カンヌ国際映画祭 役所広司に男優賞 坂元裕二氏に脚本賞 パルムドールは「アナトミー・オブ・ア・フォール」

(2023年5月28日10:00)

カンヌ国際映画祭 役所広司に男優賞 坂元裕二氏に脚本賞 パルムドールは「アナトミー・オブ・ア・フォール」
パルムドールのトロフィーを掲げるジュスティーヌ・トリエ監督と是枝監督、役所広司ら受賞者(公式サイトから)

第76回カンヌ国際映画祭の授賞式が27日(現地時間)、フランス・カンヌで行われ、役所広司が「パーフェクト・デイズ」(原題:Perfect Days)で男優賞を受賞した。日本人がカンヌ男優賞を受賞するのは「誰も知らない」(是枝裕和監督、2004年)の柳楽優弥(33)以来19年ぶり2人目。是枝裕和監督の「怪物」は、坂元裕二氏の脚本賞と独立賞のクイア・アルバム賞を受賞した。最高賞のパルムドールはフランスのジュスティーヌ・トリエ監督の「アナトミー・オブ・ア・フォール」が受賞した。

「パーフェクト・デイズ」は「パリ、テキサス」(1984年)でパルムドール、「ベルリン・天使の詩」(1987年)で監督賞を受賞したドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督(77)が東京で撮影した最新作。役所演じる渋谷の公共トイレの清掃員の日常を描いている。

役所は「僕は賞が大好きです。でもこのような華々しいカンヌ映画祭でスピーチするのはあまり好きじゃない」と笑わせ、「でも本当にカンヌ映画祭、そして審査員の皆さんありがとうございました。観てくださったお客さんも、ここにいらっしゃると思いますが、ありがとうございました」などと語り大きな拍手を浴びた。
役所は第50回カンヌ映画祭のパルムドールを受賞した今村昌平監督の「うなぎ」に主演して、今村監督の代理で受賞したことがあるが、今回は自身の賞で受賞となった。「パーフェクト・デイズ」の日本公開は未定だが、26日(現地時間)の公式上映で約10分間のスタンディングオベーションとなるなどカンヌでの高い評価と役所の男優賞受賞で日本での公開が決まるとみられる。

パルムドールを受賞したフランスのジュスティーヌ・トリエ監督の「アナトミー・オブ・ア・フォール」(原題:Anatomy of Fall)は、ザンンドラ・ヒュラー演じる夫の不審な転落死で起訴された女流作家のドラマを描いた法廷サスペンス。トリエ監督は、「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン、「TITAN/チタン」のジュリア・デュクルノーに続いて3人目の女性監督のパルムドー受賞となった。