第50回報知映画賞 「国宝」3冠 主演男優賞・吉沢亮「あの瞬間だけ歌舞伎俳優になれた」

(2025年12月16日9:15)

第50回報知映画賞 「国宝」3冠 主演男優賞・吉沢亮「あの瞬間だけ歌舞伎俳優になれた」
主演男優賞の吉沢亮(報知映画賞事務局の公式Xから)(@hochi_cinema)

第50回報知映画賞の表彰式が15日、都内で開催され、邦画実写歴代1位の記録的ヒットとなっている「国宝」(李相日監督)が作品賞・邦画、監督賞、主演男優賞の3冠を獲得。さらに新設のBS10プレミアム賞も受賞した。主演男優賞を受賞した吉沢亮は、歌舞伎の女形を演じるために1年半にわたって特訓を受けたことなどのエピソードを明かした。

「何度か歌舞伎を見たことがあるというぐらいの距離感だったので、どれくらい大変なのかというのは何もわからない状態で、ただただあこがれの李相日監督の作品というだけで飛び込んだ」という。
1年半という異例の長期間に渡って女形の所作などの特訓を受けた。「一つの役に1年半と考えるとすごく贅沢な時間だとも思ったんですけど、何百年と続く日本の伝統であり、実際の歌舞伎役者さんたちは子供のころから舞台に立って、何十年と芸に向き合いながら積み上げていくものを、たった1年半で習得するというのは不可能だなあと、やればやるほど気づく毎日」だったといい、「やるしかないという意地のようなものだけで飛び込んだ」と振り返った。
「そんな中で、監督をはじめ、スタッフの皆さん、キャストの皆さんに支えていただきながら」撮影が行われた。そして、「特にエキストラの皆さんですね。歌舞伎のシーンとかは、朝から晩まで2日間かけて一つの踊りを撮ってたりしていたので、エキストラの皆さんも大変だったと思うんですけど毎回新鮮なリアクションをしてくれた」という。「この作品に関わったすべての皆様のおかげで、ぼくはあの瞬間だけ歌舞伎役者になれたかなあという気がしますし、喜久雄として生きることができました」と”圧巻の歌舞伎シーン”の背景を明かし、「この賞も皆様とともにいただけた賞だと思っております」と監督、共演俳優、スタッフらに感謝した。

■監督賞・李相日監督「(海外で)一つ一つのデイテールのことを皆さん非常に称賛してくれる」

監督賞を受賞した李相日監督は、「監督として、この人と決めた以上は何があっても最後まで信じる。その信頼こそが、その人の力を引き出す一番大きな力になるんじゃないかと確信しています。同じように監督も周囲からの信頼によって立ち続けることができます」と信頼の重要性を明かした。
そして、トム・クルーズが「国宝」を絶賛しロサンゼルスで「国宝」の上映会を主催するなど海外でも反響を呼んでいることに、「最近ありがたいことに海外で観ていただく機会が多いんですけど、じかに声を聞くと、この映画の映画的要素、目に映るものであり、耳に入るもの、そして俳優の演技はもちろん、一つ一つのデイテールのことを皆さん非常に称賛してくれる」といい、「そういった全体的な日本映画の質というものがダイレクトに届いていることに非常に喜びを感じますし、これを一緒に信頼をつないで作ってくれた一人ひとりの皆さんに感謝を申し上げたい」と述べた。

「国宝」(上映中)は11月27日までの公開172日間で興行収入が173億7739万4500円を突破。歴代興収ランキング(興行通信社調べ)で「踊る大走査線 THE MOVIE レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03)の記録173億5000万円を超え、実写邦画の歴代1位になった。さらに、第98回米アカデミー賞の「国際長編映画賞」の日本代表に決定して11月21日(現地時間)に発表された同部門のノミネート候補(86本)の中に選ばれた。12月16日(同)のノミネート最終候補(15作品)の発表、そして来年1月22日(同)のノミネート(5本)発表、さらには来年3月15日(同)の授賞式に向けて期待が高まっている。映画賞のシーズンを迎え、国内外で「国宝」旋風はさらに加速しそうだ。

■主演女優賞・北川景子、助演女優賞・森田望智(「ナイトフラワー」)、新人賞・松谷鷹也(「栄光のバックホーム」)
「ナイトフラワー」(内田英治監督)の北川景子が主演女優賞、森田望智が助演女優賞を受賞した。
借金取りから逃げて2人の子供を抱え関西から東京へやってきて、ドラッグの密売に手を出す主人公・永島夏希を演じて「すっぴんと関西弁で、これまで見たことのない北川景子」と熱演を絶賛された。北川は「命を削って大切な家族や子供を守り抜くという役柄から、私も一人の人間として、また子供を持つ母親として励みをもらったなと思います」などと語った。森田は、夏希のボディガードを買って出る孤独な格闘家役で体重を10キロ近く増やして熱演した。

新人賞を受賞したのは「栄光のバックホーム」(秋山純監督)で、脳腫瘍のため28歳の若さで亡くなった阪神タイガースの横田慎太郎さんの生涯を演じた松谷鷹也。1988年の巨人ドラフト2位の松谷竜二郎の息子で、高校時代に大谷翔平と対戦したこともあるという。俳優として映画やドラマで活躍している。「皆さんが横田慎太郎さんの生き様を伝えたいと話し合って作っていただいて、僕は横田慎太郎さんとして存在することができた」と涙ながらに語った。
助演男優賞の佐藤二朗(「爆弾」)は新作映画の撮影のため欠席し、ビデオを寄せて「本当に行きたかったです。マジ感謝」なとと受賞を喜んだ。

■第50回報知映画賞
作品賞・邦画 「国宝」(李相日監督)
監督賞    李相日(「国宝」)
主演男優賞  吉沢亮(「国宝」)
主演女優賞  北川景子(「ナイトフラワー」)
助演男優賞  佐藤二朗(「爆弾」)
助演女優賞  森田望智(「ナイトフラワー」)
新人賞    松谷鷹也(「栄光のバックホーム」)
作品賞・海外作品 「エミリア・ペレス」
作品賞・アニメ  「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」
BS10プレミアム賞 「国宝」