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映 画

「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」「(LOVE SONG)」「プレデター:バッドランド」のとっておき情報
(2025年11月10日10:00)
映画評論家・荒木久文氏が「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」「(LOVE SONG)」「プレデター:バッドランド」のとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、11月3日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 文化の日です。
鈴木 文化の日に我々はふさわしい。
荒木 ところによっては、美術館などの文化施設が無料になったりするらしいですね。
鈴木 友達は正倉院まで行ったみたい、奈良の。正倉院展、今やってるんですよね。
荒木 へええー 凄いですね。そんななか、私達が今日 話すのはですね、
悪徳政治家と凶悪な宇宙生物と男同士の恋愛の話で。
鈴木 さすが文化の日ですよ!我々は。
荒木 そうだよね、我々の文化だよね。ということで1本目。
ドキュメンタリー映画です。『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』11月8日公開の映画です。

鈴木 ネタニヤフって、ネタニヤフさんのあのネタニヤフ。
荒木 そう、ニュースはしょっちゅう見ますよね。強力なリーダーシップを持ちながらも強硬なイスラエルの首相ですよ。
鈴木 なんか最近、トランプさんとセットになってる感じするけどね。
荒木 そうですね。世界中が心配しているのが、パレスチナとイスラエルの問題ですよね。今は少し小康状態ですけども、先週も爆撃があってガザで多くの人が亡くなっています。
鈴木 結局止まらないね、なんかね。
荒木 まだ安心できない状態ですが、この映画は今起こっているこのイスラエルとパレスチナの戦争の裏には何があるのかという、そういうお話です。
ドキュメンタリーです。ある日、アレックス・ギブニーというアメリカ人の有名なドキュメンタリー作家がいるんですけど、その人に匿名の人からビデオが届くんです。
そのビデオの中身はあのイスラエルのネタニヤフ首相が警察で取り調べを受けているという映像だったんですよ。彼に関する汚職捜査の過程の警察尋問映像が映っていて、そこにはネタニヤフの汚職、具体的にはメディアや財界との贈答、贈り物や、利益供与の実態が記録されていたわけなんですよ。多分 リークしたのは警察内部の人間、反感を持っている人でしょうね。
鈴木 本当の映像なんですよね?
荒木 本当の映像です。この本当の映像をもとに映画が作られているんです。
このネタニヤフへの疑惑が、現在のイスラエルのガザ攻撃の根本的理由のひとつであることがわかってくるんです。
凄い映画です。最初は贅沢好きのネタニヤフの奥さんがいっぱいおねだりしていたっていうところ始まったらしいんですけど、彼らの隠された私生活が描き出されています。
元々、ネタニヤフって顔見るとわかるけど、ちょっとね、一筋縄でいかない、寝技というか、陰謀的な策を弄するタイプの政治家ですよね。
鈴木 裏がありそうですもんね。
荒木 イメージで言って申し訳ないんですけど(笑)。
鈴木 確かに、確かに。
荒木 対外的には敵のパレスチナを分断するためには、国内で仲たがいさせればいいと考え、パレスチナ右派、つまりあのハマスを支援していたといわれます。
その結果生まれたのが、今回の戦争のきっかけとなったハマスのテロだったんです。
そんな権謀術数政治家がネタニヤフなんですが、彼は在任中に刑事起訴された、史上初のイスラエル首相でもあるんです。
ところが、今回ハマスの戦争になったおかげで、ネタニヤフの裁判は一時停止しているんですよ。戦争だから当然、挙国一致になるよね。一丸となって戦争しなきゃいけないんで国内の反ネタニヤフも静まっているわけです。彼は逮捕される寸前でしたから、戦争し続けることによって逮捕を免れてんです。
鈴木 そういうこと?本当に。
荒木 自分の地位を守ってるんですよ。だからやり遂げず、やり続けるしかないんですね、この戦争。
鈴木 なるほど。
荒木 ガザへの攻撃が終わったら、イスラエルと対立する国々に攻撃、レバノンとかシリアとかへの攻撃、もうやっていますけどね。
鈴木 もう ずっとどっかと戦争してるしかないじゃない。
荒木 そうなんですよ。そういうことで、自分の体制が維持できるから延々と戦争し続けるしかないと言われていますよね。
鈴木 最悪だ、これは。
荒木 見ると、ネタニヤフは警察の尋問に対して、実に偉そうなんです。
鈴木 尋問になってないね、それ。
荒木 もうなんかね、彼がお説教してるような感じです。
全部「嘘」だと決めつけて。どっかの大統領によく似てますね。
鈴木 だから気が合うとこあんじゃないすか、いろいろ。
荒木 その上を行くのがネタニヤ夫人ですね、すごい奥さんですよ、これ。
警察官への恫喝なんか、もの凄いね。一方で彼の汚職がいかに国家の腐敗を招いていったかを証言している人たち、ネタニヤフの元広報担当とかジャーナリストなんかも、非常に興味深いコメントがあって、ああいうことやってたって。
鈴木 当然、敵も多いですもんね、絶対ね。
荒木 めちゃくちゃ多いですよ。
鈴木 ですよね(笑)。
荒木 この映画、ネタニヤフ自身が公開中止を求めて訴訟を起こして、国内は上映禁止になったということなんですが、その他の親イスラエルの国々はちゃんと劇場公開していないようです。
鈴木 でも、そういうこと全てが宣伝効果になっちゃうよね。
荒木 だからね、昨年度のアカデミー賞ショートリスト、つまりノミネート前の段階のリストに選出されちゃったっていうような。
鈴木 やっぱりそのパターンですよ、これ絶対。
荒木 権力の魔力っていうかね、人間の権力に対する弱さも強さもね、というか貪欲さ。一度そういう権力欲しいよね。
鈴木 いや、荒木さん持たない方がいい。持ったら駄目だわ。
荒木 何それ?どういう意味?
鈴木 駄目、駄目、ネタ二アラキヒ…になっちゃうよ。
荒木 『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』11月8日公開です。
はい次。ダイちゃんもこのワイドで、いろいろコーナーやっていますけど、扱いにくいキャラとかいるでしょう。例えば私。何言い出すかわかんないとか、それから風間さんは来るか来ないかわかんないとかさ。
鈴木 なかなか曲者のキャラクターが私、多いんですよ。相手にされてる方。
荒木 使いにくいキャラツー2トップいうか2トップって言い方も、すっかり定着しましたけど。
鈴木 そうですね。
荒木 ところで 凶悪な異星人キャラの2トップは、エイリアンと何でしょう?
鈴木 何だろう。エイリアンと…プレデター?
荒木 そうです!
鈴木 やっぱプレデターかあ。
荒木 そうですよね、力2トップですよね。もちろん私と風間さんがエイリアンとプレデターって言ってるわけじゃないですよ。
鈴木 一緒っていうか、ほぼほぼ超えてる気がしますよ。
荒木 1987年に初登場したのが「プレデター」ですね。見ましたよね。
鈴木 面白かった。
荒木 以降、人類と宇宙最強の狩人プレデターの死闘を描いてきた「プレデター」シリーズなんですが最新作が来ます。タイトルが『プレデター:バッドランド』。

鈴木 最初にプレデターとつければ、後ろは何だっていい感じで売れますね。
荒木 そういうことです。監督は、前の2作をやったダン・トラクテンバーグさんです。プレデターを知り尽くしている人です。
物語です。主人公はプレデターのデクといいます。今回の主人公ですけど、彼は自分の一族からある理由で生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放されます。そこで最も凶悪な獲物を獲得することを目指すんですが、その途中、思いがけないアンドロイド、ロボットと遭います。それも上半身だけの美少女アンドロイド、ティアっていうんですけど一緒に旅をすることになります。やがて、自分たち以外は敵だらけという世界で狩りを続けていきます。ところが、狩りを続けていると思ってたのが、自分たちが獲物だってことがわかるんです。ということで、サバイバル、どうなることかということなんですが、今回はハンティングする側として描かれてきたプレデターが、やられる側、ハンティングされる側になるんです。
鈴木 ああ!そういう視点。逆か。
荒木 それからアンドロイドの少女も、上半身だけなんですけど、あの可愛いエル・ファニングちゃんがやってます。
鈴木 うわぁ、それは上半身だけじゃもったいないですね。
荒木 もったいない(笑)。実は、私まだ作品見てなくて水曜日ぐらいに見せてもらうので、先に見た人によるとですね、「もうみんなに伝えて!期待して間違いない」ということです。
鈴木 いい感じですか?
荒木 だいぶいい感じらしいですよ。いい感じというか、あのプレデターのデクのヘルメットみたいな、怖いマスクはほぼしてないらしいですよ。素顔はもっと怖いカニみたいで。
鈴木 やだなぁ、そういう怖いのなぁ。必ず夢に出るんですよ。
荒木 新しいクリーチャーも出て来るようですけど、どんな怖い宇宙生物が出てくるのかこちらもお楽しみです。
受け売りで申し訳ないんですけど(笑)。
『プレデター:バッドランド』、今週金曜日、11月7日公開です。
鈴木 楽しみです。
荒木 最後。今週の音楽関連映画でもあります。
タイトルは、ずばり『(LOVE SONG)』、現在公開中です。
世の中にはいろんな専門家いますけど、例えば映画の中でもSFだったらクリストファーノーランだとか、社会派だったら日本だと是枝監督だとか…ね。
これがちょっと狭いというか、ニッチな映画の世界で例えばボーイズラブ、BLって言われますよね。おわかりですよね?男性同士の恋愛。
で、この界隈で世界的な人気を誇るのが、タイのBLドラマ「2gether」などでお馴染みの、チャンプ・ウィーラチット・トンジラー監督。
この人が日本人の人気者を使って作ったのが、ご紹介の映画『(LOVE SONG)』です。
今回のカップルは、森崎ウィン君とSNOW MANのメンバーの向井浩二さん。

鈴木 なんだかイケメン、美少年ばっかりだなあ。
荒木 ふたりの東京とバンコクを舞台にしたラブストーリーなんですね。
物語を紹介します。化学メーカーに努める「ソウタ」(森崎ウィン君)は、まじめな研究員だったんですが、ある日、タイのバンコクへの勤務を命じられます。バンコクについたその日、なんと彼は大学時代のほのかな初恋の人、「カイ」という、向井康二君が演じていますが、この人と奇跡的な再会をしちゃうんですよ。
鈴木 えっ!バンコクで?
荒木 はい、カイ君は、バンコクでカメラマンをしながらミュージッシャンとして音楽活動を続けていたんです。で、バンコクの町で再会した、ふたりは徐々に距離が縮まって…さあ、恋のやけぼっくりに火がつくのか…という。
ふたりとも、引っ込み思案で、すれ違いの中で「両片想い」って言うらしいんですけど。
鈴木 お互い 想っているんだけど、告ってないってことなんですか。
荒木 はい、それを「両片想い」って言うんだね、初めて聞きました。
鈴木 俺と荒木さんみたいなもんなんですね。
荒木 ああ…もう告ってるじゃん。(笑)
鈴木 あはははは。面白過ぎますよ、コーナーの途中に。(笑)
荒木 イケメン同士の恋愛物語なんですよ。正直ね、タイに行ったその日に偶然奇跡的に行方不明だった恋人に会うとか、凄いご都合主義なんですよ。
鈴木 凄いね、なかなかないな、その確率。
荒木 でも、まあ、BLの巨匠がメガホン取ってるだけあって、さすがの高水準。淡い雰囲気とかうまいですよね。森崎くんと向井くん、ふたりとも東南アジアにルーツを持つんですよね。森崎君はミャンマー出身。ミャンマー人の両親ですし、向井康二君もですね、タイで生まれたんですってね。
鈴木 じゃあ、タイで会うことありそうじゃない(笑)。
荒木 あはは、ふたりともね、東南アジアにルーツを持っているからなんかそういう意味でちゃんとはまってる感じしますね。
鈴木 リアリティあるね、ちょっとね。
荒木 そうですね。BL大好きな女性や、綺麗な男の子の顔を見るのが大好きな人ばかりじゃなく、恋愛ドラマとして音楽映画としても、向井君の歌もばっちり入ってますんでSNOW MANファンにもいいと思います。本当に絵のようで、適当な笑いもあって軽く見られると思うんですけど。
男同士の恋愛映画。美しさがやばいと、私の知り合いも言ってましたけど。
鈴木 我々は,荒々しさがやばいにしましょう。
荒木 そうですか。禍々しさというか(笑)。
鈴木 あはははは。
荒木 『(LOVE SONG)』という現在公開中のBL映画です。
鈴木 文化の日の並びにこの3つはいいね!
荒木 これはもう本当に私達の文化ですよ。これが文化です。
鈴木 よく考えましたこの3つ。荒木さんありがとうございます。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。