米映画専門誌「バラエティ」（電子版）によると、ディズニー、ワーナー・ブラザース、ユニバーサルはすでに今夏公開予定の映画を公開延期にしたのに続いて、３月３１日（現地時間）、ソニー・ピクチャーズは７月３１日公開予定だったスパイダーマンの敵のヴァンパイア人間モービウスを描く「モービウス」（上の予告編＝インスタグラムから）や７月１０日公開予定の「ゴーストバスターズ　アフターライフ」など大作映画の公開を秋以降に延期することを発表した。「モービウス」は２０２１年３月１９日、「ゴーストバスターズー」は２０２１年３月５日公開に延期するという。新型コロナウイルスのパンデミックがすぐに消えることは期待薄で、映画館は近い将来も閉鎖されたままになるという認識によるものだという。

「ソニーが映画の公開を延期したことはサマーシーズンに対する希望が終わったことを意味します。魔法のようなワクチンが６月に現れるなら別ですが、それは期待できないでしょう」とアナリストのジェフ・ボックは指摘した。新型コロナウイルスのワクチンの開発を進めている米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは３月３０日、新型コロナウイルス予防ワクチンの臨床試験を９月までに開始して来年初めにも使用できるようにすることを目指すと発表した。早くても来年初めということになる。

ディズニーでは５月１日公開予定の「ブラック・ウィドウ」の公開延期を決定。また５月２２日公開予定のユニバーサルの大ヒットシリーズの９作目「ワイルドスピード　ジェット・ブレイク」は来年４月に公開延期となった。６月１２日公開予定だったワーナーの「ワンダーウーマン １９８４」も公開延期となった。

米映画産業にとって夏の映画シーズンは最も興行収入が多い時期で、５月から８月までの４か月間の興行収入は年間興行収入の４０％を占め、毎年４０億ドル（約４３００億円）に上るという。