アレック・ボールドウィン、銃の安全性に関するルールを無視していた 刑事責任の可能性浮上

(2021年10月24日21:15)

アレック・ボールドウィン、銃の安全性に関するルールを無視していた 刑事責任の可能性浮上
アレック・ボールドウィン (Instagram/@alecbaldwininsta)

アレック・ボールドウィン(63)の銃誤射死傷事件でハリウッドの法律専門家が、ボールドウィンは銃の安全性に関するルールを無視していたと指摘した。ボールドウィンは同作に主演しただけでなく製作総指揮を務めていたことから、法的責任を問われる可能性も浮上している。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、米ニューメキシコ州サンタフェの「ラスト」の撮影現場で、ボールドウィンが発射した小道具の銃で、撮影監督のハリナ・ハッチンスさん(42)が死亡し、ジョエル・ソウザ監督(48)が負傷した事件で、銃に実弾が装てんされていた。経験の浅い兵器担当の女性のミスが指摘されている。また助監督が銃をチェックせずに「安全な銃」といってボールドウィンに渡したとされている。

そうしたなか、ボールドウィンが、たとえ銃が安全なものだったと信じていたとしても、他の人間に銃を向けるべきではなかったとハリウッドの法律専門家が指摘した。さらにボールドウィンは引き金を引いた人物として、また撮影現場の安全に責任を持つエグゼクティブ・プロデューサー(製作総指揮)として、刑事責任を問われる可能性を含め、様々な法的問題に直面することになる可能性があるという。

アレック・ボールドウィン、銃の安全性に関するルールを無視していた 刑事責任の可能性浮上
死亡した撮影監督ハリナ・ハッチンスさん㊧と負傷したジョエル・ソウザ監督 (Instagram/@halynahutchins /@#joelsouza)

ハリウッドの銃器コンサルタントであるブライアン・カーペンター氏は、ボールドウィンが銃を扱う上で最も重要なルールを破ったと指摘した。「弾が入っていようがいまいが、武器を他人に向けてはいけない」という。安全のために、テレビや映画の撮影で使用される小道具の銃はすべて、通常キャストやクルーには向けずダミーのポイントに向けられるという。
「数多くのテレビや映画の撮影現場で仕事をしてきましたが、すべての銃には常に弾が入っています。たとえ実弾が装填されていなくても、装填されているかのように扱うのです」という。

元映画監督で、元米国ナショナル・シューティング・チームのピーター・レイク氏は、ボールドウィンの責任を指摘した。「すべての責任はアレック・ボールドウィンにある」と指摘した。

助監督のデイブ・ホールズ氏は、銃器に実弾が入っていることを知らず、ボールドウィンに渡す際に「コールドガン」(空砲の銃)と告げていたとされている。それでも、ボールドウィンは過失致死を含む重大な法的問題に直面する可能性があると、ロサンゼルスの弁護士ジョセフ・コスタ氏は指摘した。「ボールドウィンはエグゼクティブ・プロデューサーとして、クルーを支配する立場にあり、刑事事件として訴追される可能性があります」と語った。

元検察官でニューメキシコ州の刑事弁護士アーリンダ・ジョンソン氏は、ボールドウィンは非自発的過失致死の刑事責任を負う可能性があると指摘。「州が証明する必要があるのは、彼が合法的だが危険な行為に従事しており、十分な注意を払って行動しなかったということだ」とした上で、立件されれば「第4級の重罪で最高刑は1年半の禁錮刑」と指摘した。 ボールドウィンは、助監督から安全な銃といわれて銃を渡されていたが、ジョンソン弁護士は、「その場合でも彼は銃を扱っていたので、実弾が入っていないことを確認する義務がありました」という。

小道具の銃を用意した経験の浅い武器担当のハンナ・グティエレス・リードさん(24)、ボールドウィンに「安全な銃」と言って渡した助監督のデイブ・ホールズ氏、そして銃を発射した人物でこの映画の製作総指揮のボールドウィンの3人が今後の捜査の焦点になりそうだ。