第30回米SAG賞 「オッペンハイマー」が最多3冠 アカデミー賞を予言か

(2024年2月26日11:15)

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「オッペンハイマー」(日本版公式サイトから)

第30回SAG賞(全米映画俳優組合賞)が24日(現地時間)、ロサンゼルスで開催され、 第2次世界大戦で米国の原爆開発を主導して”原爆の父”といわれた米科学者の伝記映画「オッペンハイマー」が優秀キャスト賞、キリアン・マーフィーの主演男優賞、ロバート・ダウニーJrの助演男優賞と最多3冠を獲得した。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、SAG賞は事実上アカデミー賞(現地時間3月10日授賞式)を占う水晶玉のようなもので、その年にどの映画と俳優がアカデミー賞を受賞するかを占う最も信頼できるプレビューだという。

ノミネートでは「バービー」と「オッペンハイマー」は最多ノミネートのタイ(4部門)で並んでいたが、クリストファー・ノーラン監督の原爆スリラー映画が、「バービー」、「カラーパープル」、「アメリカン・フィクション」、「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」を抑えて、この夜の最高の栄誉である映画部門の優秀キャスト賞を含む3部門を受賞して、ショーを席巻した。米国では昨年7月に公開されて、同時期に公開された「バービー」と共に大ヒットした。日本では3月29日公開予定。
主演男優賞を受賞したマーフィーは受賞スピーチで「この賞は信じられないほど特別なもの」だと語り、自身の成功はキャストの仲間のおかげだと語った。アイルランド出身のマーフィーは、俳優の道に入ったきっかけが「落ちこぼれのミュージシャン」だったことを明かし、名誉ある賞を受賞できたことは信じられないほど謙虚な気持ちだと語った。また、クリストファー・ノーラン監督、妻と2人の息子たちにも感謝の言葉を述べた。
「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」のリリー・グラッドストーンは、先住民の俳優として初めて主演女優賞を受賞し歴史に名を刻んだ。

「バービー」のグレタ・ガーウィグ監督とマーゴット・ロビーがアカデミー賞監督賞と主演女優賞の候補から外れたことで物議をかもしていたが、SAG賞はその論争に決着をつけたという。土曜の夜にロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで開催された2024年SAG賞では、同じ業界の俳優たちが、ピンク色の元気な映画を完全に締め出したと同紙は報じた。

一方、TV部門は「BEEF/ビーフ」と「The Bear」(一流シェフのファミリーレストラン)が独占し、アリ・ウォン、スティーブ・ユエン、ジェレミー・アレン・ホワイト、アヨ・エデビリが演技賞を受賞した。

■第30回SAG賞・映画部門の受賞

優秀キャスト賞 「オッペンハイマー」
主演男優賞   キリアン・マーフィー(「オッペンハイマー」)
主演女優賞   リリー・グラッドストーン(「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」)
助演男優賞   ロバート・ダウニーJr(「オッペンハイマー」)
助演女優賞   デバイン・ジョイ・ランドルフ(「ホールドオーバーズ」)
スタント賞   「ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」

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