水原一平容疑者、銀行詐欺容疑で訴追 大谷選手の口座から24.5億円以上を不正送金 最長30年の禁錮刑の可能性

(2024年4月12日19:45)

大谷翔平記者会見 水原氏が「僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していた」 水原氏の違法賭博への関与を全面否定
水原一平元通訳

米連邦検察は11日(現地時間)、大谷翔平選手の元通訳・水原一平容疑者を、大谷選手の口座から1600万ドル(約24億4800万円)以上を不正に送金したとして、銀行詐欺の疑いで訴追したことを発表した。水原容疑者の悪質な”横領の手口や、違法賭博へののめりこみなどが浮上して新たな波紋を広げている。一方、捜査当局は「大谷選手は被害者」と断定した。
連邦検察の担当検察官のエストラーダ検事が、日本時間の12日午前2時半すぎから記者会見を開いて発表した。

水原容疑者が大谷選手の口座から”盗んだ”額はこれまで報じられていた450万ドル(約6億7500万円)を大幅に上回る1600万ドル(約24億4800万円)に上っていたことが明らかにされた。

水原容疑者は2021年12月から今年1月までに、約1万9000回賭けて、平均の掛け金は約196万円で、最大賭け金は約2450万円だったという。勝った掛け金は約220億円で負けた掛け金は約280億円、損失は約62億円だったという。

違法賭博のオーナー、ボウヤー氏から、水原容疑者が電話に出ないので大谷選手に「どうしたら君と連絡できるか聞いてみることもできる」、などと”脅迫メール”が送られていたことも明らかにされた。

記者会見で米連邦検察のエストラーダ検事は、「大谷氏の金銭に独自のアクセスを持っていた水原は、その信頼関係を悪用した」としたうえで、「大谷氏の銀行口座から1600万ドル以上を横領して、それらは違法スポーツ賭博へのあくなき欲望を満たすためにやった」などと指摘した。また、「大谷選手の協力が、この捜査がこれほど早く終わった大きな要因だ」と明かし、大谷選手が水原容疑者の不正送金を承認した証拠はなく、「大谷選手は被害者だということを強調したい」と明らかにした。
水原容疑者は、2018年に大谷選手が米国の銀行に口座を開設するのを手伝っており、口座の詳細設定なども通訳していて「口座にアクセスできた」としている。さらに、大谷選手の会計者などほかのスタッフが大谷選手の口座にアクセスしないように、大谷選手の意向だと偽って伝えていたという。また、大谷選手になりなりすまして銀行に送金を指示したたことも複数回あったなど、大谷選手からの信頼を裏切る悪質な手口が明らかにされた。勝った掛け金は自分の口座に振り込むようにしていたという。

ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、水原容疑者が罪を認める方向で当局と交渉を進めていると報じた。日本時間の13日にもロサンゼルスの裁判所に出頭する見通しだという。銀行詐欺罪で有罪になると最長で30年の禁錮刑が科せられる可能性があるという。水原容疑者の裁判の行方が注目される。一方で、何らかの関与はなかったのかと疑う米メディアもあったなか、捜査当局が「大谷選手は被害者」と断定したことはファンや関係者にとって朗報だったといえそうだ。