1月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦

(2024年1月15日11:00)

文化放送「上地由真のワンダーユーマン」(月曜午後9時30分)でパーソナリティ―の上地由真と映画ソムリエの東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんの3人が1月のおすすめ映画を紹介して見どころを解説した。 同番組では毎週テーマを設け“由真的”テイストで進行。毎月第1週目は「今月のシネマログ」と題し、その月に公開される話題の映画作品を上地由真と映画の専門家2人が紹介する。今回は1月8日の放送で「ビヨンド・ユートピア 脱北」「カラオケ行こ!」「違う惑星の変な恋人」が紹介された。

上地    「上地由真のワンダーユーマン」 今週もよろしくお願いします。 今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さん、そして映画評論家の荒木久文さんとお届けしていきます。
よろしくお願いします!1月公開の映画の中から、私、上地由真とさゆみん、そして荒木さんの三人が「これはおすすめ!」と思った作品をご紹介していきます。まずさゆみんからお願いします。

1月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「ビヨンド・ユートピア 脱北」(公式サイトから)

東     はい。私がご紹介するのは1月12日から公開の『ビヨンド・ユートピア 脱北』という作品です。
脱北を試みる家族の死と隣り合わせの旅に密着したドキュメンタリー映画です。 ドキュメンタリーを取り上げるのはこの番組では珍しいので、ちょっと集中して語っていきたいと思います。この作品は、2023年のサンダンス映画祭では開催直前までシークレット作品として詳細を完全に伏せられていました。世界中から集まった映画ファンや映画評論家やいろんな方たちの圧倒的な支持を得てUSドキュメンタリー部門観客賞を受賞した大変話題作となっています。全米批評家サイト「ロッテントマト」では評論家100パーセント、オーディエンス98パーセントと圧倒的な支持を記録しています。
ドキュメンタリーなのであらすじみたいなのはないんですけども、これまでなんと1000人以上の脱北者を支援してきた韓国のキム・ソンウン牧師が支援する脱北の様子を隠しカメラですとか携帯電話により撮影された映像で、脱北というものの全行程を映し出していくんです。今回は幼女2人と老婆を含む5人家族、そして国に残してきた子供との再会を切望するお母さん、この2つのケースを追いながらキム牧師が脱北を手伝う様子を記録しています。本当にこれ、できるの?!って思いながら見ていましたね。この1組を助けるため、のべ50人以上のブローカーたちが提携して移動距離、国境を越えてから1万2000キロも移動して韓国に到着しているって。決死の脱出作戦っていうことがわかって、本当にもういろいろ考えさせられましたね。

上地    やっと自由になった時の家族の「はぁ…自由になれた…!」みたいなあの顔、笑顔、泣いて…あの顔が忘れられないですね。自由って何だろう?みたいな…思いました。

東     そうそう。わかる。

荒木    ドキュメンタリーって、今までこの番組で取り上げてこなかったのは、いろんな見方があるっていうことなんですね。まずね、今回のドキュメンタリーを観ていて、いつも思うんですけども、撮影される側にとっては非常な迷惑や不利益が生じやすいんですよ。常に伴うのね、リスクが。今回 このドキュメンタリーを撮影するために幼い子供やおばあちゃんを含めた脱北者家族を通常の脱北より何倍も命の危険にさらしているんじゃないか、っていうことを初めに思いました。

東     目立ってしまう、ってことね。たしかに。

荒木    そうそう。つまりね、若い人たちならともかく、考える限り一番弱いグループですよね。それを撮影するわけですよ。同行して。隠し撮りにしても、カメラを向ける。時にはライトをたいているわけね。

上地    目立ちますよね。

荒木    なんでこういう人たちを選んだのか?リスクが高いほど撮影価値とか作品価値が高まる。つまり意地悪な言い方をすると商品価値があるんですよ。そういう計算がまず働いているなということを最初にね、意地悪な見方かもしれないけど感じたんですね。

東     なるほど。

荒木    でもうひとつ。ドキュメンタリー映画そのもの、ドキュメンタリーっていうのはある事象なり作品にとって作者の主観的な真実を捉えた作品ということが言えるから、それをそのまま全部信用するというのも危険な話なんですよね。ドキュメンタリー観る時には一番これを注意なんですよね。いわゆる印象誘導されているんじゃないか、と。 だからといってこの作品が印象誘導ってことだと言っているわけではないし、だけど裏にはこういう実態があるよということを、やっぱりいろんな部分があるということを感じないと、ですね。ブローカーなんかの描き方についてもそうでしょ?

上地    いや~・・・いいブローカーばかりじゃ、なかったんじゃないですか?

荒木    ああ。まあ、いいブローカーはいないよね。

上地    そういう業界だけど。(笑)

東     そういうことなんだ~?そっか…みんなお金儲けのために?何万円だったら助ける、みたいなね…命だけどね。

荒木    もちろんですよ。

上地    お金しか見てなくて、噓ついたりとか。

荒木    もちろん。だから厳しく脱北者を取り締まるとブローカーもあがったり、なんですよ。そのあたりはこういうブローカーたちの暗躍というかですね、やっぱり人の命とか人の困ったことでお金を取る人はどこの世界にもいるわけですよ。

東     そうですね。

荒木    そういう部分もきちんと見せているという意味で非常に価値のあるドキュメンタリーです。

東     でも先ほども述べたように今後朝鮮、韓国と北朝鮮の映画を観る時にはちょっと変わりますよね、キャラクターへの感情移入の仕方。だからそういう観るためのエピローグになるというか…プロローグだ!プロローグになるというか、ちょっと見え方変わるかな?っていうぐらい。

荒木    まあ、そうですよね。そりゃ映画を観る時はそう観ていいんだけども。こういう世界も現実とした政治的な世界も冷徹な世界もあるということも頭の隅に置かないといけないっていうことですよね。

東     いや~、すごかったです。ぜひこの緊張感、スクリーンで味わって、いろんなことを感じ取っていただければと思います。私、東紗友美がご紹介したのは1月12日から公開の『ビヨンド・ユートピア 脱北』でした。

上地    続いては、映画評論家・荒木さんのおすすめ作品です。

1月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「カラオケ行こ!」(公式サイトから)

荒木    はい。私はですね、1月12日から公開の『カラオケ行こ!』という青春映画かな?
歌がどうしても上手くならないとまずい若いヤクザがですね、合唱部の部長の男の子、それも声変わりの時期に差しかかっちゃった中学生にレッスンを頼むという話なんですね。中学校の合唱部の部長の聡実くん、いわゆる声変りをまだしていないのできれいな声なんですね、ボーイズソプラノっていうのかな。けれど最近は高い音が出にくくって変声期かなと悩んでいる男の子です。彼はある日突然、ヤクザの成田狂児にカラオケ行こう!と誘われます。歌のレッスンをしてくれと頼まれるんですね。そのヤクザ・狂児くんは所属しているヤクザの組の間もなく開催されるカラオケ大会で一番下手くそと判定されると、とんでもない罰則が待っているんですね。その恐怖を避けるために何が何でも歌が上手くならなければならないというので、指導してくれと懇願するんですね。ちなみに狂児くんの勝負曲はX ジャパンの「紅」です。難しいよね。

東     すごい難しい。高いもん。

荒木    うん。で、聡実くんはですね、嫌々ながらも狂児に対して歌唱指導を行いますが、いつしか2人の間にちょっとした変化が生じてきます・・・というお話なんですけども。コーラス部の部長役の聡実くん役には子役出身ですかね、齋藤潤くん。ちょっと冷めた感じで表情固いんですけども真面目な中学生っていうかね、ちょっとよくわかりました。

東     めちゃくちゃ良かった。

荒木    そしてヤクザの狂児役には綾野剛さんですね。まあヤクザ役は度々やっていますけど。綾野さんはですね、20年の俳優人生で初めて青春映画に出たって。

上地・東  へえ~!

荒木    スッキリとした映画にはあんまり出ていないっていう感じですね、たしかに(笑)・・ということでお二人・・・まずカラオケはユーミンだという由真さんはどんな感じでしたかね?

上地    あの、本当ぶっきらぼうな感じでヤクザにつっこむ感じがすごく聡実くんが面白かったですし、2人のやり取りが本当に愛おしくなって。あとカラオケに行って「紅」を歌いたくなった。

荒木    そうですね。(笑)

上地    あはは!大声でね。あとあのヤクザ、いろんなヤクザの人が出てきて歌うじゃないですか、1人ずつ。それがそれぞれにクセ、下手…。(笑)

東     そこ、見どころだよね~!

上地    そこが本当にもう!お腹抱えて笑いました。すっごい面白かった!

荒木    見どころですよね。まあね、やべきょうすけさんとかね、チャンス大城さんとか、ヤクザ専門というか(笑)ヤクザのプロ俳優さんがたくさん出ていて、お茶目な歌を歌いますけど、良かったですよね。

上地    良かった。あの強面がああいう歌、真剣にやっているっていうところがすごく刺さりましたね。

荒木    そう、汚れ切ったヤクザと清純な中学生の歌の対比も良かったですよね。 安室さんのナンバーが好きだという東さんは?

東     私もヤクザ映画、大好きなんですけど、こういう一風変わったヤクザ映画、久しぶりに観たな~なんて思って。なんかこれ、あれなんですよね?『アメトーーク!』でものすごく話題になった原作マンガらしいんですけども。これ観たライターさんで原作も読んでいる方が、本当に最高の映像化だ!っていうふうに、もうリアルに5~6人が大絶賛している。原作から映画化するまで最高だって言ってくれていて。今、由真さんも言っていたカラオケのシーンが本当に楽しい。かなりね、面白い曲がたくさん出るんですよね。例えば米津さんの「Lemon」ですとか、ももクロちゃんの「行くぜっ!怪盗少女」ですとか、King Gnuの「白日」や奥田民生さんの「マシマロ」井上陽水さんの「少年時代」だとか、もういろんな楽しい曲が、これ公式サイトに「こんな歌、歌われるよ」って出ているので大丈夫な情報なんですけど。なんか観ているだけで自分も心の中はカラオケボックスの中に行っていましたね~。

上地    そうだね、うんうん。

荒木    ちょっとね、音楽映画みたいな要素もありますね。

東     あっ、あると思います!あとそのブロマンスっぽい要素がいじらしくって、はい。拝見しておりました。

荒木    綾野剛さんね、カラオケメドレーっていうかね、リサイタルシーンなどもあって。ちょっと嬉しい人いるでしょうか、綾野さんのファンだとね。

東     たしかに。たくさん歌を聞けますもんね。

荒木    彼は以前、音楽活動もしていてギターもやるそうですね。だから歌を初めて聞いたけど、上手ですよね。

上地    裏声すごい、きれいだなって思いました。

荒木    ほんと、ほんと!ということでね、監督は山下敦弘なんですけど、この人ちょっとオフビートな笑いが特長でね。日本のジャームッシュなんていうふうに評されたことがありますけどね。

東     間合いとか面白いですよね。

荒木    そうですよね。まあ個人的な好みだと思うけど『もらとりあむタマ子』とか好きでしたね。あと設定ですね。もちろん原作の設定なんですけど、中学生とヤクザという全く別の世界を上手く比較させて融合させて対比させる。そういうところがね、とっても良かったですね。『セーラー服と機関銃』だとか『二代目はクリスチャン』みたいなね。そういう感じがあって良かったですね。  ということで私の紹介した作品は1月12日公開の『カラオケ行こ!』という作品でした。

1月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「違う惑星の変な恋人」(©「違う惑星の変な恋人」製作委員会)

上地    トリは私、上地由真のおすすめ作品です。私がご紹介するのは1月26日から公開の『違う惑星の変な恋人』です。そして本日はですね、メガホンを取った木村聡志監督にお越しいただきました。よろしくお願いします。

木村    よろしくお願いします。あけましておめでとうございます。

上地    おめでとうございます。よろしくお願いします。嬉しいですね、お会いできて。木村監督は2018年に『恋愛依存症の女』で長編デビューし、その後は『階段の先には踊り場がある』などシニカルな恋愛コメディを描かれているんですけども。 木村監督の最新作がこの『違う惑星の変な恋人』。2人の女性と2人の男性の恋心が交差する厄介な恋模様を面白おかしく愛おしく捉えた作品です。
ストーリーです。2人の若い女性、思ったことをはっきり言う女性グリコと人付き合いが苦手で友達が少ないむっちゃん。この2人は同じ美容院で働いていて、お互いの音楽の趣味が共通していることから仲良くなって、いろんなことを話す仲になります。
グリコは自分に未練のある変わり者の元彼モーくんが美容室にやってきて面倒な思いをしています。一方むっちゃんはライブで出会ったグリコの昔の知り合いベンジーさんに一目惚れをしたり、2人の周りはざわざわし始めるんですね。そうこうしているうちにむっちゃんとグリコの元彼モーが仲良くなって、むっちゃんもグリコとモーの協力でベンジーと恋仲になるべく奮闘するんですけども、実はベンジーはグリコが気になっていて、ちょっとややこしい四角関係ができ上がってしまうことになるんです。自分が好きな人は違う人が好きという複雑に絡まった恋の矢印を整理するために、むっちゃん、グリコ、ベンジー、モーが一堂に会して・・・というお話なんですけども。大変~。こんがらがるー。(笑)

東     あらすじ言うだけでも複雑な、この関係性(笑)あらすじを説明するのが大変ですよね。でも私たちこういうの、大好物ですよね。これ、好きだったわー!

上地    ですよね。本当にもう会話劇がね、なんといっても面白くて。みんなちょっとダメで愛おしい。でもなんか居酒屋の隣の席の話をね、盗み聞きしているような感覚ですごく楽しかったです。

東     ね~!面白かったです。これ、いろんな恋愛が起きているにも関わらず、なんで?ですか。ドロドロもなければ胸キュンも1個もないじゃないですか、監督。(笑)

木村    いや、そうなんです、はい。

東     そうですよね(笑)っていうのはやっぱり、恋の要素というよりもそれぞれのキャラクターの面白さみたいな方が香ばしくって際立っているからなんだろうなと思って。そういう人たちが描く恋愛模様だからこそ、おかしみと愛しさがいろんなところに溢れていて、なんか恋愛映画なんですけど最終的には「ああ私、めちゃくちゃ人間が好きだな」って思える作品だなっていうふうに思って。それこそ恋人とかそういうことじゃなくて、もういろんな自分の周りに関わってくれているいろんな人に会いたくなる映画だったので、本当に足取り軽くなって映画館から出ることができましたね。

木村    発想自体は元々はミュージシャンが出てくるんですけど、この映画の中に。そのミュージシャンと監督、僕ですけど、がコラボして映画を作るっていう話が一番最初にあって。それを考えている時に、ミュージシャンはミュージシャンの役としてちょっと恋愛の外側にいるっていう設定として出して、その内側の人たちを描こうというふうに作り始めたのがこの映画のきっかけですね。

荒木    ブッキングについて聞きたいんですけど。これ、全員に当て書きっぽいような雰囲気があるのですが、このあたりはどうだったんですか?

木村    えっとー、脚本を書き始めて3分の1ぐらいのところで一度出演者の方に脚本をお見せして、こういう感じの映画を作ろうと思うんだけど、どうかな?っていう、やんわりとオファーを出したら、中島さんとか筧さんとか結構面白がってくれて。これは結構面白そうだからぜひ一緒にやりたいという話をもらったので。残りは彼らが出るっていうことを想定した上で書いたので半分ぐらいは当て書きみたいな感じで。

東     すごいブレンド具合ですね(笑)面白い。

上地    中島さんとかも最高にぴったりな…。

木村    そうですね。

荒木    中島さんに関していうと、こういう役がはまり役ですよね。 なんの役をやらしてもね、適当なダメ男で、でも憎めないっていうね。中島さんに関しては今回はクズ度が控えめでしたけども、あの人はね『偶然と想像』あたりから始まってですね、本当に面白かったのは『17才は止まらない』が一番面白かったですよ。 それから『さよならエリュマントス』もすごかったし、そういう意味ではまともな映画に出ちゃって普通の役をやるとちょっと物足りないんですよね。

上地    ちょっとなんか期待しちゃう部分が…。(笑)

荒木    で、このポジションに今、誰もいないからね。

木村    そうなんです、今。ちょっと確立、彼がしている…。

荒木    不動のね、左のサイドバック。

木村    不動の…。(笑)

荒木    ただ、本人にとってはいいことかどうかね。そういうイメージが固まっちゃうとあれなんですけど。でも今回の監督はちょっと優しさも含めてそんなにひどい男には描かなかった。とっても中途半端でいい感じでしたね。

上地    うんうん。いるな~、こういう人!みたいなね。 タイトルの『違う惑星の変な恋人』はどこからきたんですかね?

木村    これあの、こんな公開されてここまでタイトルが生き続けると思わなくて。プロットを最初作る時に3つぐらい出して、プロデューサーに。その時にプロットA、プロットBとかだったらちょっと味気ないので、とりあえず適当につけたタイトル、それぞれに。なので、全然別に『違う惑星の変な恋人』っていうような感じでもないプロットというか脚本だったんですけど、ここにとりあえずこのタイトルつけて、って出して。このタイトルがあるから後半部分はこのタイトルちょっと沿うような感じに作ったみたいなあれなので。タイトルありき、みたいな感じだった。 もちろん仮タイトルだったので、正式に完成した後になんか別のに変えよう、っていう話になったんですけど、なんかこの絶妙に字面といい…。

東     うんうんうん、はまってるー、なんか…。

木村    そう。すごくはまっていて。なんかこれが一番しっくりくるなということで、そのままこれが、仮タイトルがそのまま生き続けたっていうような感じだったんですけど。

荒木    映画の中で役者さんたちがね、しゃべる会話ですが、もともと会話劇なんですけど、長くロングで撮っていたりするんですけども、微妙な会話のズレとかがあって非常に面白いんです。これ、アドリブじゃないのかなって思うんですけど。あの若い2人の俳優さんはね、対応できないし。どうなんですか、あれは?演出なんですか?

木村    基本的には全部セリフに書いてあって、「あ」とか「や」とか。

荒木    そこまで細かく?

木村    言い間違えているところはわざと言い間違えて書いたりとかして、書いてあって。

上地    へえ~! 緻密な脚本ですね。

木村    そう、だから普段やっぱり脚本書いたら何回も書き直せるので、すごくきれいな会話になれるんですけど、そこをあえてもうちょっと日常っぽくするために少し崩して。だからなんか間違っていることとか言っていたりもするんですけど、日常でそんなのいっぱいあるし、調べればちゃんと正しい言葉に直せるんですけど、あえて間違ったりする、っていうのも会話劇だったら重要かな、って思って。そういうふうに作っています。

荒木    ああ、なるほどね~。

上地    だからすごく自然にね、入ってきますよね。

東     ちなみにこれが1月に公開だと思うんですけど、次はどんな作品撮りたい、みたいなのってあるんですか?

木村    あの~、なんか原作ものとかもやりたいなって思う。

東     え~っ!

木村    いや、全部すごくオリジナルで作っていて、僕すごく勘違いされるんですけど。すごく作家性を押し出して芸術的なものを作りたいっていうふうにすごく勘違いされるんですけど、全然そんなことなくて、はい。(笑)  エンタメ全振りとかもやりたいし、3Dとかもちょっとやりたい。(笑)

上地・東  ほぉ~!

上地    楽しみでしかないですよね。

荒木    楽しみだね。そのためにもね、この映画はたくさんの人に観てもらいたいですよね。そしたら名のあるプロデューサーもすぐ次撮らせてくれますよ。

木村    そうだといいんですけど。(笑)

上地    最後に監督からリスナーのみなさんに作品の思いなど、ぜひメッセージをお願いします。

木村    はい。この映画、本当にその日常にどこにでもいるような人たちを描いた映画だと思うし、なんか映画を観て自分の人生に何かこう影響を与えるというか、世の中にこういう人たちで溢れているな、というかそういう愛おしさとか、ちょっと嫌だなと思うこととかも、でもあの人ってこう考えていたのかもな、みたいなちょっと視点を変えて見たら違う見方もできると思うし、そういうふうに観た人の人生に還元できればいいなと思って、こういう日常の映画を作っているので、なんか観た後の帰り道とか普段と違う気持ちになって帰ってもらえたらすごく嬉しいなっていうふうに思います。

上地    はい、ありがとうございます。私がご紹介したのは1月26日から公開の『違う惑星の変な恋人』でした。ぜひみなさんご覧ください。木村監督ありがとうございました。

木村    ありがとうございました。

上地    1月公開の映画作品の中から、それぞれの推しをご紹介しました。ぜひ映画館でチェックしてください。映画評論家の荒木久文さん、映画ソムリエの東紗友美さん、ありがとうございました。

荒木・東  ありがとうございました。

1月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
荒木久文さん、上地由真さん、東紗友美さん(左から)

■上地 由真
オーディションがきっかけで関西を中心に音楽活動開始。2007年シングル「shine day」などをリリース、以降全国各地でライブ活動やイベント参加。最近は女優としても活躍、舞台、映画などのジャンルにも進出。

■東 紗友美
映画ソムリエとしてTV・雑誌・ラジオなどで活動中。趣味は、映画ロケ地巡り。国内外問わず廻り、1年で100箇所以上ロケ地を訪れたことも。インスタグラムでも毎日映画に関する写真やコメントをほぼ毎日掲載中。

■荒木 久文
現在 複数のラジオ番組を中心に、新聞紙面 ニュースWEBなどに映画をテーマとした評論 批評 紹介 などの活動を展開。報知映画賞選考委員 ノミネート委員  日本映画ペンクラブ会員。

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