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映 画

「バッドボーイズ RIDE OR DIE」「朽ちないサクラ」「九十歳。何がめでたい」などのとっておき情報
(2023年7月1日10:00)
映画評論家・荒木久文氏が「バッドボーイズ RIDE OR DIE」「朽ちないサクラ」「九十歳。何がめでたい」「言えない秘密」のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、6月24日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 6月の最終週、よろしくお願いします。
荒木 最終週ですね。梅雨だし、ムシムシするしね。映画館に行くと空調がいいですよ・・・ね。
先週から公開の話題の映画、目白押しですので、いくつかご紹介します。
まず、ウィル・スミス&マーティン・ローレンス共演の、ベテラン刑事コンビによる大ヒットバディアクション「バッドボーイズ」のシリーズ第4弾です。「バッドボーイズ RIDE OR DIE」。日本でいうとこれは?…。
鈴木 あぶない刑事系ですよ。アメリカで言うところのマイアミバイスですよね。

荒木 おっしゃる通りです。まさにマイアミのタカ&ユージのね。
ちょっと決定的に違うのは、このコンビ、2人の性格が全く違う所なんですよね。ウィル・スミス&マーティン・ローレンス。ウィル・スミス演じるところの激情型でプレイボーイのマイクとマーティン・ローレンスのマーカス。彼は、陽気で家族思いですよね。 正反対の刑事コンビが活躍するんですが、共通点はともに正義感が強いところです。ふたりは付き合いも長く、けんかを繰り返しながらも熱い友情で結ばれています。
今回は、過去にふたりの上司だった警部の汚職疑惑が持ち上がり、ふたりは元上司の汚名を濯ぐべく、独自に捜査を始めるんですが…、なんと彼らにも麻薬カクテルとの癒着疑惑がかけられ、容疑者として警察からも敵組織からも追われる身となってしまうという・・・パターンなんですけどね。
鈴木 よくあるパターンですけど、それは一番盛り上がるパターンですよ。
荒木 ふたりはマイアミを離れて逃亡、命がけの戦いに身を投じていくということで、今回も超派手で手に汗握ります。さあ、容疑者にされたバッドボーイズのふたりは絶体絶命の危機をどう乗り越えるか?ということです。
鈴木 結局、乗り越えるわけでしょ? 映画だから。
荒木 そりゃ、そうですね(笑)。
鈴木 あはははは。

荒木 定番ではありますけど、ちゃんと見どころが用意されていて、いろいろなパロディも入っていますので、あぁこれはあのパロディとか。ダイちゃんの好きな48時間パロディもありだからね。楽しみにご覧ください。
次は日本の作品で、同じく公開中「朽ちないサクラ」というタイトルです。「朽ちない」は、崩れないとか、枯れないとか、壊れないという意味の朽ちないですね。「さくら」というのは今回場合は、警察のスラングで警察内のあるセクションを表す言葉なのだそうですよ。原作は「孤狼の血」シリーズの柚月裕子による警察ミステリー小説なんですが、これを杉咲花さんの主演で映画化されました。何となく、杉咲さんのイメージ、警察ミステリーとかの匂い、ないんですけど…。
杉咲さんは、県警の職員を演じます。親友の変死事件の謎を独自に調査する中で、事件の真相に迫っていくというものなんですけど、彼女の演じる主人公はいずみさんていうんです。県警の広報部員です。警察官ではないんですね、いわば一般事務局員です。ある日、県内の女子大生が男に殺害されます。この女子大生は、男から度重なるストーカー被害を受けていました。この女子大生は殺される前に警察に被害届を提出していたのですが、警察はそれを受け取らず、おまけにその間に慰安旅行に行ってワイワイ騒いでいたんですね。
鈴木 現実にありそうな話だよ。
荒木 警察はこの不始末、つまり隠していたことを地元新聞社のスクープ記事で明らかにされてしまうんですね。ところが、今度はその記事を書いたんじゃないかとされた女性新聞記者が変死体で発見されます。この新聞記者はいずみさんの親友だったんです。親友の変死に対しいずみさんは事務員さんですから、捜査する立場にないにも関わらず彼女を殺した犯人を自らの手で捕まえることを誓う…というお話です。
鈴木 流れ的には、一番面白いですよ。
荒木 そうですよね。警察組織の独自の論理っていうか、一般社会との認識の違いというか、一般人としての感覚で警察内部を見ていますので自然に入り込めます。最近は、例の鹿児島県警のことなんかもあるしね・・・。警察隠蔽体質なんかもばっちり描かれていて若い女性が主人公なんですが、イメージとしては骨太で重厚です。ミステリー好きな方は絶対おすすめです。
「朽ちないサクラ」。公開中の作品です。
もう一本、「九十歳。何がめでたい」という日本の新作です。作家・佐藤愛子さんはご存じですよね。
100歳を迎える作家ですけど、彼女の日々の暮らしと世の中への怒りや戸惑い、そういうものを独特のユーモアで綴ったベストセラーエッセイがあります。これが「九十歳。何がめでたい」です。
主演は、草笛光子さんです。ちょうど90歳になるんですね。90歳で映画単独初主演ということで、いきいきのびのびと演じています。お顔が全く違うのに原作者の佐藤愛子さんに見えてきちゃうというのが不思議です。
松竹の伝統的笑いのセンスが全編に活かされているような気がします。
友人が見に行ったんですけど面白かったと言っていました。自分も周りも年寄ばっかりだったそうです。

鈴木 あはははは。それで見たらいろいろ考えますよね。
荒木 そうなんですよ。いろいろ考えますよね。「九十歳。何がめでたい」公開中の作品です。
そして、もう1本。「言えない秘密」というタイトルです。秘密って言えないですよね。(笑)
鈴木 そうですよね。言えないから秘密なんだからね。
荒木 これは、今週金曜日 6月28日からの公開です。
アイドルグループ「SixTONES」の京本大我くんと女優の古川琴音さんが共演した絵に描いたような青春ラブ・ストーリーです。
物語から紹介します。海外でのピアノ留学から帰国して伝統ある音楽大学に編入した主人公・湊人君。
これが京本大我君なんですがある日、取り壊しが迫った大学の古い校舎の演奏室で、神秘的なピアノを奏でている古川琴音さんが演じる雪乃ちゃんという女子大生と出会います。
どこか謎めいた雰囲気のある雪乃さんなんですが、彼女が奏でていたのはこれまで耳にしたことのない美しい旋律だったんです。思わずその音色に魅せられ彼が彼女に曲名を尋ねても、彼女は「それは秘密」と答えるだけだったんです。昔のある出来事から思うようにピアノが弾けなくなっていた湊人くんでしたが、彼女と共に過ごすうちにトラウマがだんだん癒やされていきます。やがて2人で過ごす日々は愛おしくかけがえのないものになっていくんですが、突然、彼女は彼の前から姿を消してしまいます。というのが、ここまでが話せるストーリーです。
鈴木 それ以上は、ダメなんですか?
荒木 言えない秘密ですね。
鈴木 それは、見なさいということですね。
荒木 そうですね。2007年にアジアで大ヒットを記録した台湾映画「言えない秘密」をリメイクしたものなので、見た人は大体展開はわかると思うんですけど・・・。
京本君はもちろん映画単独初主演です。音楽大学が舞台で、メインはピアノなんです。だから、主人公たちも当然ピアノを弾かなきゃいけないんでピアノのシーンも多く、学生たちが腕を競う「ピアノバトル」のシーンもあり、これも見どころのひとつになっています。
鈴木 これ、手元だけピアニストの手とか…。
荒木 それもあるみたいですけど、京本君もピアノの猛特訓をしたようです、3カ月程。それも、7曲も弾かなきゃならない曲があって大変だったらしいです。
鈴木 3カ月、7曲ってそれ普通出来ないですよね。
荒木 問題のピアノ・バトルシーンは全部ではないんですけど、彼自身が弾いてるシーンも使われているようです。
鈴木 我々も、3カ月特訓したら出来るんですかね?
荒木 ピアノはどうだろう?特訓の次第にもよるんですけどね。3カ月じゃ出来ないでしょう。
鈴木 西田敏行さんに出てきてもらって、「もしもピアノが弾けたなら」を歌ってもらうしかないですよね。
荒木 あはははは。で、相手役の古川さん、売れっ子ですよね。今年だけでも6本の映画に出演しているそうです。ドラマやCMなどにも引っ張りだこで、この作品では彼女自身「自分の作品を観て初めて泣いた」と話すほどに感動したと言っています。京本君も撮影から半年以上も経ているのに見ていたら一気に役に引き戻されて、涙腺が崩壊してしたと言っています。SixTONESのファンだけに見せておくのはもったいないという感じの作品です。
主題歌は、そのSixTONESが歌っていますので、ファンにはこれ以上ない作品ですね。
「言えない秘密」というタイトルで今週金曜日、6月28日からの公開です。
鈴木 荒木さん ありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。