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映 画

「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」など映画音楽のとっておき情報
(2025年9月23日10:00)
映画評論家・荒木久文氏が「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」など映画音楽のとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、9月15日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 今の日なのですが、最近はどこの仕事場へ行っても、最年長とかね。
鈴木 そう、そうなるわなー。
荒木 …人生の大先輩とか言われると、おまえの先輩じゃないとか、言いそうになるんですけど。
鈴木 あはははは。
荒木 もうね、70歳も半ば近くなるとですね、最近は老人力がついてきたっていうかですね、 とにかく、かみさんに叱られますね。くしゃみがでかいだとか、食べ物をこぼすだとか。
鈴木 それは昔からじゃないですか?奥様に言われるのは。
荒木 そうなんですけど、最近ね、本当に小言が多いね。それから、忘れ物。
鈴木 失くし物します?
荒木 失くし物、しまい忘れ、もう大量発生ですよ。
鈴木 昔はなかったですか?
荒木 あんまりなかったんだよね。
鈴木 その辺しっかりしてそうだもんな、荒木さん。
荒木 1日の半分、探し物に費やしています。
鈴木 いや無駄、無駄だねー。ちょっとね、AirTagつけた方がいいですよ、そういうの。
荒木 この前、携帯失くして音を出してもらったら冷蔵庫から出てきた。これじゃ尊敬されないよね。ということで…(笑)、尊敬してください。もうちょっと敬ってください。
鈴木 荒木さん、私はもう会った瞬間から敬ってます。ずっと。
荒木 口だけじゃないの?ちゃんと敬ってね。
鈴木 そんなサクッと適当に終わる感じで(笑)、よろしくお願いします。
荒木 はい。このところ特集している音楽関連映画特集です。先週はクラシックと演歌歌謡とロックと、バラエティーに溢れすぎたっていうことですみませんでした。
鈴木 いや、大歓迎、大歓迎ですよね。
荒木 今回はね、これぞ王道というか本来の映画音楽の音楽ですね。
ドキュメンタリー映画ですね。ダイちゃんは映画音楽家というと、誰を思い出しますか?
鈴木 いっぱいいるけど、今ぱっと浮かんだのは「スターウォーズ」のジョンウィリアムスですね、それから、私大好きな「エマニエル夫人」を手がけたフランシスレイさん。あとはモリコーネ。
荒木 なるほど…今出てこなかったんですけども何といってもこの人ですよ。ミシェル・ルグラン。
鈴木 ミシェル・ルグランを忘れちゃいけませんね(笑)。

荒木 今日取り上げる映画9月19日公開の『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』というタイトルですね。
数々の映画音楽でフランスを代表する音楽家 ミシェル・ルグラン。彼は1950年代末、ゴダールなどのヌーヴェルヴァーグの監督たちから評価され、多くの映画音楽を手がけたんですが、フランスから名声が海を渡ってハリウッドの映画音楽でも次々と成功を納めます。「華麗なる賭け」でアカデミー賞の歌曲賞を、他にもいろいろ取って3度の受賞を誇っています。2019年に亡くなるんですけども、それまで75年間の音楽人生の中で、特にジャック・ドゥミ監督という人と、コンビで名作を生み出してんですね。元々ジャズ系の人なんですよね、この人。
鈴木 そういう素養があるわけね、やっぱり。
荒木 そう。ジャズの素養があるんですよ。で、マイルス・デイヴィスや、シャルル・アズナヴールとか、バーブラ・ストライサンドなどとも共演を重ねているんです。 この『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』では、ルグラン本人と関係者が映画を振り返る形ですね。作曲の舞台裏が明かされてくるんですね。
彼はとってもね厳しい人だね、これ見るとね。
鈴木 そうですか。
荒木 練習でも一切の妥協を許さない。
鈴木 仕事仲間からしたら大変だね。
荒木 そういう人だけど、やっぱり自分の挫折とかね、苦悩だとかそういうところも。自分に厳しいし他人に厳しい。
鈴木 偉人にして巨人なパターンですよ、それは。
荒木 そうなんですよ。私みたいに自分には甘い他人に厳しいっていうのとは違う。
鈴木 あはははは。
荒木 だからね、本当に生の姿も余すところなく描かれています。
彼にとって最後の公演となった2018年12月のパリでのコンサートに密着してるんですよ。もうほとんど歩けないような状態で 舞台に、指揮台に上がってですね。最後にオーケストラで指揮、ピアノ演奏したという、そのコンサートも映してますね。
鈴木 本当に、晩年亡くなる寸前は弱りきっていった姿はそういうことなんですね。
荒木 そういうことなんですよ。もう本当に歩けないぐらい。でもね指揮台に登るとピシッとしてますよね。
また、クロード・ルルーシュだとか、スティングだとか45名以上の音楽家や映画監督がコメントを寄せてインタビューに答えてますね。
鈴木 フランス人のセレブばっかりですか?
荒木 いや、もう世界中の人ですね。日本人の古いシャンソン歌手なんかもいましたよ。私は、この人は最も映画音楽らしい映画音楽を作ってきたと思うんですね。
もともと映画音楽って、いろんな規定がありますけど、映像に活力を与えて感動を盛り上げるという、そういう本質的な映画音楽の概念を本当に理解した作り手ですよね。
この映画はドキュメンタリーなんですけど、彼の最後のコンサートを見ると、死の数ヶ月前ピアノ弾いて指揮をして、見ていて感動しました。そんなミシェル・ルグランの曲を、今日は十分聞いてみたいと思うんですけど。
鈴木 いいですね、荒木さん。
荒木 まずは「シェルブールの雨傘」。これは有名な1964年カトリーヌ・ドヌーヴの出世作ですよね。カンヌでグランプリ。全編音楽のみで他の台詞が一切ないミュージカル映画ですよね。大ヒットした主題歌聴いてみましょう。
~♪「シェルブールの雨傘」より~
荒木 ~ということで。
鈴木 なんかちょっと、今はこのスタジオが鈴木ダイの汗臭いこの男臭が、なんかちょっとフランスはいい香りに包まれましたよ。

荒木 はい(笑)。続いてはですね、『ロシュフォールの恋人たち』という1967年の作品ですね。フランス製南部の海辺の町のロシュフォールに住む、美しい双子の姉妹が主人公でした。カトリーヌ・ドヌーヴとドヌーヴの実の姉であるフランソワーズ・ドルレアックという人が出てるんですけど、ここに、ジーン・ケリーだとか、ジョージ・チャキリスなど、豪華な出演者が登場していました。「ロシュフォールの恋人たち」。
~♪「ロシュフォールの恋人たち」より~
荒木 はい。ミシェル・ルグランの作品、最後は1968年のアメリカ映画です。うん。これが一番有名かな。『華麗なる賭け』から。
鈴木 それできたか、最後は。
荒木 「風のささやきと」いうね、有名な。
鈴木 いろんな方がカバーしてますよね。
荒木 そうですよね。スティーブ・マックイーンの、サスペンス映画でしたよね。初めて、この映画見たときのことを覚えてます。
鈴木 何歳ぐらいだったの?荒木さんその時。
荒木 学生時代です。
鈴木 一番多感で青春している時ですね。
荒木 だから、今老人の日なんですね。 本当に音楽に魅せられました。『華麗なる賭け』より「風のささやき」です。
~♪「風のささやき」~
荒木 ということで、『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』。
鈴木 ちょっと高尚なコーナーに変わりましたね。
荒木 劇場公開日が9月19日、今週の金曜日ですね。 ぜひ映画音楽も、古き良き時代の映画音楽でいいと思いますけども、楽しみたいと思います。ぜひ見に行ってくださいと。
鈴木 もうね荒木さん、今日は素敵な音楽を3曲も間に挟みながら展開してましたけど、合間に荒木さんのコメントの中に何ヶ所もね、笑っちゃうよ「老人の日」って言ってるから。「敬老の日」だよね、今日。
荒木 そうか。「敬老の日」なんだね。
鈴木 何度も「老人の日」ってどこで茶々入れようかと思いながら、最後まで聞き流してきましたけど、最後にやっぱり「敬老の日」とを改めさせていただきます。
荒木 自分の日だと思うから老人の日になっちゃったね。
鈴木 本当に荒木さん、老人には程遠いわ。ありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。