トラビス・スコット、コンサートで8人が死亡し多数の負傷者が出た事件で訴えられる

(2021年11月8日14:00)

トラビス・スコット、コンサートで8人が死亡し多数の負傷者が出た事件で訴えられる
トラビス・スコット(Insagram/@travisscott)

米テキサス州ヒューストンで5日(現地時間)に行われたラッパー、トラビス・スコット(29)のコンサートで観客がステージの前に殺到して8人が死亡数十人が負傷した事件で観客がスコットとイベントの主催者を「予測可能で予防可能な惨事」として損害賠償を求めて訴訟を起こしたことが分かった。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、NRGパークで開催されたスコットのライブの騒動で負傷したというマニュエル・ソウザさんは、スコット、プロモーターのライブ・ネーションとスコアモアが、5万人規模のイベントで安全よりも利益を優先させたと非難した。

米音楽誌「Billboar」が報じたところによると、ソウザさんの弁護士は、テキサス州ハリス郡地方裁判所に提出した書類の中で、「被告はコンサートを安全な方法で適切に計画・実施することができなかった。この訴訟は、今後予想される多くの訴訟の最初のもの」としている。

ソウザさんは、救急車が現場に駆けつけて数十人の負傷者を治療した後もショーを続行したと主張してスコットとプロモーターを非難した。「最終的には、ショーを続行するという被告の積極的な判断により、現場は完全な混乱状態に陥り、少なくとも8人が必要以上が死亡して、数十人が負傷した」としている。

訴訟では、ショーは最初から混乱していたと主張している。ファンがすでにチケットが完売したコンサートに入るために「パークのセキュリティゲートを突破し、敷地内に押し寄せ、互いに踏みつけあった」という。スコットのパフォーマンス中、ファンが群衆を前に押し出し、数十人が押しつぶされたという。死亡した1人は14歳だったという。主催者に少なくとも100万ドル(約1億Ⅰ400万円)の損害賠償を求めているという。

コンサートに参加していたノア・グティエレスさんも訴訟を起こし、大物市民権弁護士のベン・クランプ氏が弁護を担当しているという。クランプ弁護士は「人々が経験した恐怖と無力感、押しつぶされそうな群衆の恐怖と、助けようとして失敗し人々が死ぬのを見たというひどいトラウマについて、恐ろしい証言を聞いている」と述べた。白人警官にひざで首を押さえつけられ死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの遺族の弁護を担当したことで知られる同弁護士は、今後も追加の訴訟が提起されるだろうと述べているという。

スコットはテキサス州出身のラッパー。デビューアルバム「Rodeo](2015年)からのシングルカット、「Antidote」がヒット。2作目のアルバム「Birds in the Trap Sing McKnight」が初の全米1位を記録しシングル「Goodebump」がヒットした。3作目のアルバム「Astroworld」からの「Sico Mode」が初のシングル全米1位を記録した。私生活では2017年、カーダシアンファミリーの末娘でモデルのカイリー・ジェンナー(24)と交際を開始。2018年2月には、カイリーとの間に女児のストーミを授かる。今年9月、カイリーが第二子を妊娠したことを公表した。