Plusalphatodayツイッター

「引っ越し大名!」 星野源と高畑充希が国替えの引っ越しで大奮闘

(2019年9月2日)

「引っ越し大名!」 星野源と高畑充希が藩の引っ越しで大奮闘
「引っ越し大名!」(新宿ピカデリー)

「超高速!参勤交代」シリーズでこれまでになかったユニークな視点で時代劇の新しいジャンルを作った土橋章宏原作の「引っ越し大名三千里」を原作に、星野源、高畑充希、高橋一生、及川光博、濱田岳、西村まさ彦、松重豊らのキャストで、「メゾン・ド・ヒミコ」「のぼうの城」などの犬童一心監督が映画化した。すべての藩士とその家族が全員で別の藩の城に引っ越すというけた外れの費用が掛かる国替えのプロジェクトをめぐるドラマが描かれる。

■ストーリー

藩主の松平直矩(及川光博)は、幕府に姫路から日田(大分)への国替えを命じられる。姫路城に住む藩士が丸ごと引っ越すという一大イベントを仕切る「引っ越し奉行」として、書庫に引きこもって本を読んでばかりいた“ひきこもり侍”の片桐春之助(星野)が任命される。辞退すれば切腹。失敗しても切腹という窮地に立たされた片桐は、幼馴染で武道の達人の鷹村源右衛門(高橋)や今は亡き前任の引っ越し奉行の娘・於蘭(高畑)の強力なサポートを得て1万人が600キロを移動する引っ越しに挑戦する。

■見どころ

星野と高畑のコンビぶりが絶妙で2人の奮闘がドラマを盛り上げている。引っ越し奉行という大役を命じられた “ひきこもり侍”春之助を星野が熱演。そして高畑は前任者の引っ越し奉行の父が残した膨大な資料を受け継いで春之助を助ける娘を好演。高橋一生らが脇を固め、笑いあり涙ありアクションありの時代劇エンターテインメントになっている。

登場する松平直矩は実在の大名で、原作は実際のエピソードを基にしているという。今では考えられない江戸時代の「国替え」の実態が詳しく描かれているところが興味深い。移住する藩士とその家族は1万人を超え費用は2万両(約15億円)に上るという国替えは参勤交代と並んで藩の経済を圧迫する難事業だったことがわかる。春之助も経費削減とリストラに大いに苦労する。国替えは全国の各藩をけん制し外様大名の勢力をそいで絶対服従を強いることにより徳川幕府の支配を強固なものにする制度だったようだ。
(2019年8月30日公開)