「パスト ライブス/再会」第39回インディペンデント・スピリット賞の作品賞&監督賞

(2024年2月26日21:20)

「パスト ライブス/再会」第39回インディペンデント・スピリット賞の作品賞&監督賞
作品賞のトロフィーを手にスピーチするセリーヌ・ソン監督とグレタ・リー(左端)らキャスト(Film IndependentのYouTubeチャンネルから)

インディペンデント映画を対象にした第 39 回インディペンデント・スピリット賞の授賞式が25日(日本時間26日)開催され、「パスト ライブス/再会」が作品賞と監督賞を W 受賞した。

米非営利団体 Film Independent 所属会員の投票によって決定する同賞では過去に、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン」や「ノマドランド」など、米国アカデミー賞®でも作品賞に輝いた数々の作品が受賞を果たしている。

登壇したセリーヌ・ソン監督は、「この作品について、この場で話せることをとても光栄に思います。作品の中でも描いているのですが、東洋の概念にイニョン(縁)というものがあり、現世で同じタイミングに同じ空間にいる相手とは、前世でも互いを知っていたということを意味します。この映画を作るにあたり、このステージに立つみんな(キャストとスタッフ)に対して同じことをずっと感じてきました。みんなも同様に思ってくれていたはずです」と映画のテーマとして描かれている「縁—イニョン—」に触れ、「今もこうしてチームを代表してこの作品賞を受け取っているわけですが、その共通の思いがあるので、いつも心強く、寂しさを感じたことがありませんでした。本当にありがとうございます」と語った。

今回受賞した作品賞の部門では、これまでに 69 ノミネート 13 受賞、また同じく監督賞については、40ミネート 11 受賞と驚異的な数字を記録している本作。初監督作品でありながら、監督自身の実体験を元に緻密で繊細なストーリー構成が幅広く評価されていることがわかる。ほかにも IndieWire 誌や Hollywood Reporter 誌、RollingStone 誌など複数の海外メディアがこぞって、<ベストムービー>に挙げ、映画レビューサイト・ロッテントマト 98%の高評価を獲得※するなど、世界中から絶賛と声があがっている本作。(※2023.10.3 時点)今回、改めてセリーヌ・ソン監督のフレッシュな才能と、再会の物語の美しさを世界にアピールする結果となった。今回の受賞を受け、日本時間 3 月 11 日に発表を控えるアカデミー賞で、唯一のラブストーリーとして作品賞、脚本賞(オリジナル)にノミネートされており、受賞への期待が高まっている。

「パスト ライブス/再会」第39回インディペンデント・スピリット賞の作品賞&監督賞
「パスト ライブス/再会」ポスタービジュアル

、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を生み出した米国 A24と、『パラサイト 半地下の家族』を配給した韓国 CJ ENM が初の共同製作で贈る注目作、『パスト ライブス/再会』は 4月 5 日(金)より、TOHO シネマズ 日比谷ほかにて全国公開される。

本作は、ソウルで初めて恋に落ちた幼なじみのふたりが、24 年後の 36 歳、NY で再会す る 7 日間を描くラブストーリー。物語のキーワードは「運命」の意味で使う韓国の言葉「縁—イニョン—」。見知らぬ人とすれ違った時、袖が偶然触れるのは、前世(PAST LIVES)で何かの“縁”があったから。久しぶりに顔を合わせたふたりは、NY の街を歩きながらこれまでの互いの人生について語り合い、過去自分たちが「選ばなかった道」に想いを馳せる。「もしもあの時、あなたとの未来を選んでいたら—」。この再会に、美しくも切ない結末が待ち受ける。

監督自身が 12 歳の時、家族と共にソウルからトロントへ移住し、その後ニューヨークに移った体験を元に執筆したオリジナル脚本で鮮烈な長編映画監督デビューを飾った。

【STORY】
ソウルに暮らす 12 歳の少女ノラと少年ヘソン。ふたりはお互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。12 年後 24 歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、オンラインで再会を果たし、お互いを想いながらもすれ違ってしまう。そして 12 年後の 36 歳、ノラは作家のアーサーと結婚していた。ヘソンはそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れる。24 年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の 7 日間。ふたりが選ぶ、運命とはーー。

【クレジット】
監督/脚本:セリーヌ・ソン
出演:グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ
2023 年/アメリカ・韓国/カラー/ビスタ/5.1ch/英語、韓国語/ 字幕翻訳:松浦美奈/原題:Past Lives/106 分/G
提供:ハピネットファントム・スタジオ、KDDI 配給:ハピネットファントム・スタジオ
Copyright 2022 © Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved
公式サイト:https://happinet-phantom.com/pastlives 公式 Twitter:@pastlives_jp
4 月 5 日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開

■第39回インディペンデント・スピリット賞(映画部門)
作品賞    「パスト ライブス/再会」
監督賞    セリーヌ・ソン(「パスト ライブス/再会」)
主演俳優賞  ジェフリー・ライト(アメリカン・フィクション」(原題:American Fiction)
助演俳優賞  デヴァイン・ジョイ・ランドルフ(「ホールドオーバーズ」(原題:The Holdovers)
外国映画賞  「落下の解剖学」(フランス)

インディペンデント・スピリット賞は、ハリウッドのメジャースタジオとは一線を画し、独立系資本で映画制作に携わる映画人たちを支援する目的で設立された非営利組織フィルム・インディペンデントが主催している映画賞。独立系作品が対象となり、その名の通り、インディペンデント・スピリットに溢れた映画人を称える精神が貫かれている。