米歌手デミ・ロヴァ―ト、「ノンバイナリー」を公表 代名詞を「They/Them」に変更

(2021年5月20日22:15)

歌手のデミ・ロヴァート(28)が19日(現地時間)、自身を男性にも女性にも当てはまらない「ノンバイナリー」と公表した。今後は自分を指す代名詞として性別を問わない「they」や「them」を使うという。

米サイト「TMZ」によると、デミはポッドキャスト「4D with Demi Lovato」で、ノンバイナリーだと明かした。その動画を自身のインスタグラムに投稿してその真意について明かした。

「今日は、私の人生をもっと皆さんと分かち合えることをとても嬉しく思います」とした上で「私は誇りを持って、自分がノンバイナリーであることを認め、今後は自分の代名詞を公式にthey/ themに変更ます💖」としている。
「これは、多くの癒しと自己反省の作業を通して分かったことです。私はまだ学んでいる最中であり、専門家や代弁者であるとは主張しません。私は専門家でも代弁者だとは主張しません」という。そして「このことを皆と共有することで私にとって別のレベルの弱さが生まれます。私は、愛する人と本当の自分を共有できていない人たちのためにこのことをしています。どうか自分の真実に生き続けてください。そして、私があなたにたくさんの愛を送っていることを分かってください」と訴えた。

デミは最近、ドラッグの過剰摂取で死にかけた2018年の騒動などを追跡したYouTubeのドキュメンタリー「Dancing with the Devil」の中で、メンタルヘルスと薬物依存症についての苦闘について公表した。このドキュメントは、性的なことや性別の流動性について初めて公に明かした作品でもあるという。

■コートニー・ストッデン「ノンバイナリー・コミュニティは大きな味方を得た」

最近ノンバイナリーを公表したモデルのコートニー・ストッデン(26)は、デミがカミングアウトしたことで、ノンバイナリーのコミュニティは大きな味方を得たと賞賛した。

LGBTQの若者のための自殺防止と危機介入機関であるTrevor Projectは、有色人種やトランスジェンダー、ノンバイナリーのLGBTQの若者は、同世代の若者に比べて自殺のリスクが高いという新しい全国調査結果を発表したという。米ABCニュースによると、調査対象となったLGBTの若者の42%が、昨年1年間だけで自殺を試みようと考えたと回答しており、その半数以上がトランスジェンダーとノンバイナリーの若者だったという。

コートニーは、デミのような有名人がノンバイナリーであることを公表することで、コミュニティが認められたと感じ、まだカミングアウトできずに悩んでいる人たちが、カミングアウトするだけの強さと自信を持つことができるとインスタグラムでコメントした。デミの決断が最終的には悩んでいる人たち自殺を防ぐことにつながると話している。