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ハリウッド特急便
米ISA授賞式で司会者がプーチン大統領に中指 クリステン・スチュワートも呼応 「ドライブ・マイ・カー」が国際映画賞
(2022年3月7日12:30)
インディペンデント系映画の賞として知られる米インディペンデント・スピリット賞の授賞式が6日(現地時間)開催され、司会を務めた俳優ニック・オファーマン(51)と妻で女優メーガン・ムラーリー(63)がウクライナ侵攻を強行するロシアのプーチン大統領に対して中指を立てて非難した。マギー・ギレンホール監督の「ロスト・ドーター」が作品賞、監督賞、脚本賞を受賞。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が国際映画賞を受賞した。
米サイト「TMZ」によると、オファーマンとムラーリは授賞式の冒頭でウクライナにいる全員に連帯のメッセージを送った。ムラーリは「私たちがここにいる皆を代表して、迅速かつ平和的な解決を願います。具体的には、"プーチン、失せろ、帰れ "です」と名指しして非難した。オファーマンは、「私たちは、プーチンが立ち去り、家に帰ることを願っています。そのために、みんなで一緒にプーチンにスピリット賞の敬礼をしましょう」と言い、カメラに向かって中指を立てた。ムラーリも中指を立て、客席にいたクリステン・スチュワートも同じポーズをしているところを生中継中のカメラに映し出された。また会場にいた関係者がツイッターに写真を投稿した。(下の写真)
filing this away for future use.#KStew #KristenStewart pic.twitter.com/vckZYAZWNR
— Ryan Adams 🎞️🏳️🌈🌻 (@filmystic) March 6, 2022
インディペンデント・スピリット賞 (Independent Spirit Awards) は、NPO団体であるFilm Independentによって開催されているインディペンデント系映画に対する賞。製作費2000万ドル(約23億円)以下の作品を対象にした映画賞。1984年に設立。アカデミー賞に強い影響を与えるといわれる。
授賞式を生中継するIFC(インデペンデント・フィルム・チャンネル)が“中指シーン”を放送したがオンラインの配信ではそのシーンはなかったという。同サイトは「それでも、ハリウッドがウクライナのことを第一に考えていることは、賞の季節が進むにつれて励みになります。数週間後にはアカデミー賞(3月27日)があり、そこでも取り上げられることは間違いないでしょう」と指摘した。
同賞の結果は「ロスト・ドーター」が作品賞、マギー・ギレンホールが監督賞、脚本賞を受賞した。主演男優賞は「レッド・ロケット」のサイモン・レックス、主演女優賞は「ゾラ」のテイラー・ペイジ、助演男優賞は「コーダ あいのうた」のトロイ・コッツァー、助演女優賞は「PASSING 白い黒人」のルース・ネッガが受賞。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が国際映画賞を受賞した。
授賞式にはプロデューサーの山本晃久氏が出席。通訳を伴って登壇し「監督の濱口竜介もここの場所に一緒に立ってこの賞を受け取りたかったと思います。私が代表して彼とスタッフ、キャストの感謝を述べたいと思います」としたうえで同作について「『ドライブ・マイ・カー』は大切な人を失い、長い道のりを通して人生を取り戻す、そういう魂たちの物語です。パンデミックや環境問題、憎むべき戦争、そういうなかで私たちはこの映画の主人公たちと同じように、長いトンネルの向こうに小さな光を見つけ、あまりにも長く続いた分断の傷を癒そうとしていると思います。改めてこの長い長い癒しの道のりを選んでいただきありがとうございました。フィルムインデペンデントが見出してきた偉大なアーテイストの列に加わることができ本当に感謝しています。アートがいつまでも私たちの魂の北極星であり続けることを願っています」とスピーチして大きな拍手を浴びた。