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ハリウッド特急便
ジョニー・デップ証言、「ハードの証言は恐ろしくばかばかしく、屈辱的で、滑稽で…虚偽」侮辱メールは認める
(2022年4月30日22:30)
ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)の名誉棄損裁判で25日(現地時間)、デップが証言して、オーストラリアでの喧嘩の際にハードがウォッカの瓶を投げつけて指先を切断したと主張し「ハードの証言は恐ろしくばかばかしく、屈辱的で、滑稽で…すべて虚偽」などと述べた。
米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、この日の裁判でデップは証言台に戻り、ハードが自分にウォッカの瓶を投げつけ指を切断したと証言した。「指が恋しい」とデップは口走ったという。そして元妻ハードを虐待したことはないと主張したが、彼女に「世界的な屈辱を与える」などと侮辱的なメールを元エージェントに送ったことは認めた。
ハードは以前、2015 年3月にオーストラリアでのケンカの際にデップが酔って激怒し、自分で自身の指を傷つけ、瓶で彼女に性的暴行を加えたと証言したが、デップは、ハードの証言は「恐ろしくばかばかしく、屈辱的で、滑稽で、痛々しく、野蛮で、想像を絶する残忍で残酷で、すべて虚偽である」と述べた。「何が起ころうとも私はここにたどり着き、真実を語った」とデップは陪審員に語った。
一方、ハードについて「彼女は世界的な屈辱を受けたいと懇願している。彼女はそれを手に入れるつもりだ」というメールを送ったことは認めた。
メールのテキストはさらに、「彼女が戦うことを望んでいるので、とてもクソ・ハッピーだ!!! 彼女は壁に激突するだろう!!! そして、この無駄な浪費を私の人生から追い出すのが待ちきれないよ!!!」と記されていた。
■デップが元エージェントに「50セントストリッパー」などとハードを侮辱するメールを送っていたことを認める
デップが元エージェント、クリスチャン・カリーノに送った2016年8月のメールには、ハードを「使い古されたゆるい魚市場」とか「50セントストリッパー」と呼び「この金食い虫で低レベルで、ありふれて価値のない、ぐじゃぐじゃに崩れて、無意味にぶら下がる古い魚市場に、私は慈悲も恐れも感情のかけらもない」などと書かれていたという。
さらには「カルマが働いて、彼女から呼吸の贈り物を取ってくれることを願うばかりだ」とか「申し訳ない、しかし、今、私は何もせずに停止する!!! 軟体動物がペアを持っているかどうか見てみよう」と、当時ハードと交際していたテスラのボス、イーロン・マスクのことを指していると思われる言葉を付け加えていた。ハードの弁護士が法廷で読み上げた。
デップはこのメッセージについて、ハードの虐待疑惑によって自分の人生が狂わされていたときに書いたものだと説明した。
デップは、ハードが2018年12月にワシントン・ポスト紙に寄稿した、自らを「家庭内虐待を代表する公人」と称するコラムを名誉棄損として5000万ドル(約63億5000円)を求めて提訴。ハードは、デップと彼の弁護士が、虐待の告発を捏造したと非難する中傷キャンペーンを展開し、彼女の名誉を傷つけたとして、1億ドル(約127億円)を求めて反訴している。
デップはこの日の証言で、家庭内暴力の被害者はハードではなく自分であるとの主張を繰り返した。2015年7月の新婚旅行中にオリエント急行の列車で左目の下にあざができた経緯を聞かれ「ミス・ハードに殴られた」と答え「黒あざのようなものができたんだ」と述べた。
オーストラリアの喧嘩の際に、8~10錠のMDMAを飲んだとハードが主張したことについて聞かれ「いや、飲んでいないよ…だって死んでいたかもしれないからね」と答えた。
そして「アクアマン」の役を自力で獲得したというハードの主張に反論し、「ワーナー・ブラザーズの幹部3人と話をして契約を成立させた」と語った。「結局のところは彼女が映画の仕事を得たとしか言えません…それで、私は彼らの不安をある程度は抑えられたと思いました」と述べた。
6週間にわたる裁判は、27日(現地時間)に最終弁論が行われ、いよいよ大詰めを迎えている。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚した。
だがわずか1年3か月の結婚生活で、16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。