是枝監督「怪物」カンヌ・コンペ部門に出品 2年連続 北野監督「首」は「カンヌ・プレミア」に出品

(2023年4月14日11:45)

是枝監督「怪物」カンヌ・コンペ部門に出品 2年連続 北野監督「首」は「カンヌ・プレミア」に出品
是枝裕和監督

是枝裕和監督(60)の最新作「怪物」(6月2日公開)が、5月に開催される第7回76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが13日、決まった。北野武監督(76)の6年ぶりの新作「首」は、2021年に新設された「カンヌ・プレミア」に日本人監督の作品として初めて出品されることが決まった。

是枝作品が、最高賞のパルムドールを競うカンヌのコンペ部門に選ばれるのは昨年の「べイビー・ブローカー」に続いて2年連続で、7回目。
韓国映画に初挑戦した「ベイビー・ブローカー」は主演の韓国俳優ソン・ガンホ(56)が最優秀男優賞を受賞した。また「万引き家族」(2018年)は第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。今回は2度目のパルムドールを狙う。

「怪物」は、子供たちのけんかが社会やメディアを巻き込んで大事件に発展していくという内容で、安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子らのキャスト。映画音楽は3月28日に71歳で亡くなった音楽家・坂本龍一さんが担当した。

是枝監督「怪物」カンヌ・コンペ部門に出品 2年連続 北野監督「首」は「カンヌ・プレミア」に出品
「怪物」(公式サイトから)

是枝監督は「是枝は韓国映画ではありますが昨年も参加していて流石に2年続けてはハードルが高いですよとスタッフには話していました。にもかかわらず、公開日が映画祭直後に決定してしまったので少々焦りました。ですから、コンペに決まったと連絡を頂いた時には嬉しいというよりはホッとしたという気持ちのほうが強かったです。映画はスタッフとキャストの一期一会の短い出会いと別れの間に命を授かります。その産声を初めて閑却の皆さんに聴いていただく場所として関羽映画祭は、やはり、最高の舞台だと思っています。残念ながらがかなわない皆さんの思いも胸に抱いて特別な場所を一緒に歩きたい」とコメントを発表した。

また、「万引き家族」に続いて是枝作品に出演した安藤サクラは是枝監督カンヌ国際映画祭出品おめでとうございます。こんなにも早くあの場所に戻れるとは思ってもいませんでした。また是枝組の一員としてみなさんと映画祭に参加できること、とてもとても嬉しいです。カンヌは幼い頃から憧れていた遠い遠い遠い憧れの地。なので今はまだ気持ちがふわふわしていて、少しお腹が痛いくらいです。でも、行けるとなれば目一杯楽しみます!いってきます!!」とのコメントを発表した。

コンペ部門には、「ベルリン・天使の詩」(1987年)で第40回カンヌ国際映画祭の監督賞を受賞したドイツの巨匠ヴィム・ベンダース監督(77)が、役所広司(67)を主演に東京・渋谷区の公共トイレを舞台に撮影した「パーフェクト・デイズ」(Perfect Days)が出品されることも決まった。

北野武監督の6年ぶりの新作「首」は、2021年に新設された「カンヌ・プレミア」に日本人監督として初めて出品される。北野監督は公式サイトで「カンヌには数回か行ってますが、熱狂的な歓迎を受けるのでうれしいです。またフランスのファンに会えるのが楽しみです」とコメントした。
「首」は北野監督が2019年に発表した初の歴史長編小説を映画化するもので、戦国時代を舞台に、織田信長、羽柴秀吉、明智光秀、徳川家康らを巻き込んだ「首」をめぐる斬新なストーリーで描く戦国ドラマ。北野監督作品は1993年に「ソナチネ」がある視点部門に選ばれ、99年の「菊次郎の夏」と10年の「アウトレイジ」がコンペ部門に出品された。