-
芸能NewsEye
ジャニーズ事務所、「NGリスト」問題で調査結果発表 コンサル会社「指名しないではなく要注意」
(2023年10月11日14:45)
2日に行われたジャニーズ事務所の記者会見で「NGリスト」が作成された問題で、同事務所は10日、公式サイトで調査結果を発表した。同リストを作成したコンサルタント会社は「指名しないではなくあくまで『要注意』であり発言順序を留意する必要がある」と説明したなどとしている。
公式サイトでは、9月7日に藤島ジュリー景子前社長や東山紀之新社長、井ノ原快彦氏が出席し、ジャニー氏の性加害を認めて謝罪し、被害者への救済・補償問題について報告した記者会見で「一部の記者が、司会者による指名を無視して会見会場で大声で質問をする、ヤジを飛ばす、不規則発言を繰り返す等の無秩序な言動を繰り返していた」と指摘し、「ジャニーズ事務所としても、次回の会見においては、会見を秩序立って進行させ再発防止策等についての説明時間を十分に確保したいという意向であった」と説明した。
9月30日に会見に向けた打合せが行われ、FTI側は、進行台本を参加者に配布して、当日の段取りを説明。この説明に関し、複数の打合せ参加者から、「不規則発言を繰り返す記者、司会者の指示に従わない記者については、どのように対応するのか」旨の質問があったという。
これに対し、FTIは、追加資料として、「10月2日記者会見質疑応答」と題する記者の所属及び氏名を記載したリストを急きょ一部の参加者に対してのみ配布。この資料には、「指名候補記者リスト」及び「指名NG記者リスト」との記載があり、それぞれの下に記者の所属及び氏名が記載されていた。この記載を見た井ノ原氏から「NGって何ですか、当てないとだめですよ」旨の発言があった。
これに対し、FTIの担当者から、「『指名しない』という意味であるという説明はなく、『NG』というのは、あくまで『要注意』であり発言順序を留意する必要があるという意味であるという趣旨の説明があった」としている。また他の会議参加者からも、「指名NG記者リスト」に記載されている記者等であっても指名して質問に答えるべきであるという指摘が相次いだという。
「写真なし記者リストで「NG」とされている記者についても時間の許す範囲できちんと指名して質問に対応しなければならないという点について、その場で異論は出ず、当該方針が了承された」としている。
FTI担当者は、「氏名候補記者」及び「氏名NG記者」と記載があり、各記者の顔写真が入っているバージョンの氏名リストを10月2日記者会見当日の朝10時40分頃に作成して記者会見の運営に関わる各方面に共有したという。
9月30日の打ち合わせにおいて、ジャニーズ事務所等から、明示的に、「指名NG記者リスト」に記載されている記者も指名するようにという指示が出ていたにもかかわらず、10月2日記者会見当日にFTI担当者が写真あり指名リストを作成して共有したことについて、当該担当者は、「司会に指名させないという意図ではなく、この日の会見のテーマに関係する質問から先に受け付ける趣旨で作った資料であり、この資料の表記がジャニーズ事務所らからの「指名するように」との指示に反しているという意識がなかった」と説明したという。
また、担当者は、「資料の記載上「氏名NG」という文言になっているのは、深く考えず安易にそのような本来の意図とは異なって解されてしまう用語を用いてしまった」と説明しているという。
「写真あり指名リストは、記者会見の直前に会場で、FTI担当者にて、ジャニーズ事務所や西村あさひ(ジャニーズ事務所担当の弁護士事務所)の了解をとらないまま、独断で作成して共有したものであった。このように、ジャニーズ事務所も西村あさひも、写真あり指名リストの作成・共有などには一切関与していない」と改めて{NGリスト」への関与を否定した。
そして「会見当日に司会者を務めた者がステートメントを公表しているとおり、司会者は会見当日、写真あり指名リストにおいて「氏名NG記者」とされている記者にも指名して発言させている。会見当日、写真あり指名リストにおいて「氏名候補記者」及び「氏名NG記者」とされている記者のいずれについても、約5割を指名している。つまり、当該リスト上で「氏名候補」とされているか「氏名NG」とされているかに関わらず均等な割合で指名している」と説明した。
また、「写真あり指名リスト上で「氏名NG記者」とされている記者については、不規則発言を伴う質問を含めて、ジャニーズ事務所側は複数の質問に回答している」とした。
「Arc Timesの記者尾形聡彦氏による不規則発言での当初質問に対して、ジャニーズ事務所側が既に回答していたところ、尾形氏が不規則発言を繰り返しながら追加質問を行ったが、東山氏と木目田弁護士の判断で、司会者に対して、尾形氏の2問目の質問にも回答する旨を話して、東山氏において、尾形氏の追加質問にも回答している」としている。
以上がジャニーズ事務所が発表した「NGリストの外部流出事案に関する事実調査について」の概要だが、「『氏名NG』という文言になっているのは、深く考えず安易にそのような本来の意図とは異なって解されてしまう用語を用いてしまった」というのは、重大な社会問題になっている性加害問題について、加害者側が説明責任を果たさなければならない記者会見で、あまりにも軽率で杜撰。コンサル会社のスタッフが「NGリスト」と書かれた書類が記者席から見えるように脇に抱えて会場内を持ち歩いたというのも前代未聞。
また、「『NG』というのは、あくまで『要注意』であり発言順序を留意する必要がある」という説明も、特定の記者を「要注意」としてマークし、「発言順序を留意」するなど会見をコントロールしようとする事には変わりないのではないだろうか。
「ジャニーズ性加害当事者の会」は8日、「十分な質疑応答を行うべき」などとして記者会見のやり直しを要望している。