■主演女優賞はエマ・ストーンが獲得

主演女優賞は、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」のリリー・グラッドストーンが先住民の俳優として史上初の受賞か、それとも「哀れなるものたち」で異次元の演技を見せたエマ・ストーンかと注目されていた。下馬評ではグラッドストーンが有力との予想が多かったが、エマ・ストーが獲得した。「ラ・ラ・ランド」（16）に続く2度目の主演女優賞となった。「哀れなるものたち」は、美術賞、ヘアメイク＆ヘアスタイリング賞、衣装デザイン賞と「オッペンハイマー」に次ぐ4部門での受賞となった。

■日本映画「ゴジラ－0.1」「君たちはどう生きるか」が受賞

日本映画史上初の視覚効果賞を受賞した「ゴジラ－0.1」の山崎監督は、用意していた英文のメモを読み上げ「ハリウッドから非常に離れたところで、このステージに立つとは夢にも思いませんでした。ハリウッドが私たちの作品を観てくれている。誰にもチャンスがあるということの証しだと思います」などと述べた。そして一緒に登壇した、同作を最後に亡くなった阿部秀司プロデューサーの写真に「阿部さん、やりましたよ」と報告した。

宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」は長編アニメ映画賞を受賞した。第75回アカデミー賞の「千と千尋の神隠し」以来21年ぶり2度目のオスカー受賞となった。宮﨑監督ら関係者は授賞式に出席していなかった。

授賞式はWOWOW「生中継！題96回アカデミー賞授賞式」（午前7時～午後2時）で放送された。

■第96回アカデミー賞・主なノミネートと受賞（★＝受賞）

【作品賞】
「落下の解剖学」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」
「マエストロ:その音楽と愛と」
★「オッペンハイマー」
「パスト ライブス／再会」
「関心領域」
「アメリカン・フィクション」
「バービー」
「The Holdovers」
「哀れなるものたち」

【主演男優賞】
ブラッドリー・クーパー（マエストロ:その音楽と愛と）
コールマン・ドミンゴ（ラスティン：ワシントンの「あの日」を作った男）
★キリアン・マーフィ（オッペンハイマー）
ポール・ジアマッティ（The Holdovers）
ジェフリー・ライト(アメリカン・フィクション）

【主演女優賞】
アネット・ベニング（ナイアド～その決意は海を越える～）
リリー・グラッドストーン（キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン）
サンドラ・フラー（落下の解剖学）
キャリー・マリガン（マエストロ：その音楽と愛と）
★エマ・ストーン（哀れなるものたち）

【助演男優賞】
ロバート・デ・ニーロ（キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン）
★ロバート・ダウニー・Jr.（オッペンハイマー）
ライアン・ゴズリング（バービー）
マーク・ラファロ（哀れなるものたち）
スターリング・K・ブラウン（アメリカン・フィクション）

【助演女優賞】
エミリー・ブラント（オッペンハイマー）
ダニエル・ブルックス（カラーパープル）
アメリカ・フェレ―ラ（バービー）
ジョディ・フォスター (ナイアド～その決意は海を越える～)
★ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ（The Holdovers）

【監督賞】
ヨルゴス・ランティモス（哀れなるものたち）
★クリストファー・ノーラン（オッペンハイマー）
マーティン・スコセッシ（キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン）
ジョナサン・グレイザー（関心領域）
ジュスティーヌ・トリエ（落下の解剖学）

【脚本賞】
★「落下の解剖学 」
「The Holdovers」
「マエストロ:その音楽と愛と」
「May December」
「パスト ライブス／再会」

【脚色賞】
★「アメリカン・フィクション」
「バービー」
「オッペンハイマー」
「哀れなるものたち」
「関心領域」

【長編アニメ―ション賞】
★「君たちはどう生きるか」
「マイ・エレメント」
「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
「ニモーナ」
「ロボット ドリームズ」

【視覚効果賞】
★「ゴジラ－1.0」
「ザ・クリエーター／創造者」
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー：VOLUME3」
「ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE」
「ナポレオン」

【国際長編映画賞】
「PERFECT DAYS」（日本）
「Io Capitano」（イタリア）
「雪山の絆」（スペイン）
「The Teacher’sLounge」（ドイツ）
★「関心領域」（イギリス）