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映 画

「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」のとっておき情報
(2025年11月18日9:00)
映画評論家・荒木久文氏が「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」のとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、11月10日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 今日は 11月4日公開の音楽関連ものです。アメリカを代表するシンガーソングライター ブルース・スプリングスティーン。 彼の若き日を描いた音楽伝記ドラマですね。音楽伝記ドラマでドキュメンタリーじゃないです。「ボヘミアン・ラプソディ」など同じく役者が演じるパターンです。
鈴木 そういうパターンですよね。
荒木 ブルース・スプリングスティーンは、今76歳ですね。
鈴木 もう80近いですもんね。

荒木 そうですよね、アメリカの労働者階級の苦悩や社会を描く有名なミュージシャンで、この辺りはダイちゃん専門なので、後でお話していただきたいんですけど…物語だけさっと言うとね、1982年前後を中心に描いています。
だからニュージャージー、彼の誕生の地の近くでこの人が、大きなターニングポイントを迎えて苦しんでいた時代ですね。何に苦しんでいたかっていうと、ちょっといろんな精神的な悩みや父親との確執とか、恋人との問題とかあって、そういう中で、もう頂点になりかけていたんですよね、彼は。「明日なき暴走 BORN TO RUN」から7年ぐらい経っていますからね。
鈴木 そうちょうど7年ですね、82年だとね。
荒木 その中で、次のアルバムをどういうものにしようか、ということだったんですが、彼は自分の部屋の中でわずか4トラックの録音機で、ひとりで作曲を始めるということですね。
鈴木 その通りです。
荒木 「ネブラスカ」というアルバムを作るということで。ジェレミー・アレン・ホワイトが主役を務めています。
鈴木 もうブルースにしか見えなかったもん、俺。
荒木 これ、ダイちゃん見ていただいて。
鈴木 見ました!ありがとうございます。
荒木 感想を最初に言ってください。
鈴木 僕、ブルース・スプリングスティーンに関して言えばかなりマニアに近いぐらい好きなんで、1985年4月10日 初来日公演・代々木オリンピックプール、見てますから。
荒木 すごいね。
鈴木 見ているんですよ。そのぐらい好きで、僕が初めてリアルタイムで学生の時に、今出てる新譜っていうことで買ったのが「ネブラスカ」なの、実は。
荒木 そうなんですかー。
鈴木 ありえない地味な出だしだなと、当時は思ってたんだけど。
荒木 暗いね…。
鈴木 でも、今となったらこれはもう全く黒歴史どころか黄金の歴史だったなと思っていて、僕は。
荒木 そうですよね、歴史というのは後で振り返るとわかりますよね。
鈴木 「ネブラスカ」って素晴らしいアルバムですが、荒木さんおっしゃってくれたようにですね、75年「ゴーツーラン」で世界的なスーパースターもまず、アメリカでスーパースターになりました。そして間1枚挟んで後は「ザ・リバー」という80年にアルバム2枚組出すんですね、Wディスクね。それが大ヒットした「ハングリー・ハート」っていうシングルヒットも、ガンガンラジオから流れてくるシーンもあるんです。それでブルースが次はって言ったら、レコード会社は、要するに「ザ・リバー」、「ハングリー・ハート」のパート2みたいなものを作って、頂点にボス行くんだぞ、って言うのを、なぜかそのボスは本当に荒木さんおっしゃったように悩んでるんです。
プライベートのことから、自分の岐路に立たされてどうしようかと。そしたらその4トラックで自宅でちょこちょこせこせこやっていた10曲、全部で17曲ぐらいだったらしいんですけど、その17曲のデモテープを変にミキシングしないでそのまま出してくれってレコード会社に渡して。
荒木 無理な話だよね。
鈴木 無理な話ですよ。だから一番親身になって聞いてくれる、今でも付き合いがしっかりあるジョン・ランダウっていうマネージャーさんいますけど、ジョン・ランダウ役も結構フィーチャリングされてましたけど、その方も苦笑しつつ最後にはOKをして出すんですけど、その2年後の84年、皆さんご存知の「Born in the U.S.A.」というメガヒットアルバムが出ますけど、これ「ネブラスカ」と「Born in the U.S.A.」、元々この2枚組で出す予定で作っていたっていうね…。
荒木 そうなんですよね。
鈴木 そういう噂だったんですが、それやっぱ事実だったんだなっていうことも今回映画を見てわかって。それで映画を見て知っていたことは45%ぐらいです、
僕。知らなかったことが55%、もしくは確認したってことが55%ぐらいかなっていう。
荒木 なるほどね。そういう意味で、非常に好きなアーティストでもそういう部分、やっぱり見てみないとわからないっていうか、全部が全部本当じゃないですけどね。
鈴木 当時はSNSもないし、あんまりボスも人となりって、実はわかってるようで、わかんないんですよ。
荒木 今、ダイちゃんが言っているようにね、「ザ・ボス」っていうのが彼のニックネームですね。日本も含めて、後世のアーティストにずいぶん影響を与えていますよね。
鈴木 80年代の、特に「ザ・リバー」以降はその当時だったら浜田省吾さんなんかもサウンド変わったしね。あとは尾崎豊さんとか佐野元春さんとか、バンド編成もほぼほぼEストリートバンドと一緒でしたからね、あの当時。サックスが入ってという、そういう感じで。だからサウンドもそうだし、あとスピリッツの面でいうと、当然ながら向こうでねU2のボールだったり、ボン・ジョヴィ、ジョン・ボン・ジョヴィはニュージャージー出身で同じですけど。あとはザ・キラーズだったり。とにかくボス以降のロックンロールは、みんなどこかブルース・スプリングスティーンをどこか神のように崇めているところはありますね。
荒木 映画そのものは淡々としていますよね、比較的ね。
鈴木 あんまり、そんなドカーンとかないですよね。
荒木 だけど、彼のキャラクターとかパーソナリティをよく表しているということも言えると思います。
鈴木 一番最初のシーンが「ザ・リバー」のツアーの最後の日から始まるのが良かったですね、僕。
荒木 楽屋で汗まみれになるという。
鈴木 そこにジョン・ラームが入ってくるっていう、あのシーンということですよね。あの辺からいろいろと、なるほどこういう話がやっぱりあったんだなとか、いろいろ再発見もあって非常に有意義で楽しかったですね、僕は。
荒木 よかったですね。皆さんにも伝わると思います。
鈴木 ぜひ見ていただきたいです、本当に。
荒木 『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』という、今週の金曜日ですね、14日。音楽的にも非常にね、歌上手いしね。
鈴木 吹き替えなしみたいですね。
荒木 そうですよね。
鈴木 ブルースにしか聞こえないですよ、節とか顔の表情が。
荒木 顔も似ていますね。
鈴木 斜め上向いて、ちょっとに苦しそうに歌うシーン、めっちゃ似てますね。
荒木 ということで、ご紹介しました。ダイちゃんにも見ていただきました。
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』11月14日公開です。
鈴木 ありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。