン・スピルバーグが作ったんですけど、これをミュージカル映画としてリメイクしたんです。
鈴木 2とかじゃないってことね?
荒木 そうなんです。ミュージカル映画にしたということです。望まぬ結婚を強いられた女性が、不幸な日々のなか型破りな女性たちとの出会い、交流していくことによって自分の価値に目覚めていくという作品です。どんなミュージカルになるのか、楽しみですね。
鈴木 あれから40年くらいだから、時代も変わってるからね。
荒木 そうですね、注目です。3月15日公開は、ティモシ―シャラメ最新作、ダイちゃんも大好きな「デューン」です。「デューン 砂の惑星PART2」ですね。
鈴木 ちょっと楽しい!これ。
荒木 壮大な宇宙戦争を描くスペクタクルですけど、映画化したのは 名匠ドゥニ・ヴェルヌーブですよ。壮大過ぎて映画化不可能といわれたんですが。3年前でしたよね、今回は、父を殺されすべてを失った砂漠の王子ポールの運命の恋と復讐、そして宇宙の命運をかけた最終決戦が描かれるという「砂の惑星」です
。それから、これもダイちゃん懐かしいかな、「ゴーストバスターズ」。
鈴木 お!「ゴーストバスターズ」。2年くらい前にも新作あったよね。
荒木 また来るんですよ。今回は「全世界の夏を凍らせる史上最強のゴースト」が出現するという「ゴーストバスタース/フローズン・サマー」ということで。
あの懐かしいビルマーレイもでてます。こちらはもちろんゴーストじゃないですけどね。
鈴木 そりゃあそう、まだ大丈夫。
荒木 まだ生きてますね(笑)。映画界の2大モンスターと言うと、ダイちゃんは何を思い浮かべますかね。
鈴木 えー、ゴジラ!と…。
荒木 そうね、ゴジラとキングコングですね。4月26日は、この2大モンスターが3年ぶりに登場します。タイトルは「ゴジラ×コング 新たなる帝国」というんですけど。地球最大の究極対決かと思ったら、今回のタイトルをよーく見ると、ゴジラとコングの間の文字、前回はVS だったのに、今回は×になってるんですよ。もちろん対とも読めるんですけど、VSとも読めるんですけど、かけるとも読めるんです。
鈴木 そうですね。
荒木 今回はひょっとして共闘かなと思うんです。2大怪獣。
鈴木 え?モスラと戦うのかな?
荒木 そうなんですよね。そうだとしたら新しい敵は何なのか…というね、楽しみです。という、謎の「ゴジラ×コング 新たなる帝国」。4月26日です。
もう1本。ダイちゃんわかるかな?「鉄のつめ」、「アイアンクロー」というと…。
鈴木 わかります、わかります! フレットブラッシーじゃなくて、ええーと、誰だっけ? ええと・・エリック…。
荒木 そう、フリッツ・フォン・エリック。知ってますねー。
鈴木 おじいちゃんが昔盛り上がってた…。
荒木 私、ライブで見てましたけど(笑) 。その「鉄のつめ」、「アイアンクロー」というと、フリッツ・フォン・エリックというドイツ出身のプロレスラーなんですけど。この人、6人息子がいたんですけど、みんなプロレスラーになったんです。けど、5人まで若い時に死んじゃったんですよ。で、呪われた一家とも呼ばれたんですね。
ケビン・フォン・エリックっていう人だけ残ってプロレスラーやったんですけど、今は孫がプロレスラーになったらしいですけどね。このフリッツ・フォン・エリックと家族を描いた「アイアンクロー」という映画が4月5日に公開されます。
荒木 伝記映画ですね。
鈴木 これ見たいな。
荒木 見たいですよね。実際の人物の伝記としてもう1本あって、4月公開予定の、タイトルが「Priscilla」(原題)。
鈴木 プリシラ? エルビスのプレスリーのこと?プリシア・プレスリーですか?
荒木 そうです。エルビスの奥さん、プリシラ・プレスリー。彼女の回想録「私のエルビス」を、ソフィア・コッポラが映画化したんです。
エルビスは今度はこの映画でどんな風に描かれるのか楽しみですね。
更に 4月19日には、脚本家山田太一さん、昨年亡くなりましたけどね。彼の小説「異人たちとの夏」の再映画化です。これは、1988年の公開で大林宜彦監督が作った映画なんですけどね。これが外国映画、アメリカ映画として、今回のタイトルは「異人たち」という。
鈴木 リメイクですか?
荒木 リメイクです。これいい映画でしたよ。私もほんとによく覚えてます。
今回の「異人たち」、早くもアカデミー賞候補らしいです。ここからは、具体的公開日は未定の作品が多いですけど。「ジョーカー」の続編。
鈴木 うわぁー、これも見たい。
荒木 「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」という。主演はもちろんホアキン・フェニックスですけど。アカデミー賞のホアキンはもちろん再び主演なんですけど、残念ながら、ダイちゃんの好きなマーゴット・ロビーはハーレ・クイーンとしては出ないんですよ。
鈴木 どうしよう、見ようかな…。
荒木 いやぁ見ると思いますよ。誰がやると思います?ハーレ・クイーン役は。
鈴木 うーん…。ほんとにわからん。
荒木 わかんないですよね。レディ・ガガです。レディ・ガガがやるらしいですよ。
鈴木 えっ?! レディ・ガガ!!…あの方演技上手いからね。
荒木 上手いからね、歌も歌っちゃうでしょうね。
鈴木 サントラは出るでしょうね。
荒木 そうでしょうね。そして、これも外せません、マッド・マックスの新作です。「マッド・マックス:フュリオサ」。
前回の作品で、フォリオサを演じていたのは、オスカー女優のシャーリーズ・セロンでした。今回はその前の若い日のことが描かれるんですね。いわゆる前日譚。演じるのはハリウッドで最も注目されている女優の一人、アニャ・テーラー・ジョイです。
鈴木 シャーリーズセロンの若い頃ってことね。
荒木 そういうこと。まあ、ちょっと顔似てないけどね。
鈴木 全然似てないよね(笑)。それはそれでいいけど。
荒木 そして昨年度のアメリカ映画興行収入のベスト3に入っている、問題作「オッペンハイマー」。いよいよ日本公開ですね。
鈴木 見たいなあ、これは。
荒木 原爆の父と呼ばれるアメリカの理論物理学者、ロバート・オッペンハイマーの実話ドラマですね。配給会社はこの作品は私たち日本人にとって非常に重要で、且つ地区別な意味を持つものであるため、いろんな議論と検討の末日本公開に至ったと話しています。
鈴木 日本人こそ見たほうがいいんじゃないんですか、逆に言うと。
荒木 そうですね。そして最後に、ダイちゃんも見たいと思います。音楽映画を2本。まずはロックンロールを作った、と言っていいでしょう。リトル・リチャード。
鈴木 リトル・リチャード!いいですね!
荒木 その知られざる史実と素顔を描くドキュメンタリー映画ですね。『リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング』、3月1日から全国で公開です。
鈴木 荒木さん、これ公開ギリギリになったら、また紹介してよ。
荒木 あーもちろんもちろん。リトル・リチャードに関しては、ダイちゃんに説明していただくほかないんですが、革新的黒人アーティストで、あらゆる人に影響を与えた人ですよね。
鈴木 ポールマッカートニーのシャウト唱法なんて、もろ、リトル・リチャードですよ。
荒木 そうですよね。ただ、現代ではすっかり当たり前になってるパフォーマンスの数々がね、70年前、この人によって開発されたということで、映像を見るとリチャードの演奏、今接しても、全然色褪せてないらしいですよ。
鈴木 しかも、当時黒人でありながら、ゲイだったからね。そうとうなチャレンジだったと思うよ、いろんなことが。
荒木 そういう意味で、陽気なキャラを演じつつね、性的マイノリティーでもあって、繊細な魂を持った人だったんですね。性的差別や偏見、時代と流行とか、信仰もあったしね、そこをつまびらかにしてるそうです。3月1日から公開だそうです。
最後は、没後42年、今なお世界の人々をインスパイアしてやまないという伝説のミュージシャン、ボブ・マーリーです。
鈴木 42年…、そんなになるかあ。
荒木 彼の波乱万丈な生涯を描く、これは劇映画です。『ボブ・マーリー:ONE LOVE』というタイトルで、まだ未定ですが2024年内に公開となります。
鈴木 これは絶対見るわ。
荒木 ボブ・マーリーに関しては、ダイちゃんのほうから後で説明して頂くとといいと思うんですけど、グラミー賞から始まってね、レゲエの神様です。
鈴木 ほんとそうですよね。
荒木 主演は、キングズリー・ベン=アディルさんて人がやります。
鈴木 似てるんですか?
荒木 似てると思いますよ。写真でみただけですけど、ああいう髪しちゃうと誰でも同じになっちゃうからね。
鈴木 あはははは。確かに。それなりには見えますからね。
荒木 奥さん役リタ・マーリーにはラシャーナ・リンチさんて人がね。子どもたちやリタ・マーリーさんが監修してるんですって。だから、物語に深みを加えてるそうですよ。
鈴木 あの一味は財団のようになっていますから、管理凄いんですよ。
荒木 ああ、そうなんでしょうね。その辺は僕もわかんないんで、ダイちゃんに説明していただくとわかると思うんですが、また公開の時には、内容を是非聞いていただいて。伝説とか、カリスマとか、神様とかね…。
鈴木 全ての形容詞が合いますもんね。
荒木 そうですね。『ボブ・マーリー:ONE LOVE』という作品。
最後に音楽関係2本紹介しましたけどね、今年もどんな映画に会えるのか、またダイちゃんと一緒に楽しみたいと思います。リスナーの皆さんにも出来るだけいろんな情報を入れたいと思います。
鈴木 荒木さん、今年もよろしくお願いします。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。