ジョニー・デップVSアンバー・ハードの裁判 デップの担当医が薬物依存症と治療について証言

(2022年4月14日16:15)

ジョニー・デップVSアンバー・ハードの裁判 デップの担当医が薬物依存症と治療について証言
ジョニー・デップ㊧とアンバー・ハード(インスタグラムから)

ジョニー・デップVSアンバー・ハードの名誉毀損裁判は14日(現地時間)、バージニア州フェアファックスの裁判所で行われ、依存症の専門家、デビッド・キッパー博士がデップの薬物依存症と治療について証言した。

米サイト「TooFab」によると、キッパー氏、2014年春にデップの治療を開始したと述べた。同医師によると、デップは薬物依存の治療と解毒の手助けを求めていた。当時、デップはアルコール、アヘン、向精神薬ベンゾジアゼピン、覚せい剤を使用していたが、アヘンが最も懸念されていたという。デップは歯の治療の後にオピオイド系鎮痛剤オキシコドンを服用し始め薬物依存症になったといわれる。
2014年6月、デップがバハマの自宅でデトックス(解毒)することが決まり、個人カウンセリング、心理療法、ハードとのカップルセラピーと合わせて行われた。デトックスは同年8月に始まり、キッパーの看護師の1人がデップのプライベート・アイランドでアシストした。

その看護師のメモの中に、デップが深夜にハードと喧嘩をして、「精神的にも肉体的にもデトックスに耐えられるかどうか疑問」と述べていたことが記録されていたという。キッパー氏はその時、デップが「肉体的に不快な思いをして」「もがき苦しんでいた」と回想した。

2014年9月の別の看護師のメモには、自宅に到着したとき、デップが「右手拳に擦り傷があり血がついていて、キッチンに座っているのを発見した」と書いている。さらに、「患者は喧嘩の後、キッチンのホワイトボードを殴った」としている。「ハードは彼が十分なサポートをしてくれないことに腹を立て、そこから喧嘩がエスカレートした」という。キッパー氏は自分では何も見ておらず、看護師から聞かされたものだとしている。デップとハードのセラピストは、2人が「相互虐待」をしていたと述べ、ハードの顔のあざを見たと証言したという。

看護師の別のメモには、デップの映画の撮影現場での出来事が書かれていた。「患者(デップ)は撮影を終え、非常に興奮した様子で撮影現場を後にした。患者は自分のトレーラーのドアを蹴り、監督と話すことを拒否しました」と記録されていたという。「患者は、明白な理由もなく、セットの別の人に口頭で攻撃的でした」としたうえで「興奮を抑えるためにザナックスを与えられた」と付け加えた。キッパー氏は、「デップ氏と監督の間に何らかの意見の相違があった」ことを思い出したと確認した。


■デップからのメールが法廷で読み上げられる「もう終わりだ。もうやめだ!!!」

2015年3月、キッパー氏はオーストラリアで「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」を撮影していたデップの様子を見に行った。看護師のメモには、医師が「クライアントから妻と口論になり、指を切ったというテキストメッセージを受け取った」と書かれており、そのメールの内容が法廷で読みあげられた。

「こんな風に生きることはできない。彼女はクリスマスのガチョウのようにクソまみれだ、もう終わりだ。もうやめだ!!! 悪意のある、悪魔的で執念深いc---(マ×コ)から解放されないという絶え間ない侮辱、卑下、軽蔑、最も心臓に悪い(理解不能な)!!!!!!! わかるかい?彼女の毒舌で卑劣な、果てしない教育的暴言よりもはるかに傷つくのは…彼女のひどくて意図的に傷つける暴言と、彼女が何よりも愛するはずの男に対する神々しいほどの衝撃的な扱いだ」などとつづっていた。
さらに「彼女の執着はもっと重要だ…彼女はとてもファッキングな野心家だ。彼女は成功と名声を得るために必死なんだ…それが私が買収された理由だろう」「彼女は悲しい老人を打ちのめした…私はとても悲しい…私は私の中指の先端を切断した。私は何をすべきか?もちろん病院に行くがそれ以外は。彼女と一緒に何かに飛び込むのはとても恥ずかしい.世の中なんて…」と吐露していた。

キッパー氏はメールの詳細を覚えていないが、指切断事件の後にデップから連絡があり、様子を見に行ったと証言した。
「デップ氏を家の外の車で見かけました。指の一部が欠けていた。彼が何を言ったかは覚えていないが、とてもはっきりした口調だったのは覚えている」と語った。また、その時のデップの様子を聞かれたキッパー氏は、「指の一部を取られたばかりの人のようだった」と付け加えた。「家はめちゃくちゃだった。床には物が落ちていた。床に物が散乱し、投げ捨てられた物もあった。「あの家では、物事が秩序づけられていなかった。壁には血が付着しているように見えた」という。

■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過

デップとハードは2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。
18年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラから醜い男にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップの名誉棄損裁判では、「サン」の記事は「おおむね事実」としてデップは敗訴し, 控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が2022年4月12日(現地時間)、米バージニア州フェアファックスの裁判所で開始。ハードは1億ドル(約125億円)を請求して反訴している。

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