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映 画

「未体験ゾーンの映画たち2026」「チャック・ベリー ブラウン・アイド・ハンサム・マン」のとっておき情報
(2025年12月28日10:30)
映画評論家・荒木久文氏が「未体験ゾーンの映画たち2026」、「チャック・ベリー ブラウン・アイド・ハンサム・マン」のとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、12月22日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 今回は今年の映画界を簡単にちょっと振り返ってみたいと思います。2025年亡くなった関係者を哀悼を込めてご紹介です。
俳優ではロバート・レッドフォード、9月 89歳で亡くなりました。
ハリウッドの巨星でした。「明日に向って撃て!」とか。あとジーン・ハックマン。
鈴木 いい俳優でしたね。
荒木 「フレンチ・コネクション」が有名ですけど、私は「ポセイドン・アドべンチャー」が印象深い。
鈴木 「ポセイドン・アドべンチャー」、僕も大好きですね。
荒木 牧師役さんでしたね。あとはデヴィッド・リンチ監督。79歳ですね。「ツイン・ピークス」や「ブルーベルベット」で面白いテイストの映画が多かったですけど…。
鈴木 カルトの帝王ですよ、ある種。
荒木 そうですね。あとロブ・ライナー、最近ですけどね。
鈴木 なんか、亡くなり方がちょっとびっくりするような感覚です。
荒木 本当ね。身内に、次男に殺されたということだったんですよね。
思い入れのある監督、俳優さんばかりです。あと日本の俳優では仲代さんですね。
92歳。「用心棒」「影武者」ね。それから自身の主宰する「無名塾」。あと吉行和子さん。
鈴木 素敵でしたね、彼女も。
荒木 素敵でしたよね、「家族はつらいよ」、「愛の亡霊」なんかも出ていましたよね。あとは監督でいうと原田眞人さん。「クライマーズ・ハイ」は良かったですよね。さらには篠田正浩さん。映画界の巨星たち…安らかにとお祈りしたいと思います。。
鈴木 ご冥福をお祈りいたします。
本当に素敵な作品ありがとうございました。
荒木 …ということで、頭から変なことになりました。(笑)
鈴木 いやいやいやいや、いいえこれやんないとちゃんと。(笑)
荒木 さて、恒例の映画イベント紹介です。
ダイちゃんにはずっとお馴染みでしたよね。
鈴木 何々?
荒木 『未体験ゾーンの映画たち2026』。
鈴木 ああ!これ面白いですよね。
荒木 これ今年の紹介が最後だと思うとちょっと感慨深いものありますけど。
鈴木 やめてください。涙は頂戴しません…私。
荒木 はい(笑)。映画はいろんな理由で公開が見送られてしまうものが多いっていうのは、皆さんご存知だと思うんですけど、その中にも傑作だったり怪しい映画とかいっぱいあるんです。。そんな映画を是非スクリーンで見てもらいたいという思いで開催されるのがこのイベントです。見ないのはもったいないよ映画祭です。
鈴木 なんで公開できないんだろうと思うような作品ばっかりですもんね。
荒木 宣伝費が足らないとかね、いろいろあるんですよね。今年は30本。1月2日から2月12日にかけて「ヒューマントラストシネマ渋谷」にて開催されます。
鈴木 会場もいつものパターンですね。
荒木 そうです。その中からいくつかご紹介します。まず1本目。『アブルプティオ 狂気人形』、狂気です。

鈴木 何、それ?
荒木 ホラーです。いわゆるシュルレアリズム・ホラーって言うのかな?
世界中のホラー映画祭で23本の映画賞を獲得したって言われるんすけど、内容はつまんない冴えない中年男が、首にリモート爆弾が埋め込まれて、それを何か指令を受けるようになって、それを実行できなければ首の爆弾が爆発するという…まあ、何処にもあるようなって言ったら失礼ですけど、意外にあるという筋かもですね。
鈴木 どこにでもあるけど、起きたら困るし、現実にはあんまり聞かないですよね。
荒木 そうそう。だけどね、面白いのは、これ人形劇なんですよ。
鈴木 はっ!?
荒木 人形劇。
鈴木 人出てこないの?普通の人は。
荒木 あのね、人形劇と言ってもね、ちょっと見てもらわないと、私の乏しい表現力ではうまく言えないんですけど、人間が人形のお面つけてやってるのか、人形を人間のように動かしてるのかちょっとわからないんですよ。ちょっと説明しにくい。不気味で生の人間臭いけどまさに人形という…。
鈴木 わからないって言いつつ、本当はどっちもわかってないの?
荒木 あのね、もちろん中に人が入ってるんでしょうけど、顔はね、もう表情が固まってて、本当に、目が特に水晶玉のような瞳なんですよ。それは、人形の心と体の空虚さを表していると言っていいと思うんですけど。そういう感じのですね、何ていうんだろうな…。
鈴木 能みたいじゃないですか。
荒木 でもね、もっと気持ち悪いね。とにかく初めて経験した気持ち悪さとか不気味さね。
鈴木 えーっ。
荒木 見た後しばらく頭ん中に残っていましたよ。
鈴木 えー、見るのやめようかな。そうなったらちょっと気持ち悪いからな。
荒木 そりゃ困るんですよ。(笑)
鈴木 それは困るのね。(笑)
荒木 これが本当に面白いんですよ。
鈴木 本当に未体験で私わかりません。(笑)
荒木 こんな不気味な映画とキャラを作った方に脱帽、そんな感じです。
鈴木 あはははは。
荒木 2本目は『ブッチャーズ・クロッシングー荒野の黙示録ー』という1800年代のアメリカ西部を舞台に、バッファローっていますよね。アメリカンバイソンのことね。これをハンティングに取り憑かれた男たちを描くアクションなんです。

鈴木 面白そう!
荒木 主人公はウィルって言います。彼は大学を中退してバイソン・ハンターたちの集まる町に行きます。それがブッチャーズ・クロッシングっていう町です。
バイソンハンティングに同行することになります。リーダーはミラーという男。
誰も見たことのないバッファローの大群が生息する地域を知っていると言うんです。
彼らは4人でバイソンの大群を求めてコロラド州を目指すんです。そして、本当に過酷な道中を超えてバイソンの大群を発見します。
鈴木 おー!
荒木 毛皮、もちろん当時は毛皮がすごい高い値段で売れたんで、毛皮を取ることが目的なんです。何百頭と仕留めて毛皮を剥いでいくんですね。ところが数週間の予定が数ヶ月なって冬になってしまい、もう山で冬を越さざるを得なくなるんです。
鈴木 どうするんですか?
荒木 すごい 過酷な冬の後、町に帰るんですけど、そこには残酷な冬よりもっと残酷な現実が待っていたというお話なんです。これは面白かった。
鈴木 町が荒らされてないんだね、無法者たちの。
荒木 …そういう見方も…。
鈴木 ワイルドウエストだから。
荒木 そういう考えもあります。でもちょっと違うんですよ。(笑)
鈴木 違うのね!外れてるわけね、それはそれで良かった。
荒木 当時アメリカ西部に6000万頭生息してたアメリカバイソンが、数年の乱獲で300頭まで減っちゃうんですね。
鈴木 減りすぎじゃないですか、それ。
荒木 その時代の話です。一攫千金を狙った男たちの凄まじい話でした。
あのニコラスケイジが出ています。
鈴木 あっ!これ俺絶対見たいわ。
荒木 怪しい詐欺師やらせたら、他に譲らないですからね。
鈴木 もうピカイチですからね。ニコラス・ケイジ。
荒木 『ブッチャーズ・クロッシング ー荒野の黙示録ー』は1月2日から。 他にも、「SAMANSAプレゼンツ」っていうのが3作品あります。
SAMANSAというのは、ショート映画に特化した配信サービスなんです。
ショート映画ばかり配信してる会社なんです。この会社からスクリーンで見たらどうですかということで、これをスクリーンに公開予定なんです。
何本かあるんですが1本目は『拘束』という作品です。リバプールで凄惨な幼児の遺体が発見され、容疑者として10歳の少年2人が拘束されます。本当に彼らが犯人なのか?という世界を震撼させた本当の事件に基づく物語です。
2番目は『マーダー・キャンプ』っていうB級ホラー。グロさと笑いを掛け合わせた作品です。殺人鬼は自分の殺人鬼の人生に悩みを抱いて…というストーリー。
もう、感情移入しちゃいますよ、これ。



鈴木 じゃあ、やめなさい、殺人鬼は。
荒木 そうそう、そういうような仲間同士で慰め合うという変な映画ですけど、これ15分の作品。
鈴木 15分しかないの!?
荒木 そうそう。さっきの『拘束』は30分。で、『スタック』という、これも面白かったですね。TikTokで1,000万回再生を記録した作品なんですが。
女子の体操教室に現れて、体操着の女子を覗こうとする変質者の男・・・、教師のひとりが警察に対応お願いするも、まともに取り合ってくれないので、自分たちで立ち向かうというお話。これも14分。
鈴木 15分じゃなくて14分ってとこがいいですね。
荒木 そうなんですよ、そういう作品。これもなかなか、短い作品は締まってていいですね。
鈴木 1時間で3本見れるじゃないですか!今紹介したのだって。
荒木 そうなんですよ。3本とも面白い作品でね。なかなかいいものでした。
鈴木 いいものでしたなかなか・・ですか。(笑)
荒木 とのいうことで「未体験ゾーンの映画たち」は、他にもホラーゲームの実写化とか、ミラ・ジョヴォヴィッチのアクションとかいろいろあります。全30作。
詳しいことはホームページで見ていただきたいと思います。
今年も担当の福島さんから、招待券をいただいています。
鈴木 福島さん、荒木さん、ありがとうございます。
荒木 最後は音楽関連映画。
鈴木 何?
荒木 今日最後ですねこれ。来年1月16日公開の『チャック・ベリー ブラウン・アイド・ハンサム・マン』という。

鈴木 それはまさしくチャック・ベリーの曲名じゃないすか。
荒木 そうなんですよ。チャック・ベリーと言えば1950年代にロックンロールの原型を作り上げたアーティストのひとりですよね。
鈴木 その通りですよね。
荒木 もう若者の新しい潮流を作り上げたとも言われてますけど。
鈴木 世界を変えましたよ、本当に。
荒木 はい。人類の壁を超えて人気を博した、初の黒人ロックンローラーとしても知られています。
鈴木 チャック・ベリーか、リトル・リチャードか、ファッツ・ドミノかって感じですよ。
荒木 そうですよね、あの辺ですよね。前に映画ありましたよね。
鈴木 大学の時に「ヘイル・ヘイル・ロックンロール」っていう、行き先々でギターだけ持って、その場でライブに駆け込みでいくという・・・キース・リチャードが絡んでる映画で彼が音楽監督やってんだけど、キース・リチャードに対しチャック・ベリーがカツを入れて怒って、キース・リチャードがくすんとなってるっていうシーンがあって、この人すげえ人なんだなと思ったな。
荒木 面白いオジサンだったよね、怒りっぽくて。そのキースリ・チャードなんかも出てくるんですよ。こちらの作品。
鈴木 やっぱり出ますか。
荒木 作品は、チャック・ベリー本人のインタビューやパフォーマンスはもちろんですが、他のアーティストに影響を与えたビートルズやローリング・ストーンズ、ジミ・ヘンドリックス、それから今 言ったキース・リチャード、ポール、それからブルース・スプリングスティーンといったロック界のレジェンドたちが、彼の名曲をカバーした映像を沢山収録してるんですね。
鈴木 カバーが死ぬほどありますよ、世の中に。
荒木 世界一多いんじゃないかな、この人のカバー。
鈴木 かもしれないね。
荒木 ナレーションは、名優のダニー・グローバーです。
鈴木 ダニー・グローバーがやってるんだ!
荒木 「リーサル・ウェポン」のね。これもロックの歴史の原点みたいな作品ですから、ぜひロック好きは見ておくべきだと思います。
鈴木 べきですね、これは。
荒木 『チャック・ベリー ブラウン・アイド・ハンサム・マン』ということで、是非見ていただきたいと思います。
鈴木 あとで最後に、チャック・ベリーの曲をかけるからね。
荒木 今日はちょっとごった煮みたいになっちゃいましたけど。
鈴木 いいですよ、ごった煮で。
荒木 もうずっとごった煮だったからね。来週もごった煮で行きます。
鈴木 ありがとうございます。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。