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映画
第36回東京国際映画祭 黒澤明賞にグー・ シャオガン監督とモーリー・スリヤ監督
(2023年9月25日21:15)
第36回東京国際映画祭(10月23日~11月1日)の黒澤明賞にグー・ シャオガン監督(中国)とモーリー・スリヤ監督(インドネシア)が選ばれた。授賞式は10月31日、東京・帝国ホテルで開催予定。
東京国際映画祭は日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出して いきたいとの願いから、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈ら れる賞として、昨年 14 年ぶりに黒澤明賞を復活した。
昨年はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督が受賞したが、今年は、山田洋次監督、檀ふみ氏、奈良橋陽子氏、川本三郎氏、市山 尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5 名の選考委員により選考した結果、受賞者はグー・ シャオガン監督とモーリー・スリヤ監督に決定した。
グー・シャオガン監督は、大学ではアニメ・漫画コースを目指していたが、希望通りに進めず、服飾デザインとマ ーケティングを専攻。在学中に映画作りに開眼する。北京電影学院社会人コースなどを聴講して学び、ドキュ メンタリーや短編の劇映画から撮り始めた。その後、初長編映画となる本作『春江水暖〜しゅんこうすいだ ん』は 2 年に渡る撮影期間の後、完成し、デビュー作にして 2019 年カンヌ国際映画祭批評家週間のクロージ ング作品に選ばれて、大きな話題となり、第 20 回東京フィルメックスのコンペティション部門にも出品され、審 査員特別賞に輝いた。
選考委員からは、国際的に高い評価を受けた監督デビュー作『春江水暖〜しゅんこうすいだん』において、ヒュ ーマニズムあふれる人間観察と流麗なカメラワークによって一つの大家族の姿を描き、中国映画界から新しい 世代の監督たちが登場しつつあることを世界に知らしめたと評され、そのたぐいまれな才能を高く評価するとと もに、今後、世界の映画文化に大いに貢献することを期待し、本年度の受賞が決まった。
モーリー・スリヤ監督は、2008 年に初の長編映画作品となった『フィクション。』で、インドネシア映画祭で最優 秀作品賞を含む4つの賞に輝くなど、国内外で高い評価を得た。2013 年の第 2 作⽬の『愛を語るときに、 語らないこと』は同年に東京国際映画祭に出品、またサンダンス映画祭に出品された初めてのインドネシア映 画となった。その後、2017 年の『マルリナの明日』はカンヌ映画祭監督週間を皮切りに米国、カナダ、日本 を含む 14 か国で劇場公開された。同作品は第 18 回東京フィルメックス最優秀賞を受賞したほか、第 91回アカデミー賞外国語映画賞にインドネシアを代表して出品された。
選考委員からは、西部劇を思わせるタッチで一人の女性の行動をパワフルに描いた監督第 3 作『マルリナの 明日』において、これまでのインドネシア映画のイメージを覆し、世界を驚かせたと評された。また、この国際 的な評価は今まさに活動を開始しつつある多くの東南アジアの女性映画監督たちに大きな希望を与え、今後 も世界の映画文化に大いに貢献することを期待し、本年度の受賞が決まった。
黒澤明賞の授賞式は 10 月 31 日(火)に都内のホテルで開催予定。
■グー・シャオガン監督のコメント
第 36 回東京国際映画祭のご厚意と信頼により私に授与いただくこの栄誉は、黒澤明監督からの厳格な戒め のようにも思えます。 黒澤監督から「グー・シャオガンよ、映画とは真に何たるものかを探求しなさい。その答えを模索することが、映 画を作り続けるということだ」と言われているようです。 長い年月をかけて「映画とは何か」という問いに向き合っていけたらと思います。 ありがとうございました!
■モーリー・スリヤ監督のコメント
物語、漫画、アニメ、そして後に映画が大好きになった私は、自分の名前が黒澤明と一緒に語られるなんて夢 にも思っていませんでした。何しろ、その頃はまだ少女で、映画の撮影現場を率いる人物というイメージとはまっ たくかけ離れていました。それから十数年後、私はこの賞を受賞することになり、私の世界は変わりました。本当 に光栄なことですし、このような形で私の人生を変えてくれた東京国際映画祭と選考委員の皆様に感謝します。
【第 36 回東京国際映画祭 開催概要】
■開催期間:2023 年 10 月 23 日(月)~11 月 1 日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■開催期間:2023 年 10 月 25 日(水)~27 日(金)
■会場:東京都立産業貿易センター浜松町館
■公式サイト:www.tiffcom.jp