-
映 画

「星つなぎのエリオ」「この夏の星をみる」のとっておき情報
(2025年7月14日17:45)
映画評論家・荒木久文氏が「星つなぎのエリオ」と「この夏の星をみる」のとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、7月7日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 今日は、七夕にちなんで曲もいい曲選んでもらってますけどね。七夕にちなんだ映画も沢山あるんですよ。星の映画って。
鈴木 星にまつわるとか、星ってタイトルとかですか。
荒木 そうそう。代表的なのが星と宇宙って言うと「スター・ウォーズ」ですよね。FMfujiの星と言われるダイスベーダ―こと鈴木ダイさん!!
鈴木 あはははは。懐かしーい!!

((C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.)
荒木 今年は星というタイトルの映画が沢山あるんですけど、いわゆる具体的な星じゃなくて、イメージから来た希望とか憧れとか「満天の星」とか「星より静かに」というようなタイトル、ちょっと星とは直接関係ないんですけど多いですね。
今日は星関係の映画をご紹介します。
『星つなぎのエリオ』という、ちょっと先なんですけど8月1日ディズニー&ピクサーです。ディズニー&ピクサーというと優れた長編アニメーションで知られてるんですけど、今回はなんと何光年も離れた“星々の世界”が舞台の宇宙ものです。
『星つなぎのエリオ』。ひとりぼっちの少年と心優しいエイリアンが繰り広げる冒険と友情を描くいわば宇宙友情物語です。
ストーリー紹介します。両親を亡くし独りぼっちの少年エリオ君、いつも自分の居場所がないと言う思いに捉われることが多かったんですね。そんな彼は宇宙と星が大好きで毎晩、何光年も離れた遠い星々へ行ける日を夢見て「この広い世界のどこかに、僕の“本当の居場所”があるはず」と考えてました。ある時、彼の思いが届いたのか宙に存在するさまざまな星たちの代表者が集まる宇宙会議、「コミュニバース」が開かれるんですが、なんとそこに招待されるんですね。エリオ君はそこで心優しいひとりぼっちのエイリアンの少年グロードン君と出会い心を通わせて初めて親友になります。
鈴木 エリオ&グロードンですね。
荒木 そう やがて星々の平穏な世界を揺るがす出来事が起こって、戦争の脅威が迫るんですが、その危機を救う鍵を持っていたのはエリオとグロードンが交わした、ある約束にありました…というお話です。エイリアンのグロードン君はあまり言っちゃいけないのかな?よく、石の裏ひっくり返すとダンゴムシっているでしょ?
鈴木 ちょっと不気味ちゃんですよね。
荒木 そうね、不気味な黒くてまるまるな奴、あんな感じのでかい奴でどちらかと言うと好戦的というか、戦争が得意な種族なんですね。プレデターってあったでしょう? あれは外に鎧を着てて中に虫みたいのが入ってますけど、あんな感じの戦闘服に身を包んでどんぱち侵略したり、相手を制圧する怖い種族なんですね。
その大将がグロードン君のパパだったんですね。
鈴木 なるほど。
荒木 ところが、グロードン君はエリオと同じく孤独で平和好きで穏やかな少年だったんです。二人は同じ価値観を持っていて。だけど、地球も宇宙もそんな人ばかりじゃないんですね。戦争をしようとする人いますよね、ロシアの方とか中東とか。だから危機が勃発するわけですよ。
鈴木 なるほど。
荒木 まあ、正直、ストーリーは子供向けです(笑)。
鈴木 逆に言うと普遍的ですよね。
荒木 そうですよね。とにかく出てくる宇宙人たちの姿や、彼らが使うアイテムの発想が凄いんですよ。面白いもの使っているんですよね。それと、映像が何よりも綺麗で宇宙の繊細さや色彩、光が差した時の闇や星が本物みたいだし…と言っても本物見たことないんでわかんないんですけど(笑)、実写ものより神秘的で美しいですね。
鈴木 さすがアニメ、凄いですね。
荒木 本当に絵が凄い。物語のテーマも「孤独と感じていても、どこかに自分と繋がれる相手はいる」という普遍的なテーマ。友情、ほかにも家族の絆とか描いてあって私たちは決してひとりではなくって、手の届く範囲に容易く得られる絆があるんだよということを表しています。何より「ひとりじゃないよ」と優しく子どもたちが言われているような映画という気もします。で、日本語吹き替えは人気子役らしいんですが、川原瑛都さんと佐藤大空くんというこの2人が担当するんです。ほかにも清野菜名さんや松山ケンイチさんが出ていて、あの渡辺直美さんっているでしょう? 彼女がオリジナル版と日本語吹替版を両方やっているんです。
鈴木 さすが!凄いですね。
荒木 凄いですね。子供向けだと思っていたけど、さすがディズニー&ピクサー作品です、大人も充分見られますので『星つなぎのエリオ』。ちょっと先ですが8月1日公開です。
2本目。『この夏の星を見る』。先週公開されてます。ストーリーは2020年です。ある病気が大流行の兆しを見せていました。何でしょうね?

鈴木 2020年、ある病気って言ったらコロナじゃないですか!
荒木 そうです(笑)。その頃の話しですね。この感染拡大によって社会全体がいわゆる事実上麻痺しましたよね。学校も臨時休校になって会社もクローズになって。密だとか…、三密とかいってたね。
鈴木 言ってましたね。あのスタートから5年かー!
壇蜜だったら大歓迎ですけど三密…、こんな話してる場合じゃないでしょ。
荒木 それから、ソーシャルディスタンスとかね、アクリル板。ダイちゃんの前にもあったでしょう!アクリル板。どこ行ったんだろね。
鈴木 あった!どこ行ったんですかね、あれ。
荒木 飲みにも行けず、毎日かみさんと飯、食ってましたよね。
鈴木 あはははは。
荒木 みんな、ほんとにストレスたまるしでね、辛かったですよね、特に若い人、当時の中高校生はかわいそうでした。
鈴木 だって、遠足も修学旅行も何の思い出もないっていう世代いるんですよ。
荒木 そんな状況の中で、茨城県立砂浦高校の天文部に所属していた2年生の女子高生溪本亜紗ちゃんという女の子の提案で、当時、部活停止状態だった天文部の新しい活動として、インターネットのリモートミーティングシステム会議を利用して、全国各地の学校の天文部が同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチコンテスト」が実施されることになります。いつの間にかストーリー説明になっちゃってますけど。
鈴木 そのまま続けて。
荒木 はいはい。全国の高校の天文部、具体的には長崎の五島列島や東京都心の生徒たちも参加してスタートするんですけど、やがて全国へと広がってある奇跡を起こすことになるというね。群像劇です。当時の高校生中学生はね修学旅行もなくなったし、甲子園もインターハイも中止ですよね。
鈴木 文化祭も体育祭もなくてね。
荒木 かわいそうでした。それはそうと、高校生のクラブ活動ってスポーツ系はもちろん、文科系や音楽系も競技会と言うかコンテストありますよね。大会ね。
鈴木 あります、今でもありますね。
荒木 俳句部とかコーラス部とかも、地区、県、全国大会もあるんだけど。
ダイちゃんの高校には天文部はありましたか?
鈴木 なかった、ないです。
荒木 なかったですか。うちの学校にはあったんですけど、天文部はただただ研究してるだけで、競技とかコンテストは無縁だと思っていたんですよ。
鈴木 そうだよね、望遠鏡覗いているだけでしょう、多分。昔だとね。
荒木 ところがあるんですよ、競技会が。この映画にも出て来る「スターキャッチコンテスト」というのがそれなんです。比較的新しいんですけど、2015年に始まった実在のコンテストなんですよ。
鈴木 新しい星を探すって事ですか?
荒木 いや、そうじゃなくて。これは同じ規格の手作り天体望遠鏡を使って、指定された天体、つまり星や惑星を望遠鏡に映し出す速さを競う競技なんです。
鈴木 なるほど。
荒木 例えば出題者が「アルビレオ」と言うとその星を探し、「アルファ星」と言うとそれを探すっていう、出題されたら夜空に向けた天体望遠鏡で探して、映し出すんですよ。
鈴木 知識も無きゃ駄目なんじゃない!それ。
荒木 そう、秒単位で。つまりこれ「かるたとり」だね。
鈴木 そうだ、わかるわかる。
荒木 「星のかるた取り」っていう。でも、かるた取りと違うのはどの星がどの辺りにあるのかを把握していないと駄目なんですよ。覚えられる? ベガとか、アルタイルとかだったらともかく、プレイオネだとか、タイゲタだとか、アステローペとか(笑)、聞いたことのない星、なん百も。
鈴木 俺、北極星しかわからないわ、オリオン座と。
荒木 北極星は2等星だけど、強い光の1等星もあれば、ほとんど見えない6等星までありますからね。それを見つけなきゃならないって凄い競技ですよね。この競技はこの映画の高校のモデルになっている、茨城県立土浦第三高等学校で科学部の顧問をしていた岡村先生が作った競技なんです。それがメインになっています。映画の中では逆境にあっても、辛い中でも星を見上げるという眼差しがとても印象的ですね。私も自分の高個性の息吹みたいな感覚を思い出しました(笑)。
鈴木 いいねー。
荒木 星って希望のイメージもあるよね。
鈴木 そうですよ! スターですもん。
荒木 そうですよね、いろんなイメージがありますけど、あの頃の学生さん世代は、「コロナ世代」と呼ばれるでしょうけどね。言われるほうは嫌かもしんないけど、コロナ世代」の、いい青春映画ですよね。若いっていいなと感じる映画でした。
鈴木 本当に戦争の世代とかいろんな世代があるけど、戦争の世代にも青春はあるわけだからね。
荒木 そういうことですよね。夏の青春映画ってのは特にいいよね。ということで『この夏の星を見る』という7月4日から公開中の映画です。
鈴木 七夕にびったりの映画じゃないですか、これ。
荒木 今日は七夕にちなんだ星の映画から2本ご紹介しました。
鈴木 七夕にありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。