マライア・キャリー、回顧録を名誉棄損で訴えた兄に反論「問題を抱えた若者を励ますもので兄を中傷するものではない」

(2021年6月1日15:00)

マライア・キャリー(51)の回顧録の中で暴力的な兄と描かれたとして兄モーガン・キャリー(61)が名誉棄損でマライアを訴えた裁判で、マライアは「問題を抱えた若者を鼓舞するためのもので、兄を中傷するものではない」などと反論した。

(マライアの回顧録=インスタグラムから)

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、マライアの兄モーガン・キャリーは3月、マライアが著書「Meaning of Mariah Carey」(マライア・キャリーの意味)の中で、兄が暴力的であったと虚偽の描写をして名誉を傷つけられたとして訴えた。

これに対してマライアは5月28日(現地時間)、マンハッタン最高裁判所に提出した書類で、逆境を克服した彼女個人のメッセージを綴ったこの本が公共の利益にかなうものであることなど、多くの理由からモーガンの訴えは棄却されるべきだと主張したという。
モーガンが名誉毀損を証明するためには、より高い法的基準が要求され、この訴訟はその基準を満たしていないと主張している。マライアは、自分の話が公共の利益になるのは、同じように困難な生い立ちに直面している若い人たちを励ますものだからだと主張している。

マライアの弁護士は「機能不全で時には暴力的な家庭環境からはい上がってきたキャリー氏の物語は公共的価値が高く、特に、同じように過酷で気が滅入るような状況に置かれていることに気付き、夢に向かって自分の才能を発揮しようとする若者にとって有益である」と主張している。

モーガンは、彼に言及した多くの文章を取り上げ、それらは 「単なるゴシップで不愉快な興味をそそるもの」と主張。実際には2002年に亡くなった父親が虐待をしていたにもかかわらず、父親に暴力を振るっていたように描かれていると主張している。「暴力は完全に一方的なもので、原告は(父親の)誤った怒りの受け手となっていた」としている。モーガンは、この本で個人的にもキャリアにおいても評判を落とし、交渉中だった映画プロジェクトを失うことになったと主張している。

マライアの回顧録は昨年9月に出版されて、人種差別の被害を受けたことや、米音楽界の大御所の元夫トミー・モトーラによるモラハラや、兄による暴力や姉による虐待など壮絶な子ども時代を綴って反響を呼んだ。同著のオーディオブックがチャート1位になったときにインスタグラムに同著の写真を投稿して「この回顧録を書くことは、この3年間、私の人生をほぼ独占していました。私の物語を読むために時間を割いて、この不可能な夢を現実にしてくれた皆さんに感謝します😇🦋このような経験をして生きてきたことで、ほとんどのことに我慢できるようになりました!(笑い)」などとコメントしていた。「(上のインスタグラム)
2月には、マライアの姉アリソン・キャリー(59)も、この回顧録をめぐって訴訟を起こして係争中だという。兄と姉VSマライアの名誉棄損裁判の行方が注目される。