トム・ハンクス「映画館はコロナ禍を必ず生き残る」 新作主演映画「News of the World」公開

(2020年12月27日12:50)

新作の主演映画「News of the World」が25日(現地時間)、米国で公開になったトム・ハンクス(64)が、映画館が新型コロナ感染のパンデミックを生き延びることに疑いの余地はないなどとコロナ禍の映画館と映画の配信サービスについて語った。

米誌「Variety」(電子版)によると、ハンクスは米エンタメサイト「Collider」のインタビューで新作の主演映画「News of the World」について語り、さらに今年が映画館ビジネスに与えた影響やその後の多くの映画のストリーミングサービスでの公開へのシフトについて語った。

「とにかく、大きな変化が起きていた」とハンクス。ストリーミング サービスの登場により、視聴者が自宅で快適に映画を鑑賞できるようになったことに言及した。「映画館はまだ存在するのでしょうか?間違いなく存続するでしょう。映画館が立ち上がってオープンすれば、出展者はどんな映画を上映するかを自由に選べるようになると思います」と指摘した。映画館がマーベル・ユニバースのような大規模な予算のフランチャイズのための公開の選択肢になると信じているという。
「ビッグイベントの映画が映画館を支配することになるでしょう」とハンクス。「コロナ対策の自主隔離で、『News of the World』が、どこかの大きなスクリーンで上映される最後の大人向けの映画になるかもしれませんが、この後、再び人々が映画館に訪れることを保証するために、マーベル・ユニバースやあらゆる種類のフランチャイズ映画があります」という。

ワーナー・ブラザースが3日(現地時間)、「デューン」や「マトリックス4」を含む2021年の全作品を映画館だけでなく、HBOマックスで同時配信すると発表したことで映画業界に波紋が広がった。「TENET テネット」のクリストファー・ノーラン監督をはじめ多くの監督や映画館のオーナーはこの決定を批判している。「DUNE/デューン 砂の惑星」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は「Variety」誌のエッセイで「大スクリーンでの映画公開は単なるビジネスではなく、人と人とを結びつけ、人間性を称え、お互いの共感を高める芸術なのです」と書いている。コロナ禍の映画公開をめぐる論争はまだまだ続きそうだ。

ハンクスは3月にコロナ検査で陽性反応が出たことを公にした最初のセレブだった。ハンクスと妻の女優リタ・ウィルソンはオーストラリア訪問中に夫婦でコロナに感染して現地で入院していたが、回復してロサンゼルスに戻り、仕事に復帰した。

「News of the World」(12月25日全米公開)は、作家ポーレット・ジルズの同名小説をポール・グリーングラス監督・脚本で映画化したもので、南北戦争の終結から5年後を舞台に、町を転々としながらニュースを人々に読み伝える仕事をしている元兵士ジェファーソン・カイル・キッド(トム・ハンクス)が、テキサス州の平原で、幼少のときに先住民族にさらわれて育てられた10歳の少女ヨハンナ(エリザベス・マーヴェル)と出会い、彼女の親戚に送り届ける旅に出るという内容。日本公開は未定。