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ハリウッド特急便
アンバー・ハード、ジョニー・デップとの名誉毀損裁判の評決の破棄を申請
(2022年7月4日12:45)
アンバー・ハード(36)が、元夫ジョニー・デップ(58)が起こした名誉毀損訴訟で敗訴した評決を破棄するよう米バージニア州の裁判所に申請した。評決は証拠に裏付けられていないなどと主張している。
米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、デップが起こした名誉毀損裁判で敗訴したハードの弁護士は、先週提出した43ページの申請書で、評決は元夫婦の裁判での証拠に裏付けられていないなどと主張して評決の破棄を求めた。
1日(現地時間)に裁判所に提出された書類では、デップは「ハードさんの発言が実際に虚偽であったという主張を放棄し、包合理論よる名誉毀損理論のみで進めた」と主張。また陪審員選考の際に生年月日を実際の1970年ではなく1945年と誤って伝えることで、15番の陪審員が違法に選ばれた可能性さえあると主張するなどして、ジョニー・デップによる名誉毀損訴訟の評決を破棄するよう求めている。
デップの弁護士ベン・チューは、ハードの申し立てについて「我々が予想していたもので、ただ長く、より実質的なものだ」とコートハウス・ニュースに電子メールでコメントしたという。
6月1日(現地時間)の評決で、ハードが家庭内虐待の被害者であると主張した2018年のワシントン・ポスト紙のコラムでデップのキャリアを傷つけたとして5000万ドル(約67億5000万円)の損害賠償を請求したデップは、申し立てた3つの名誉毀損の訴えが認められ、1035万ドル(約14億円)の賠償金を勝ち取った。一方、1億ドル(約135億円)を請求して反訴したハードは、彼女の主張の1つだけが認められ認められた賠償額は200万ドル(約27億円)にとどまり、デップの勝訴となった。
ハードの弁護団は、新たに裁判所に提出した資料で、デップはハードのコラムによって俳優のキャリアと評判に影響を与えたことを証明できなかったと、主張した。「デップ氏は、論説記事の結果として2018年12月18日から2020年11月2日までの限られた時間枠の中で被った金銭的損害の証拠を提示しなかった」と、同申請書は述べている。さらに「(ハードの)エッセイのせいで(デップの)プロジェクトやビジネスチャンスが失われたという証拠もなかった」と主張しているという。
またハードの弁護団は、デップが裁判でワシントンポスト紙のコラムで「パイレーツ・オブ・カリビアン」第6弾の役を奪われたと主張したにもかかわらず、同作の契約書にサインしていなかったと指摘した。また、デップは虐待の主張に反証することができなかったとも主張しているという。
チュー氏は「デップ氏は、コラムが掲載された時点で、ハードさんが虐待を受けたとは思っていなかったこと、あるいは虐待を受けたかどうかについて疑念を抱いていたことを立証する必要があった」と主張。
「しかし、デップ氏は、ハードさんが虐待を受けたとは思っていないという証拠を提示しなかった。ハードさんは自分がデップ氏の手による虐待の被害者であると信じていることを、証拠が圧倒的に裏付けているのです」としたうえで「したがって、デップ氏の主張は法的要件を満たしておらず、評決は破棄されるべきである」と述べている。
ハードの新たな主張を裁判所がどう判断するのか”第2ラウンド“の行方が注目される。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。
2014年、デップとハードが婚約して翌年2月に結婚。
2016年5月、わずか1年3か月の結婚生活で、にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。
2017年8月、デップはDVを否定していたが、デップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
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2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をした。
2022年6月1日(現地時間)、米バージニア州の裁判所の陪審が、デップがハードのコラムを名誉棄損としてハードに1500万ドル(約20億円)の賠償支払いを命じた。(バージニア州の懲罰は上限35万ドルのため合計1035万ドル(約14億円)に減額された)一方、ハードがデップに1000万ドル(約130億円)の損害賠償を請求して反訴した名誉棄損の訴訟について、デップ側に200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。