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映 画

「ベートーヴェン捏造」「純烈ドキュメンタリー 死ぬまで推すのか」「ネブワース1996:DAY2 Sunday 11th August」などのとっておき情報
(2025年9月18日9:00)
映画評論家・荒木久文氏が「ベートーヴェン捏造」「純烈ドキュメンタリー 死ぬまで推すのか」「ネブワース1996:DAY2 Sunday 11th August」などのとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、9月8日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 うちの近所では昨日お祭りがあって、それが終わるといつものようにちょっと秋めくなってという感じです。
鈴木 実際に、ちょっと風の雰囲気が変わりましたよ。
荒木 そんな感じですよね。
先週から始めました秋の音楽関連映画特集、今日もやりますね。
鈴木 楽しみにしております。
荒木 今日は、まず、その映画のポイントとなる楽曲から出しますので、クイズというわけじゃないんですけれども音楽聴いてですね、誰をフィーチャーした映画なのか、どんな内容なのか、ちょっとダイちゃんと一緒に考えてください。
鈴木 わかりました。
荒木 では、この曲からいきましょう。どうぞ。
~♫~ ベートーヴェン 交響曲第5番 運命
鈴木 荒木さん!この曲からいきましょうって、構えてたらこんなの小学生の方が詳しく知ってるぐらいですよ。
荒木 もう誰でも知っている。学校でも習うしね。注目のこの曲を使った作品はですね、9月12日公開の日本映画です。
タイトルが『ベートーヴェン捏造』って言うんですけどね。

鈴木 捏造も運命だったのかあ。
荒木 ははは。捏造ってでっち上げのことですよね。今言ったようにこれ日本映画なんですよ。 ノンフィクションで、「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」という本があって、これ、19世紀のウィーンで起きたベートーヴェンにまつわる、まあ、史上最大のスキャンダルと言ってもいい事件の真相に迫ったと言われるものなんです。
鈴木 面白いね、いいですね。
荒木 大ちゃんもね、ベートーヴェンの本とか、よく読んでそうですね。
鈴木 そうなんです。僕、昔のあのバロック系以降だったらベートーヴェンが一番クラシックで好きですよ。
荒木 すばらしいですね。ちなみにこの原作を、あの笑いのバカリズムさんが、なんと脚本にして映画化したという日本の映画なんですね。
だから、この映画でベートーヴェンを演じているのはご存知の古田 新太さんです。
鈴木 ハハハハハ。うんうん。
荒木 ベートーヴェンと言えばね、ダイちゃんも今 おっしゃったように、天才音楽家、音楽の聖人 楽聖とか言われて、必ず壁にかかってましたよね。
鈴木 本当 ダイ、髪の毛、似てるねってよく言われました。くりくり。
荒木 あー、そうそう。
鈴木 そうそうじゃない(笑)、
荒木 いかにも厳格で堅物っぽかったですよね・・・顔はね。
ところがね、この映画『ベートーヴェン捏造』では、実際のベートーヴェンは、癇癪持ちで、とても下品で、小汚い、すごい俗物だったというふうに描かれているんですね。
鈴木 そう書かれてるのもありますよね。
荒木 そうそう。で、今聴いていただいた「運命」、超有名な曲なんですけども、これはあのベートーヴェンが運命がドアを叩くという、そう語ったというそのモチーフで作られたというふうに伝わってきてたんですが。
鈴木 ドンドンドン…ですか?
荒木 そうそう、いかにもそれらしく作られたらしい捏造というのが、これ、近頃の有力な説らしいですね。
鈴木 ほうほう。
荒木 どうしてそんなかったかというと、これはベートーヴェンの付人というか秘書がいたんですね。シンドラーさんという嘘つきドイツ人。この人がすべて捏造したものということが最近の研究だと分かってきたらしいです。
鈴木 なるほどなるほど。
荒木 このシンドラーさん、ドイツ出身の音楽家でベートーヴェンの秘書を務めたんですが、伝記を記したことで昔から知られているんですが、この伝記が影響して、いろんなベートーヴェンに関する説明が広がったんですが、これがほとんど捏造や文章の改ざんがあったと。
鈴木 眉唾もののやつですね。
荒木 そうなんですよ。さっきの運命がドアを開くエピソードもそうだし、第九の初演時にベートーヴェンがオーケストラを指揮して終わったにもかかわらず、耳が聞こえないんで、拍手が起こったにもかかわらず後ろを向かなかったという、それを誰かが向かせてあげたとかね、そういうエピソード。それから、「ピアノソナタ月光」。
鈴木 大好きですね、あの曲が僕。
荒木 ダイちゃん、大好きだよね。これは盲目の少女の前で即興で彼が演奏して作った曲というエピソードがあるんですが、これもどうもでっち上げらしいんですよね。全部このシンドラーがほとんど作ったと。なんでシンドラーがこんなことしたかというと、かつてどん底にいたシンドラーを救ってくれたのがベートーヴェンで、彼を猛烈に敬愛するシンドラーが彼の死後、そのイメージを聖なる天才音楽家へと仕立て上げたというんです。
鈴木 なるほどね…、うん、なるほどね。
荒木 まあね、愛が強すぎるんですね(笑)。そういう意味で言うと理想こそが真実だと言ったという男らしいんです。で、この映画でシンドラーを演じるのは山田裕貴さんですね。
鈴木 はいはい。
荒木 で、さっき言ったようにベートーヴェン役は古田 新太さんなんですけども、もう古田 新太さんね、ベートーヴェンにしか見えない。
鈴木 でも、日本語しゃべってるんですよね。ベートーヴェンは?
荒木 もちろん。それで山田裕貴さんも上手でね、コミカルで狂気な演技が最高なんですけども、だから、日本人が今言ったように、西洋人を演じるわけですよ。
鈴木 うん。
荒木 で、本当の西洋人は全く出てこないです。だからなんというか、シェークスピアやチェーホフの舞台、「屋根の上のバイオリン弾き」とかね、あんな感じだと思って見てくればいい。
鈴木 なるほどね。「オペラ座の怪人」を劇団四季が演ってるみたいなんですよね。
荒木 あーそうそう。それでロケもしてなくて、ヨーロッパ風の街のセットが大部分というかほとんどCGだね、あれを見ると。だけど全然違和感ないんですよ。
鈴木 いやいや、すごいな。今は。
荒木 ほんと、古田新太さんなんか音楽室の壁にかかっていても、全然おかしくない。
鈴木 マジでマジで?マジすか?
荒木 はい(笑) バカリズムさんの脚本なんで、ちょっとクセのある会話とシュールな笑いが散りばめられていて面白いです。コメディーとして。で、劇中は、たくさんベートーヴェンの曲が聴けるのでこれも楽しかったですね。
ということで、クラシックと言えばベートーヴェン、『ベートーヴェン捏造』という9月11日公開の作品でした。
鈴木 200年前の伝説ですからね。考えたら。
荒木 ということで、2本目の作品の曲はこれです。
~♫~ プロポーズ/純烈
鈴木 ちょっと荒木さん!ベートーヴェンから、これ全然違うじゃないですか!
荒木 そうなんです(笑)。あんまりかからないのでね、すいませんね、こんな曲かけちゃって。「純烈ドキュメンタリー 死ぬまで推すのか」っていう作品です。
推すというのは、推し活の推しですね。これはコーラスグループ「純烈」のドキュメンタリー映画。 順烈は結成されたのが2007年ですよね。

鈴木 結構 前ですよね。
荒木 ですよ、結成はね、デビューはもうちょっと遅いんですけど、歌謡ボーカルグループかな。今は、3人になってますけれど、まあ「プロポーズ」とかね、ヒット曲もかなりあって。当時は全員があのスーパー戦隊シリーズの元俳優さんね。身長180㎝以上あるしね。
鈴木 そうそう、そう、そうでしたね。
荒木 お風呂なんかの、銭湯パフォーマンス。
鈴木 ニュースとかやってたよ、ワイドショーとかでも。
荒木 そのグループなんですが、去年初めて日本武道館公演やったんですよ。11月なんですが、ここには、脱退した元メンバーたちなんかも出て、8千人集まって3時間にわたるライブでこのライブ中心に、カメラがメンバーやスタッフたちにカメラを向けているという作品なんです。
ちょっと見てびっくりしたのは、なんと純烈のメンバーよりもファンの方に時間割いているんです。
鈴木 おー!いいじゃない、なるほど。
荒木 もちろん、アーティストのコンサート映画なんかはファンが登場するもの多いんですけども、この映画はなんとアーティストの登場よりファンのほうに時間を割いているんですよ。で、彼らの何組かのファンは、ご亭主がマルチ商法に手を出して苦労したとか、別れた夫が自殺したとかね。夫を妊娠中に亡くしたとかね。
鈴木 いろいろあるんですね。いろいろ。
荒木 まあ不幸にどっぷり、人生ぎりぎりの体験したファンを取り上げてるんですよ。
鈴木 純烈に救われたんですよ、それは。
荒木 そういうことなのね。人生や、極端に言ったら命までかけて純烈を推してる人たちなんですよ。自分の不幸を推し活動のエネルギーに転化させる世界があるんだなという感想すら持ちますね。
鈴木 なるほどね、なるほどねえ。
荒木 まあね、普通のファンを追っかけてもしょうがないからね。ちょっとやっぱりストーリー持ってる人じゃないと。
鈴木 そうですよね、ドラマにならないとね、やっぱりね。
荒木 なんとタイトルが『死ぬまで推すのか』という、もう本当に推し活動っていうと、なんかね、もうちょっとここにはね、宗教的な陶酔すらあるようなそんな感じがしました。
鈴木 そうですね、どこで止めるとか自分でどっかジ・エンドってないですもんね、推し活って。
荒木 ないよ、死ぬまでやるか・・・ね。
鈴木 でも、そうですよね。好きになったらずっとですよね。
荒木 まあ、いろんな推し活人生を見せてくれます。そういう意味ではね、音楽関連映画とはちょっと別の場所にある作品かもしれませんけど、本当にある意味深い作品でしたね。
鈴木 究極の人間ドキュメンタリーじゃないですか!
荒木 その通りです。純烈ドキュメンタリー『死ぬまで推すのか』、9月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか1週間限定公開です。
そして3本目です。『オアシス』です。再結成、そして10月来日ですね。
鈴木 いよいよですね。日本にもね。
荒木 ノエルとリアムが16年ぶりに同じステージに立ってイギリスではもうやったんだよね。
鈴木 やってます。アメリカでもやってます。北米公演もやりましたね。
荒木 ああ、もう終わったんです。
鈴木 アメリカでも熱狂の熱狂らしいですね。これちょっとね。
荒木 今日紹介する作品はオアシス関係、なんと3本あるんですよ。
1本目がですね。『ネブワース1996:DAY2 Sunday 11th August』。これはオアシスがキャリア絶頂期ですよね。
鈴木 もう まさしく絶頂期ですね。
荒木 ネブワースの公演のうち、2日間やったんですけど、2日目の模様を収録したものですね。完全ノーカットでスクリーン上へ。言うまでも1991年以来、結成されたオアシスですが、絶頂期だったですかね、とにかく。あの兄弟の確執で幕を閉じちゃったという…。
鈴木 とにかくこの96年っていうのは本人たちも認めてますからね。これ、ピークだったって。
荒木 そうですね2日間やっていて実は、1日目は、去年公開されたんです。「8月10日」というタイトルですね。で、今回は2日目の8月11日のステージを捉えた映像です。4kリマスター版ですのでこれも臨場感溢れる映像になっていると思います。
あと、この映画は20年前でしょう。なんと、20年後の今年の10月にはですね、リアム・ギャラガーが2022年にですね、同じネプワースパークで行なった単独ライブで、
鈴木 この人、とか30年前じゃん。96年だから
荒木 そうか、30年前か。
鈴木 そうですよ、30年ですよ!すごいよー。

荒木 そうですね、これを、全16曲あるんですけど、これをステージの模様を描いたものを公開するんですね。それが、『リアム・ギャラガー ライブ・アット・ネブワース2022』というタイトルです。
同じ10月17日に、なんとリアム・ギャラガーものがもう1本。これは、『リアム・ギャラガー in ロックフィールド オアシス復活の序章』というタイトルです。
鈴木 なるほどね、
荒木 復活に繋がるね。これもウェールズの有名なロックフィールドスタジオでのストーリーです。これは息子たちと一緒にそこで7曲ぐらい披露するのかな。更に、インタビューでは、お兄ちゃんとの確執とかをしゃべったり、パブで息子たちとくつろぐいうそういう父親の思いなんかも話しているそうです。
私もまだ見てないんですけども。まあね、今までのヒストリーを後ろから見るような、この今回のライブの前にね。そういう感じになりますよね、ファンにとっては。
鈴木 前哨戦の予習ですね。
荒木 予習復習。それと昔とどんなふうに違っているのかとかね。音の感じも含めてですね。
鈴木 みんな観客がスマホを構えているっていうのは、一番の違いらしいですよ。一番違いますよね。やっぱりね。
荒木 そういうことですね。ということでリアム・ギャラガーものオアシスもの3本ということですね。ライブには行けない人もね、ちょっと見ておいた方がいいかもしれなさそうですね。ということで、音楽関連特集映画の2日目でした。
鈴木 ありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。