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カニエ・ウェスト、ジョージ・フロイドさんの遺族から370億円の損害賠償を請求される フロイドさんの死亡は「薬物の過剰摂取が原因」などとコメント
(2022年10 月19日19:10)
警官に首を膝で押さえつけられて死亡したジョージ・フロイドさんの幼い娘とその母親と弁護団は18日(現地時間)、ラッパーのカニエ・ウェスト(45)のフロイドさんの死に関する最近のコメントに対して名誉棄損などで2億5000万ドル(約370億円)の損害賠償を求めて彼提訴すると発表した。米メディアが報じた。
米サイト「TMZ」によると、フロイドさんの一人娘ジアンナさんの母親であるロキシー・ワシントンさんは18日(現地時間)、嫌がらせ、横領、名誉毀損、精神的苦痛の強要でカニエと彼のビジネスパートナーや関係者を提訴することを発表した。損害賠償として2億5000万ドルを要求している。
カニエは、ポッドキャスト「ドリンク・チャンプス」で、元警官デレク・ショーヴィンがフロイドさんの首を膝で押さえつけて死亡したのではなく、フロイドさんは麻酔用鎮痛剤フェンタニルの過剰摂取と持病で死亡したなどとコメントして大炎上しているという。
フロイドさんの家族の弁護士は、損害賠償を求めると同時にカニエが同様のコメントをすることを止めるよう求める文書をカニエに出したという。TMZが入手したその文書には、「フロイド氏の早過ぎて恐ろしい死の原因は、刑事裁判と民事裁判において、法廷に提出された証拠によって十分に立証されている」としたうえで「それにもかかわらず、あなたは悪意を持って不正確で根拠のない発言をし、フロイド氏の遺産とその家族に損害を与えている」などと記されているという。さらにカニエのポッドキャストでの発言や同様の発言をすべてインターネットから削除し、フロイドさんの名前を口にしないよう要求している。
フロイドさんの家族は、カニエの発言は「あからさまな虚偽で悪意がある」と非難し、カニエの発言によって娘のジアンナさんが再びトラウマになっていると明らかにし「彼女にとって危険で不健康な環境を作っている」と主張している。フロイドさんの遺族の弁護士はフロイドさんの弟のフィロニス・フロイドさんは17日(現地時間)、「カニエに対して法的措置を取ることを固く決意した」と語っていたという。
■ジョージ・フロイドさん事件
アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさん(当時46)は2020年5月25日(現地時間)、米ミネソタ州ミネアポリス近郊で、偽造紙幣20ドルを使用した容疑で拘束されたさいに白人警官デレク・ショーヴィンに両手を後ろに手錠をかけられ地面に倒され約9分間首を膝で押さえつけられ「息ができない」といいながら窒息死した。その時の様子を映した動画がネット上に拡散し、人種差別に抗議する「#BlackLivesMatter」(黒人の命も大切だ)のデモが全米に拡大し一部が暴徒化するなど波紋が広がった。
米ミネソタ州の裁判所で行われたショーヴィン被告の裁判で4月20日(現地時間)、陪審員は第2級殺人、第3級殺人、第2級過失致死の罪に対してすべて有罪の評決を下した。これを受けて検察は6月2日(現地時間)禁錮30年を求刑していた。ショーヴィンは第二級不作為殺人罪などで22年5か月の禁固刑を言い渡された。ミネアポリス市は、市やショーヴィン被告らに対して起こされた民事訴訟でフロイドさんの家族と2700万ドル(約29億4300万円)を支払うことで和解した。