濱口竜介監督、ベネチア国際映画祭の銀獅子賞 3大映画祭&米アカデミー賞受賞は黒澤明監督以来の快挙

(2023年9月10日11:45)

濱口竜介監督、ベネチア国際映画祭の銀獅子賞 3大映画祭&米アカデミー賞受賞は黒澤明監督以来の快挙
銀熊賞を受賞した濱口竜介監督㊨と主演の大美賀均(ベネチア国際映画祭公式ツイッターから)

イタリアで開催されていた第80回ベネチア国際映画祭の授賞式が9日(現地時間)行われ、濱口竜介監督(44)の「悪は存在しない」が、最高賞に次ぐ銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した。

濱口監督は「偶然と創造」で2021年、第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員大賞)、「ドライブ・マイ・カー」で同年、第74回カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞しており、今回の受賞で世界3大映画祭のコンペティション部門を制覇した。また「ドライブ・マイ・カー」は昨年の米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞しており4つの映画賞を受賞するのは日本人では黒澤昭監督以来の快挙となった。

同作は、自然豊かな村を舞台に、レジャー施設の建設計画をめぐる地元住民の葛藤を描いた作品。昨年のアカデミー賞国際長編映画賞や、カンヌ映画祭の脚本賞などを受賞した濱口監督作品「ドライブ・マイ・カー」の音楽を担当した石橋英子さんから、ライブパフォーマンスのための映像制作を依頼されたことをきっかけで製作されたという。
4日(現地事件)に公式上映され、長いスタンディングオベーションとなり、濱口監督は「他の国とは違う平熱の高さをものすごく感じました。こんなにあったかい反応をいただけるとは想像していなかったので、本当にありがたい」などと語っていた。

同映画祭では、塚本晋也監督の「ほかげ」が、同映画祭の革新的な作品を集めたオリゾンティ・コンペティション部門のNETPAC賞を受賞した。