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ハリウッド特急便
ジョニー・デップ、アンバー・ハードの弁護士、和解に至らずハード上訴へ
(2022年6月25日11:20)
ジョニー・デップ(59)とアンバー・ハード(36)の弁護士が24日(現地時間)、名誉棄損裁判の評決を受けて法廷で話し合ったが、土壇場で和解に至らなかったことがわかった。ハードの広報担当者は、ハードは上訴する予定であることを示唆した。米メディアが報じた。
米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、ハードは17日(現地時間)、同紙に「あなたが無実なら、恩赦を求めることはありません。そして、自分が正しいとわかっているのなら、上訴を拒否することはありません」と述べ、和解に応じるつもりはなく上訴の決意が固いことを示唆した。
今月初め、デップの弁護士ベンジャミン・チュー氏は米ABCテレビ「グッド・モーニング・アメリカ」のインタビューで、デップは、ハードが上訴しないことに同意すれば、損害賠償金を支払わせるのを見送るかもしれないとほのめかしたという。「これは彼の評判を回復するためのもので、彼はそれをやり遂げたのです」とチュー氏は付け加えた。
21日後、この事件は米バージニア州上訴裁判所に移り、その後、当事者は30日以内に上訴状を提出することになるという。
6月1日の評決により、デップは200万ドル(約27億円)、ハードは1035万ドル(約14億円)の賠償金と年6%の利息を支払う。判事は17 日(源氏時間)、デップの評決をそのまま書類に記入し、ハードの修正案をすべて却下した。デップの弁護団は元妻に対する賠償金のための財産等の差し止めを要求しなかったという。
ハードが控訴を決めた場合、彼女が命じられた1,035万ドルの賠償金全額を保証金として預け、さらに48万ドル(約6500万円)の利息を預けなければならないという。デップとハードの名誉毀損裁判は、長い控訴審を迎えることが予想される。
6月1日、バージニア州フェアファックスの裁判所の陪審員は、ハードが2018年12月にワシントン・ポストに寄稿した論説記事でデップを虐待者として不当に描写し、その過程で彼の評判とキャリアに傷をつけたと判断し、デップに1500万ドルの賠償金を与えた(州法で定められた懲罰金は35万ドルが上限のため1035万ドルに減額された)。陪審員はデップの3つの名誉棄損の主張をすべて支持する評決を下したが、デップの元弁護士が1つの事例でハードの名誉を傷つけたことも認め、彼女の反訴の一部として200万ドルの損害賠償を命じた。
アンバー・ハードはジョニー・デップが混乱した関係の中で彼女を虐待したと主張している。
先日米NBCテレビの朝の番組「TODAY」に出演して、デップから虐待を受けた証拠だとする「数年分」のセラピストのメモを公開した。デップとの名誉棄損裁判では証拠として採用されなかったという。
情報筋が6月上旬ポスト紙に語ったところによると、ハードは6週間の裁判に伴う巨額の弁護士費用で「破産」しているという。陪審員が下した評決をカバーする手段をハードが持っているかという質問に対して、ハードの弁護士ブレッドホフトは「いやいや、絶対にない 」と答えていた。一方で、ハードの弁護士費用をテレビ局が持つことで独占インタビューをするという契約があるとも取りざたされている。ただし判決による賠償金までは払わないという。
いずれにしても上訴が決まれば今度は一般人の陪審員ではなくプロの判事が判断することになり”第2ラウンド“の行方が注目される。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚した。
だがわずか1年3か月の結婚生活で、16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。
2022年6月1日(現地時間)、米バージニア州の裁判所の陪審が、デップがハードのコラムを名誉棄損として500万ドル(約63億円)の損害賠償を請求した訴訟について、名誉棄損を認めてハードに1500万ドル(約20億円)の賠償支払いを命じた。一方、ハードがデップに1000万ドル(約130億円)の損害賠償を請求して反訴した名誉棄損の訴訟について、デップ側に200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。