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映 画
「ゴジラ×コング 新たなる帝国」「悪は存在しない」など」のとっておき情報
(2023年4月27日20:30)
映画評論家・荒木久文氏が「ゴジラ×コング 新たなる帝国」「悪は存在しない」などのとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、4月22日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 ゴールデンウィーク前だから、話題てんこ盛りかなのかもしれないなぁ。よろしくお願いいたします。
荒木 気分はすっかりゴールデンウィークです!
鈴木 元気になってる!
荒木 元気にも程度があるんでね、それなりの元気しか出ませんけど・・・。 今週末からは、映画界も大型作品続々公開のゴールデンウィークです。もともとゴールデンウィークは業界用語なんですけどね。それはさておき、目立つものをどんどんご紹介していきたいと思います。 まずはゴジラ。
鈴木 あ!きた!ゴジラ。コングね?
荒木 よくわかりましたね。怪獣物のシリーズとして、「モンスター VERSE」プロジェクトというものがあります。これは「ゴジラ」誕生から70周年ということで、日本の「ゴジラ」とは別にですね、いわゆるハリウッド怪獣映画シリーズですよね、
ワーナー・ブラザースが作っている世界的に最も有名な「ゴジラとキングコング」を主な主人公とした一連のシリーズなんですけど。
鈴木 「ゴジラ」ってやっぱり凄いんだね!
荒木 そうなんですよ。1作目だったのは10年前ですね。2014年『ゴジラ』のリブートで『GODZILLA ゴジラ』でした。でっかいトカゲじゃないかと散々悪口いわれましたけどね。
2作目は『キングコング』のリブートである『キングコング:髑髏島の巨神』というのが2017年にありまして。ついで『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』っていうのが、2019年。で、満を持して2大怪獣が激突したのが2021年の『ゴジラvsコング』でしたね。
シリーズ500億円以上いってる大人気シリーズなんですね。
鈴木 凄いなぁー。
荒木 凄いよね!そして今回4月26日から公開されるのは、再びゴジラとコングが登場の「ゴジラ×コング 新たなる帝国」という作品なんです。
前作が「ゴジラVSゴング」でしょう。で、今回は表記が「ゴジラ×コング」なので、配給会社の人に、「どう読んだらいいの?こういうの。」って聞きましたら、バッテンは読まないんですって。
鈴木 なんて読むんですか?「ゴジラ コング」なんですか?
荒木 そう!「ゴジラ コング」と言ってくださいって言うんですよ。
なんかタイトルにバッテンつける意味ないよね、仲間みたいだよね…と言ったら、ニヤッとしていましたけどね。ストーリーなんですけど、映画会社からいただいた文章をそのまま読みますね。
鈴木 あはははは。
荒木 怪獣と人類が共生する世界。未確認生物特務機関「モナーク」が異常なシグナルを察知したことを発端に、ゴジラが君臨する地上世界とコングが生きる地底世界の2つのテリトリーが交錯し、ゴジラとコングが激突するんですね。しかし、その先には人類にとってさらなる未知の脅威が待ち受けており、怪獣たちの歴史と起源、さらには人類の存在そのものの謎に迫る新たな冒険が繰り広げられる…、って。訳わかんないです。
鈴木 永遠に続くんだなこれ。って感じですよね?
荒木 そうなんですよね。ま、キーなのは「人類にとってさらなる未知の脅威」が待ち受けるってことですよね。これはもう、明らかにゴジラとコング以外の怪獣でしょ。
鈴木 そういうことですよね…。
荒木 私が見せていただいた感想は、相変わらず頭空っぽにして楽しめると思います。
鈴木 じゃあ、ポップコーン2つくらいはいけるってことですよね。
荒木 あ!3つくらいいくんじゃない!
鈴木 あ!なるほどなるほど。
荒木 ゴジラは今回ちょっとサポート役かな?という感じです。
鈴木 じゃ、コングのほうが目立つんですか?
荒木 コングのほうが目立ちますね。バイデン大統領と岸田首相くらいの差はありますね。
鈴木 あはははは。なるほどなるほど。
荒木 この2頭の他に、新たな、つまり新しい、とんでもないか怪獣たち登場しますよ。
鈴木 どうなってくの?
荒木 小さいお子さんがいると、怖がるかもしれませんけど、家族、友人みんなでわぁわぁ騒ぎながら…。ダイちゃんも見たという「オッペンハイマー」みたいにですね、どこ見てんだ?何なんだこれはってのは、全くありません!
鈴木 あ…、全くそういうことはナニもない?
荒木 気楽です!
鈴木 疑問も何もなくて、ガーって行っちゃうって感じ?
荒木 勉強なんかしていく必要もないし、途中で居眠り出来るかどうかは別として、居眠りしていても、アーどうなっちゃったのかなー?っていうことはありません。ずうっと怪獣暴れていますから。
鈴木 あはははは。ある意味最高です!
荒木 最高です!ポップコーンばりばり食いながらオーッと言いながら。
鈴木 いいじゃないですか。
荒木 本当になんでもありですから、是非「ゴジラ×コング 新たなる帝国」、4月26日公開公開です。
で、ここからはこの週公開される作品を、短めにどんどん紹介しますね。4月26日公開の、濱口竜介監督「悪は存在しない」というちょっと堅い映画です。濱口竜介監督というと、「ドライブ・マイ・カー」でアカデミー賞で国際映画賞をとりましたよね。ダイちゃん、作品見たことあります?
鈴木 あります、あります!
荒木 「偶然と想像」とかね、いろいろ作っていますけども。ベルリンとか、アカデミー賞でしょう。今回は、ベネチュア国際でね。
鈴木 ヨーロッパの方が好きそうなんだね。
荒木 そうなんだね。で、この「悪は存在しない」が受賞になったんですが、それがいよいよ26日公開です。
ストーリーは、山梨県から長野に入る中央自動車道路沿いに位置する、小さな長野の町なんです。東京からも近いために、近年移住者が増加傾向にあるんですけど。代々そこに暮らす巧さんという30歳半ばくらいの男の人ですね。彼は娘と共に慎ましい生活を送っているんですけど、ある日 家の近くにグランピング場、豪華なテントやコテージで、リゾート感覚で、いわゆる贅沢なキャンプですよね。これの設営計画が持ち上がるんです。これが町の水源に汚水が入ることがわかってですね、町民に動揺が広がるという話なんです。で、巧さんはじめ住民たちの静かな生活にも思わぬ波紋を呼ぶことになるとう話なんですけども・・。
見せていただいて、確かに、さすがに力強い骨太の作品ですね。ドキュメンタリーを見ているような感覚なんですよ。
鈴木 じゃあ、あり得るって感じなんですね。
荒木 あり得る、というのも、俳優として経験のない人たちを、この監督よく使うんですね。ま、これはこの監督に限らずなんですが、この濱口監督は台詞も演技も明瞭でない、言わば下手な人を使うんですけど、そこに人間性だとか地域性だとかが表れる、リアリティがあるんですよ。
鈴木 初めてそれを経験するかのような演技になるってことですよね。
荒木 そういうことですよね。
鈴木 そういうことですよ!なるほどなるほど。
荒木 特に地方の…、あまりしゃべれない人っているじゃない。あれがホントリアリティなんですよね。だからそれが濱口監督の監督たる所以かもねっていうことですよね。
鈴木 そういうところが狙いなんだ。
荒木 とにかく彼の作品は、賞関係が絶対絡んでくるので、ちょっと敷居が高いかなって感じる方もいるかもしれませんけどね、ダイちゃんよく知っているように、意外に笑いもあるんですよ。笑いもあるし、見といた方がいいと思いますね。「悪は存在しない」という4月26日公開の作品でした。
鈴木 悪は存在すると言いたいのかなぁ。
荒木 まぁいろんな解釈ありますよ。年齢的なテーマを持ち込んで、一体悪ってなんなのか、自然も含めて悪ってなんなのかっていうテーマで描いていますので、取る人によって、結末があんまりよくわからない部分があるんで、ここがちょっと問題になるでしょうね。
鈴木 人それぞれの解釈が許されているんだ?
荒木 そうですね。外国人なんかは、「何だこれ!わかんない」ってはっきり言うらしいですね。
といことで、もう1本。注目作。26日から緊急公開されるのが、「マウリポリの20日間」という、ロシアのウクライナ侵攻からマウリポリ壊滅までの20日間を描いたドキュメンタリー作品ですね。これ、96回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したんですね。これがウクライナ映画史上、初のアカデミー賞なんですって。内容は、2年前の2月、ロシアがウクライナ東部のドネスク州マウリポリの侵攻を開始した直後、ウクライナ人記者のチェルノフさんて人が仲間と取材に向かうんですね。ロシア軍の強力な攻撃にマウリポリは瞬く間に孤立していくんですね。メディアも撤退する中、彼らはロシア軍に包囲されながらも市民の惨状を命がけで記録していたその内容を、今回まとめたということなんですね。
鈴木 うーん。
荒木 ウクライナの現状というのは、非常にウクライナ軍も大変みたいだし、膠着状態が長い間続いていて消耗してるようなんですけども、そういう意味では今見ておかねばならない作品のひとつでもあるでしょうね。「マウリポリの20日間」26日公開。
鈴木 侵攻から2年以上も経つんだもんね。
荒木 そうなんですよ。早く戦争が終わって欲しいなと思っていたら、他でもドンパチ始めましたしね。
鈴木 そうですね、いろいろきな臭い雰囲気になってきましたね。
荒木 あともう1本。「リバウンド」という、4月26日公開の、この間ちょっと紹介した韓国のスポーツ映画です。廃部寸前の高校バスケットボールチームのコーチがですね、わずか6人の選手とともに全国大会を目指す姿を描いたという、韓国を10年前熱狂させた、実話をもとにしたスポーツドラマ。これなかなか面白かったです。
鈴木 結構、スポ根な感じなんですか?
荒木 スポ根な感じなんですけど、作り話だろうなと思ったら実話で、実質5人の選手だけで決勝戦まで行って、優勝は出来なかったんですけど…。
描写が凄いの!本当に一緒にバスケットやっているような感じです。なんか劇画っぽい構造というか、カメラワークで大変面白かったです。
鈴木 へぇー。
荒木 なんとも韓国らしいというか、ゲームの描写が凄く良かったですよ。これもスポーツ好きの人は見てくださいね。
「リバウンド」も、4月26日公開です。
鈴木 なるほど、ゴールデンウィーク面白いね。
荒木 面白いですよ。他にもいろいろありますので、外で遊ぶのもいいですけど映画館もいいですよね。
鈴木 ありがとうございます。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。