第77回カンヌ国際映画祭 審査員に是枝裕和監督 公式ポスターに黒澤明監督の「八月の狂詩曲」

(2024年4月30日10:30)

第77回カンヌ国際映画祭 審査員に是枝裕和監督 公式ポスターに黒澤明監督の「八月の狂詩曲」
審査員長のグレタ・ガーウィグ監督(中央)と是枝裕和監督(左下)ら審査員(カンヌ映画祭の公式サイトから)

5月に開催される第77回カンヌ国際映画祭の事務局は29日、コンペティション部門の審査員として日本の是枝裕和監督ら9人を選出したと発表した。 日本人の審査員は2013年の河瀬直美監督以来11年ぶり。 審査員長は「バービー」のグレタ・ガーウィグ監督が務める。また、公式ポスターに黒澤明監督の「八月の狂詩曲」の一場面が採用された。

同映画祭は公式サイトで、グレタ・ガーウィグが審査員長を務める第77回カンヌ国際映画祭の審査員は、トルコ人脚本家・写真家のエブル・セイラン、アメリカ人女優のリリー・グラッドストーン、フランス人女優のエヴァ・グリーン、レバノン人監督・脚本家のナディーン・ラバキ、スペイン人監督・プロデューサー・脚本家のフアン・アントニオ・バヨナ、イタリア人俳優のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、日本人監督の是枝裕和、フランス人俳優・プロデューサーのオマール・シーで構成される、と発表した。

審査員は、2023年にルーベン・エストルンド審査員長によって発表されたジュスティーヌ・トリエ監督の「落下の解剖学」(原題:Anatomy of a Fall)に続き、コンペティション部門に出品された22作品の中から1作品にパルムドールを授与する栄誉を得る。受賞者は、5月25日(現地時間)のクロージングセレモニーで発表される。

是枝監督は、2018年に「万引き家族」で最高賞「パルムドール」を受賞。22年には自身初の韓国映画「ベイビー・ブローカー」のソン・ガンホが最優秀男優賞、23年に「怪物」が脚本賞を受賞している。

第77回カンヌ国際映画祭 審査員に是枝裕和監督 公式ポスターに黒澤明監督の「八月の狂詩曲」
第77回カンヌ国際映画祭の公式ポスター(© Shochiku Co., Ltd. – Rhapsody in August by Akira Kurosawa (1991) / Graphic creation © Hartland Villa)

今回は、パルムドールを競うコンペティション部門に日本人監督の作品は出品されていないが、山中瑶子監督、河合優実主演の映画「ナミビアの砂漠」が監督週間に、奥山大史監督&池松壮亮出演「ぼくのお日さま」がある視点部門に出品される。

また、映画祭の公式ポスターに黒澤明監督の映画「八月の狂詩曲」の一場面が採用された。
公式サイトでは、「詩的な美しさ、催眠術のような魔力、そして映画の単純さが、この『八月の狂詩曲』のワンシーンに現れている。1991年にカンヌ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品されたこの作品では、1945年8月9日に長崎で被爆した祖母が、戦争に対する防波堤としての愛と誠実さへの信念を、優しさと思索を込めて孫とアメリカ人の甥に伝えている。本作は、団結することの大切さ、すべての物事に調和を求めることの大切さを思い出させてくれる。」などと紹介した。 第77回カンヌ国際映画祭は5月14日(現地時間)に開幕する。