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ハリウッド特急便
ウィル・スミス、ビンタしたクリス・ロックにSNSで謝罪
(2022年3月29日12:30)
27日(現地時間)開催されたアカデミー賞授賞式で、プレゼンターのクリス・ロックにビンタをしたウィル・スミスが前代未聞の騒動から一夜明けた28日(現地時間)、自身のインスタグラムでクリスに謝罪した。スミスは騒動後主演男優賞を受賞してスピーチでアカデミーや候補者らには謝罪していたが、ロックに謝罪したのは初めて。
スミスは「どんな形であれ暴力は有害であり、破壊的です。昨夜のアカデミー賞での私の行為は受け入れがたいものであり、許しがたいものでした。私がジョークの対象になるのは仕事の一部ですが、ジェイダの病状に関するジョークは私には耐え難く、感情的に反応してしまいました」としたうえで「公に謝罪したいと思います、クリス。私は言い過ぎましたし、間違っていました。恥ずかしながら、私の行動は、私がなりたい男性像を示すものではありませんでした。愛と優しさのある世界に、暴力の場所は存在しません」とクリスに公式に謝罪した。
そして「また、アカデミー、ショーのプロデューサー、すべての出席者、そして世界中で見ているすべての人に謝りたいと思います。ウィリアムズ家と私のリチャード王一家に謝罪したいと思います。私の振る舞いが、私たち全員にとって、他にはない素晴らしい旅を汚してしまったことを、深く反省しています。私は未熟者です。心をこめて。ウィル」とつづった。
■スミスのクリス殴打事件の経緯
クリスはドキュメンタリー賞のプレゼンターとしてステージに上がり、ノミネートの名前を言う前に観客に向かってジョークを連発。その中でジェイダの坊主頭をネタにして「ジェイダ、早く『G.I.ジェーン2』を見たい」とジョークを言った。これに怒ったウィルはステージに歩み寄りロックの顔面をたたいた。ロックは、「『G.I.ジェーン』のことだよ」とあくまでギャグだと主張したが。自分の席の戻ったスミスはロックに「妻の名前を口に出すな!」と放送禁止用語をまじえて2度叫んだ。中継していたABCは一時放送を中断したが、他の国では放送が続き、その瞬間の映像や写真がインターネット上に拡散して世界中で波紋を広げる事態に。
ジェイダは以前から脱毛症と診断されたことを公表しており、抜け毛との闘いも公表している。ちなみに「G.I.ジェーン」は1997年の映画でデミ・ムーア演じる大尉が海軍特殊部隊の訓練に挑戦する物語で、デミが劇中でスキンヘッドになり話題を呼んだ。それを引き合いに出してジョークにしたのだが、脱毛症と闘病するジェイダをネタにしたのは明らかに不適切だったが、スミスの反応もクリスをたたき放送禁止用語を使うなど”暴走“となった。
■クリス・ロックは告訴を断った(米メディア)
アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは28日(現地時間)、「アカデミーは昨夜のスミス氏の行動を非難します。正式な調査を始めており、我々の規則や行動基準、カリフォルニア州法にのっとって、さらなる対応を検討する」との声明を発表した。一方、米メディアによると、ロス市警の広報担当者は、授賞式の平手打ちの件でクリス・ロックがウィル・スミスに対する告訴を断ったことを確認したという。