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ハリウッド特急便
ジョニー・デップの元エージェントが証言「アンバー・ハードの告発でデップは『パイレーツ・オブ・カリビアン6』を失った」
(2022年4月28日14:30)

ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)の名誉毀損裁判は27日(現地時間)、かつて2人の代理人を務めていたタレント・エージェント、クリスチャン・カリーノの証言が法廷で公開された。
米サイト「TooFab」によると、2021年1月に録音済みの宣誓証言で、ハードの弁護士の質問に答えたカリーノは、自分のクライアントが何らかの裁判沙汰になることは、彼らのキャリアに悪影響を及ぼすと信じているなどと述べた。
「人々は尊敬する人が訴訟になることを聞きたくないのです。そして、それが個人に関するニュースや報道全体の中で占める割合が増え、その人のキャリアに焦点が当てられなくなればなるほど、スタジオやブランド、一般大衆のその人に対する興味は薄れていくのです」と語った。
レディー・ガガと婚約していたこともあるカリーノは、デップの演技力の高さについては、昔も今も「同世代の俳優の中で最も優れた俳優の一人」だと信じているという。しかし、個人的な面では、2016年に一緒に仕事を始めたとき、デップは彼の周りに『謎の幕』を持っていることで知られていたが、それは時間と共に変化したと信じていると語った。
「訴訟による露出で変わった」と述べ、「謎の幕」はその後、訴訟と宣伝の結果、消えたと付け加えている。「私の考えでは、アンバー・ハードの告発は彼のオフスクリーンの評判に最も劇的な影響を与えた」とカリーノは言い、特定の告発を指しているのではないと付け加えた。「彼女がジョニーを告発したことで、公になったことを意味している」と慎重に語った。
カリーノは、一般的に(ハードの)離婚の申請が必ずしもデップのキャリアに影響を与えるとは思わないとしながらも、ハードが「虐待の告発に基づいて」接近禁止命令を申請することは、彼の評判に悪い影響を与えただろうと述べた。
カリーノは、ハードのワシントンポスト紙のコラムによってデップの評判に具体的にどれだけ影響を与えたかを数値化する方法はないとしながらも、ハードの告発後、デップが「パイレーツ・オブ・カリビアン6」を降ろされたのは、DVや暴力に関する「ハードが行った告発」のためだと考えていると述べた。彼は、自分の意見は同僚やスタジオの幹部との会話に基づくものだといい、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどを手掛けている映画プロデュ―サージェリー・ブラッカイマーとタレントのエージェントでタレント・スポーツ選手のエージェントCAAの同席議長ブライアン・ルードの名前を挙げた。
その会話の具体的な内容は覚えていないが「その内容は、スタジオがデップの雇用に難色を示しており、その理由は理解されていた」としたうえで「ブラッカイマーは、ハードの申し立てが原因だとはっきり言うことはなかった」と述べた。
また、カリーノは、シリーズ5作目「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」(2017ね)の撮影中、デップとの間でアルコールやドラッグの使用、遅刻などの「問題」はなかったかとの質問に「彼が遅刻することは承知しているが、彼はこれまでの人生で何にでも遅刻してきた。誰にとっても面倒なことだと思うが、誰もがそれに対処するために、映画を製作することを学んできた」と述べた。
カリーノは最初にハードと出会い、彼女と一緒にブランドの提携先を探す仕事をし、彼女を友人と考えていたと説明した。さらに、デップとも親しくなり、同時期に彼の代理人も務めたという。デップがCAAを辞めたときに一緒に仕事をするのをやめ、2人の友情も同じ時期に終わったという。ハードについては、その友情は「法的紛争が始まったときに」終わったと語ったが、どちらの当事者に対しても「敵意」は持っていなかったという。
また、デップがハードを虐待しているところを目撃したことはなく、ハードが虐待疑惑を彼に話したことも、その逆もなかったという。また、ハードの怪我を目撃したこともないと述べた。
続いてカリーノは、ハードが離婚を申請しデップに対する接近禁止令を取得した2カ月後の2016年8月に、サンフランシスコでデップとハードの会談をセッティングしたことについて聞かれた。「彼は最初は渋っていたがその後同意した」といい、ハードはデップが接近禁止命令に違反していると非難しないことに同意し、会談が設定されたという。その会合は友人の家で数時間続いたという。その後、ミーティングは近くのホテルの部屋に移され、そこで2人は「口論を始めた」という。ケンカの具体的な内容は覚えていないという。
続いてカリーノは、1年後の2017年8月のメールのやり取りや、ハードとイーロン・マスクの関係について聞かれた。ハードはマスクとの別れについて「別れへの対処、公になるのは嫌だ、とても悲しい」とメールしてきたという。カリーノは「プレスリリースのようだ、君は彼に恋をしていなかった、君はただスペースを埋めていただけだと1000回言った」として「超有名人と付き合うのをやめれば、こんなことは避けられるよ。有名じゃない大物と一緒になれるよ」と付け加えたという。
2016年のサンフランシスコでの会合時に、アンバーがすでにマスクと交際していたかどうかを知っているかという質問に対しカリーノは「わからないが「一緒に過ごしていたのは間違いない」と答えた。カリーノはまた、ハードがマスクと別れた後、デップと和解しようとしていたと信じていると証言している。そして彼女は2018年6月に「神様、彼に会いたい」とメールしたという。しかし復縁は実現しなかった。
ハードは2016年8月にデップと離婚で合意。2017年4月にマスクとの交際をおやけにしたが同年8月に破局した。
4月11日に始まったデップとハードの名誉棄損裁判は6週間にわたって行われ様々な証人の証言が行われる予定。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
デップとハードは2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。
18年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラから醜い男にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップの名誉棄損裁判では、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。判決は「サン」の記事は「おおむね事実」として名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。ハードは1億ドル(約125億円)を請求して反訴している。