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ハリウッド特急便
第94回アカデミー賞、作品賞「コーダ あいのうた」、監督賞ジェーン・カンピオン、「ドライブ・マイ・カー」国際長編映画賞
(2022年3月28日14:50)
第94回アカデミー賞の授賞式が27日(日本時間28日)、ロサンゼルスで開催され、作品賞は「コーダ あいのうた」が受賞した。監督賞は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のジェーン・カンピオン監督、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」は国際長編映画賞を受賞した。
作品賞は有力視されていた「コーダ あいのうた」が受賞した。聴覚障害者の両親と兄を持つ健常者のヒロインが夢に向かって奮闘するドラマを描いて感動を呼んだ。父親を演じた自身も聴覚障害者のトロイ・コッツァ―が助演男優賞を受賞した。また、脚色賞(シアン・ヘダー監督)も受賞した。
監督賞は下馬評通り「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のジェーン・カンピオン監督が受賞した。
「ピアノレッスン」(1993年)で女性として初めて監督賞にノミネートされてから28年、キャスリン・ビグロー監督({ハートロッカー」2010年)、昨年のクロエ・ジャオ監督(「ノマドランド」)に続く3人目のオスカー女性監督となった。
■「ドライブ・マイ・カー」が長編国際映画賞
作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門にノミネートされていた濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」は国際長編映画賞のみの受賞となった。
名前を呼ばれて登壇した濱口監督は手にしたオスカー像に「あなたがオスカーですね」と語りかけてから「アカデミーの皆さんに感謝します」と感謝の言葉を述べ、「そしてここにいる俳優の西島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん」などと会場いる出演者全員の名前を挙げて「皆さんとりました。おめでとうございます」といってオスカー像のトロフィーを掲げて喜んだ。また、授賞式に出席できなかった三浦透子の名前もあげて授賞式に出席できなかった三浦透子の名前をあげて「赤いサーブ900を見事に運転してくれた三浦透子さん、とりました」と再びオスカー像を高く掲げた。
獲得したオスカー像は1つだけだったが、日本映画として初めて作品賞、脚色賞にノミネートされたことで、ハリウッドに大きな足跡を残した。
■ミラ・クニスがウクライナとの連帯を表明
出演に向けて話し合いがあったと報じられたウクライナのゼレンスキー大統領の出演はなかったが、夫の俳優アシュトン・カッチャーとウクライナ支援の350万ドル(約42憶円)の募金を集めたウクライナ出身女優ミラ・クニスが登壇して「昨今の世界情勢に多くの人々が衝撃を受けています。そのような状況の中でも勇気をもって立ち向かう人々の強さに感銘を受けます」などとスピーチし、舞台のスクリーンに、「映画は紛争の時代に私たちの人間性を表現する重要な手段である一方、現実にはウクライナの何百万もの家族が食糧、医療、清潔な水、緊急サービスを必要としています」などとウクライナとの連帯と支援を呼びかけるメッセージが映し出され、アカデミーの「#STANDWUTHUKRAINE」の姿勢を明らかにした。
■第94回アカデミー賞主要部門の受賞
【作品賞】
「コーダ あいのうた」
【監督賞】
ジェーン・カンピオン(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」)
【主演男優賞】
ウィル・スミス(「ドリームプラン」)
【主演女優賞】
ジェシカ・チャステイン(「タミー・フェイの瞳」)
【助演男優賞】
トロイ・コッツァー(「コーダ あいのうた」)
【助演女優賞】
アリアナ・デボーズ(「ウエスト・サイド・ストーリー」)
【脚本賞】
ケネス・ブラナー(「ベルファスト」)
【脚色賞】
シアン・ヘダー(「コーダ あいのうた」)
【国際長編映画賞】
「ドライブ・マイ・カー」(日本)