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映画
第 36 回東京国際映画祭 小津安二郎生誕 120 年記念特集上映、城定秀夫監督特集などの企画決定
(2023年9月19日21:00)

第 36 回東京国際映画祭(10月23日~11月1日)では、小津安二郎生誕 120 年を記念した特集上映など、期間中に例年以上に様々な企画や特集上映を数多く実施する。
まず、本年の目玉企画としましては、小津安二郎生誕 120 年を記念した特集上映やイベントを実施致する。そして昨年は故・青山真治監督の特集を行った Nippon Cinema Now 部門では、本年は近年多彩なジャンルの作品を精力的に生み出している城定秀夫監督の特集を行うす。また、昨年まで「ジャパニーズ・アニメーション部門」として、日本の作品のみを上映してきたが、本年より「アニメーション部門」と名称を変更し、国内のみならず、海外の話題作も上映する。その他、様々な特集上映も実施する。
今年は小津安二郎の生誕 120 年、没後 60 年にあたります。今、あらためて小津作品に光をあて、わたしたちが小津から何を学び、どう未来につなげてゆくべきかをグローバルな視点で考えます。今回、新たにデジタル修復した多くの作品を初公開する他、国立映画アーカイブでの小津安二郎監督週間(10/24~29)の貴重なフィルムでの上映と合わせるとほぼ全ての小津作品が網羅される大々的な特集となります。また、世界的に活躍する映画監督をお招きしてそれぞれの視点から小津を考える国際シンポジウムも実施します。企画のテーマである”SHOULDERS OF GIANTS”は、「小津という偉大な監督の肩にのって、映画の未来をみてみよう」という思いを表している。
①小津安二郎生誕 120 年記念特集上映
特集上映ではワールド・プレミアを含む小津作品のデジタル修復版 18 作品を上映します。国内外で愛される小津の名作を美しい映像で上映する。
【東京国際映画祭上映作品】
『突貫小僧 マーヴェルグラフ版』(1929)、『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』(1932、★WP)、『非常線の女』(1933★) ※世界的なトランペッター黒田卓也による生演奏付き上映
『菊五郎の鏡獅子』(1936、★WP)、『父ありき』(1942★)、『長屋紳士録』(1947★)、『風の中の牝雞』(1948★)、『晩春』(1949★)、『宗方姉妹』(1950★)、『麥秋』(1951★)、『東京物語』(1953★)、『東京暮色』(1957★)、『彼岸花』(1958)、『お早よう』(1959)、『浮草』(1959★)、『秋日和』(1960)、『小早川家の秋』(1961★)、『秋刀魚の味』(1962)
※★は4K デジタル修復版
※WP は4K デジタル修復版としてのワールド・プレミア上映
【国立映画アーカイブ「小津安二郎監督週間」上映作品】
『学生ロマンス・若き日』(1929)、『大学は出たけれど』(1929)、『東京の女』(1930)、『淑女と髯』(1931)、『突貫小僧 パテベビー短縮版』(1929)、『突貫小僧 マーヴェルグラフ版』(1929)、『朗らかに歩め』(1930)、『その夜の妻』(1930)、『東京の合唱』(1931)、『青春の夢いまいづこ』(1932)、『出來ごころ』(1933)、『母を恋はずや』(1934)、『浮草物語』(1934)、『東京の宿』(1935)、『一人息子』(1936)、『淑女は何を忘れたか』(1937)、『戸田家の兄妹』(1941)
② 小津安二郎生誕 120 年記念シンポジウム ”SHOULDERS OF GIANTS ”
冒頭ヴィム・ヴェンダースによる小津へのオマージュ(讃辞)に続き、『お早よう デジタル修復版』(1959)を上映します。上映後、黒沢清、ジャ・ジャンクー、ケリー・ライカートといった世界的に活躍する映画監督が登壇し、小津作品をめぐるトークセッションを行います。ヴィム・ヴェンダース 黒沢清 ジャ・ジャンクー ケリー・ライカート
<実施概要>
主催:東京国際映画祭 共催:The Tokyo Toilet Art Project
プロデュース:J-WAVE(81.3FM) 協力:松竹、川喜多記念映画文化財団、三越劇場、読売新聞社
日時:2023 年 10 月 27 日(金)開場 16 時 20 分/開会 16 時 50 分―19 時 45 分終了予定
会場:三越劇場(日本橋三越本店本館6階
チケット情報:2023 年 9 月 28 日(木)午前 10 時より発売
三越劇場 0120-03-9354(10:00-18:00)
三越劇場チケットショップ http://mitsukoshi.mistore.jp/bunka/theat
③ 提携企画
A:小津安二郎生誕 120 年×三越創業 350 周年特別企画 音語り|東京物語〜小津安二郎を聞く〜
松竹、創業 350 周年を迎えた三越、小津が多感な時期を過ごし三越の創業者三井高利との所縁も深い三重県松阪市による特別共催企画。公演の前半では、幼少のころ小津から孫のように可愛がられていた中井貴惠が思い出を語り、後半はジャズピアニスト松本峰明の演奏とともに『東京物語』の台本を朗読。
日時:2023 年 10 月 26 日(木)15 時 00 分開始-16 時 45 分終了
会場:三越劇場 (日本橋三越本店本館6階)
問合せ:オンザフィールド 050-5525-1493(平日 12:00-17:00)
B:小津安二郎生誕 120 年企画 “SHOULDERS OF GIANTS” J-WAVE 公開収録
今年の東京国際映画祭のオープニング作品『PERFECT DAYS』でヴィム・ヴェンダース監督と共同脚本・プロデュースを担当した高崎卓馬が、J-WAVE 特番”SHOULDERS OF GIANTS”を公開収録。ラジオパーソナリティ・クリス智子の進行による多数のゲストとの小津を巡るトーク、そして映画『PERFECT DAYS』で劇中歌を歌う金延幸子のミニライブも開催。
番組の放送は 11 月 3 日(金・祝)18 時から 21 時 55 分予定。
主催:J-WAVE(81.3FM) 共催:The Tokyo Toilet Art Project
日時:2023 年 10 月 27 日(金)開場 19 時 15 分/開始 20 時 00 分-21 時 30 分終了
会場:コレド室町テラス1F 大屋根広場
問合せ:J-WAVE「SHOULDERS OF GIANTS」特設 HP※9/27(水)以降に公開予定
https://www.j-wave.co.jp/special/shouldersofgiants/
④ 関連上映
A:連続ドラマ W OZU~小津安二郎が描いた世界~
世界の OZU の原点である初期サイレント映画6作品を気鋭の映画監督 6 人が WOWOW でオムニバスドラマとして現代リメイクしたものの3話分を TIFF シリーズ部門にて上映。
【上映作品】
『生れてはみたけれど』(監督:吉田康弘)、『非常線の女』(監督:松本優作)、『出來ごころ』(監督:城定秀夫)
B:山崎バニラの活弁小絵巻 2023
『突貫小僧 マーヴェルグラフ版』(新たにフィルムが見つかったロングバージョン)を声優としても活躍している山崎バニラの活弁付きでユース部門にて上映。

この 1 年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する同部門では、デビューから 100 本以上の作品を手がけ、昨年だけでも『愛なのに』『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』など、話題作が立て続けに公開され、精力的に良作を生み出している実力派・城定秀夫監督を特集。
【上映作品】
『アルプススタンドのはしの方』(2020)、『愛なのに』(2022)、『ビリーバーズ』(2022)、『銀平町シネマブルース』(2023)※いずれも英語字幕付き上映
昨年までのジャパニーズ・アニメーション部門は、アニメーション部門として、今年からコンセプトも新たに再スタートする。まずひとつめの柱は「ビジョンの交差点」と題して海外での話題作も取り上げ、国内の最新作と合わせて9作品上映。またレトロスペクティブは「海外映画祭と監督」というテーマで、海外映画祭で賞に輝いた監督の作品を3作品上映する。
【上映作品】
『アートカレッジ 1994』(2023)、『深海レストラン』(2023)、『トニーとシェリーと魔法の光』(2023)、『ロボット・ドリームズ』(2024 年公開予定)、『リンダはチキンがたべたい!』(2024 年公開予定)以上洋画作品
『かがみの孤城』(2022)、『BLUE GIANT』(2023)、『北極百貨店のコンシェルジュさん』(2023/10/20 公開)、『駒田蒸留所へようこそ』(2023/11/10 公開)
<海外映画祭と監督>
『夜明け告げるルーのうた』(2017、湯浅政明監督)、 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019、片渕須直監督)、『音楽』(2020、岩井澤健治監督)
以上の他にもワールドフォーカス部門で「ラテンビート 映画祭」とのコラボレーションによるスペインや中南米の秀作に加え、台北駐日経済文化代表処 台湾文化センターとの共催による「台湾電影ルネッサンス 2023」、生誕 100 周年を迎えるイタリアの巨匠・フランコ・ゼフィレッリ特集、スペインのバスク地方の映画の特集、アジアン・フィルム・アワード・アカデミーとの共催による香港映画の特集といった多彩な特集上映も行う。また、韓国での日本大衆文化開放 25 周年の特別上映として『シュリ〔デジタル・リマスター版〕』(1999)と『LoveLetter』(1995)の上映も行う。
■開催期間:2023 年 10 月 23 日(月)~11 月 1 日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区 ■公式サイト:www.tiff-jp.net
■開催期間:2023 年 10 月 25 日(水)~27 日(金)
■会場:東京都立産業貿易センター浜松町館 ■公式サイト:www.tiffcom.jp