奥山大史監督&池松壮亮出演「ぼくのお日さま」 第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品

(2024年4月12日12:45)

奥山大史監督&池松壮亮出演「ぼくのお日さま」 第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品
「ぼくのお日さま」の場面写真(左から中西希亜良、越山敬達、池松壮亮)

第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新⼈監督賞を受賞した奥⼭⼤史監督(28)の商業映画デビュー作で、池松壮亮(33)が出演する「ぼくのお⽇さま」が9月に公開されることが決まリ、場面写真や予告編が公開された。また、5月に開催される第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品されることが決まった。

監督の奥⼭は、⼤学在学中に制作した⻑編初監督作 『僕はイエス様が嫌い』(2019)で、史上最年少となる 22 歳で、歴史ある第 66 回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新⼈監督賞を受賞。是枝裕和監督、岩井俊⼆監督らにも⼀⽬置かれ、是枝裕和総合演出の Netflix シリー ズ「舞妓さんちのまかないさん」で 5、6、7 話の監督・脚本・編集(5 話は是枝監督と の共同監督回)を務めたほか、3⽉4 ⽇放送開始の NHK 夜ドラ「ユーミンスト ーリーズ」では、第 3 週「春よ、来い」(主演:宮﨑あおい)の演出を担当する。
本作は⻑編 2 本⽬で、商業デビュー作となるが、すでに世界各国の国際映画祭ディレクターから新作を期待される、次世代の映画界を担う期待の新鋭監督。

映画『ぼくのお⽇さま』は、雪の降る街を舞台に、吃⾳をもつホッケー少年のタクヤと、フュギュアスケー トを学ぶ少⼥さくら、そして元フィギュアスケート選⼿でさくらのコーチ荒川の 3 ⼈の 視点で紡がれる物語。
奥⼭が⼦供の頃に約 7 年間フィギュアスケートを習っていた経験から、「雪が降り始 めてから雪が解けるまでの少年の成⻑を描きたい」と本企画をスタートした。
プロットを考 える中で、ハンバート ハンバートの楽曲「ぼくのお⽇さま」と出会い、その歌詞を聞いた途端「主⼈公の少年の姿が はっきり浮かび、物語がするすると動きだした」という。

奥山大史監督&池松壮亮出演「ぼくのお日さま」 第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品
奥山大史監督&池松壮亮出演「ぼくのお日さま」 第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品

⼀⽅、本企画をスタートさせる前後に、奥⼭が総監督を務 めた「エルメス(HERMÈS)」のドキュメンタリーフィルム「HUMAN ODYSSEY ―それは、創造を巡る旅。―」 で池松壮亮と撮影を共にしたことで、池松の佇まいに魅せられ、この物語に⼤⼈の⽬線を加えたいと思ったことから 「夢に敗れた元フィギュアスケート選⼿のコーチ」という池松が演じたキャラクターが作られた。
奥⼭が、ハンバート ハンバートの楽曲「ぼくのお⽇さま」と、池松壮亮と出会ったことから、あたたかくて懐かし くて、でもいままでに誰も観たことがない“新しい”⽇本映画が⽣まれた。楽曲「ぼくのお⽇さま」は、ハンバート ハンバートが 2014 年に発表したアルバム「むかしぼくはみじめだった」に収録されている。これまで主題歌オファ ーがあっても断ってきたほど⼤切な楽曲だったが、奥⼭からの⼿紙を読んで、オファーを快諾したという。

本作の主人公で、すこしばかり吃音をもつホッケーが苦手な少年のタクヤ役に抜擢されたのは、本作が映画主演デビューとなる越山敬達。ドラマ『天狗の台所』(23)にメインキャストとして初出演し、アーティスト・演劇集団の EBiDAN(恵比寿学園男子部)の研究生「EBiDAN NEXT」としても活躍する、フレッシュな才能溢れる 14 歳。スケートは 4 歳から経験があったが、劇中で披露するアイスホッケーとアイスダンスは初めて挑戦したという越山。ホッケーはスケートと靴が違い、アイスダンスも音楽に合わせ多種の滑走を伴うが、もちまえの運動神経で、どちらも習得に必要とされる時間の半分以下の日数で習得した。

そして、フュギュアスケートを学ぶ少女・さくら役には、本作が演技デビューとなり、フランス語、英語も堪能のマルチリンガルでもある12 歳の中⻄希亜良。演技は本作が初めてだが、4 歳から現在までフィギュアスケートを習い、シングルの他に、アイスダンスでは全日本フィギュアスケートノービス選手権大会にも出場経験があるフィギュア上級者。本作出演のきっかけは、キャスト募集を知ったスケートのコーチからの勧めで応募し、100 名以上が参加したオーディションを経てヒロインに抜擢された。また、さくらの母親役として山田真歩、タクヤの友人役として潤浩が出演している。

今回、解禁となった 30 秒予告は、田舎町のスケートリンクでコーチの荒川が、タクヤとさくらに、ペアでアイスダンスを練習しようと提案するところからはじまる。吃音をもつホッケーが苦手な少年、選手の夢を諦めたスケートのコーチ、コーチに憧れるスケート少女。3 人の雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて切ない小さな恋の物語を映し出し、ハンバートハンバートによる主題歌「ぼくのお日さま」があたたかく包み込む映像に仕上がっている。

奥山大史監督&池松壮亮出演「ぼくのお日さま」 第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品
奥山大史監督

デビュー作『僕はイエス様が嫌い』に続き、本作でも監督、撮影、脚本、編集を⼿がける奥⼭は、スケート を滑りながら、カメラを回している。本作は、釜⼭国際映画祭 2022 で⾏われた世界 40 カ国 288 企画からなる 「Asian Project Market(APM)2022」で「ARRI アワード」 を受賞しているほか、これまで濱⼝⻯介監督、三宅 唱監督らの作品を世界へ紹介してきたフランスの会社「シャレード」による海外セールスも決まっており、⿊沢清監 督や深⽥晃司監督の作品をフランスで公開してきたアートハウス・フィルムズの配給により 11 ⽉にフランス公開される予定。
また、第77回カンヌ国際映画祭のラインアップが11日,フランスで発表され、「ぼくのお日さま」が、革新的で独自の視点の作品を選ぶ、ある視点部にに出品されることが決まった。同部門に日本人監督として28歳で史上最年少の出品となった。カンヌ国際映画祭のティエリー・フレモー総代表は「コレエダの再来」と「万引き家族」で第71回カンヌ高裁映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督を引き合いにだして絶賛した。

【クレジット】
監督・撮影・脚本・編集:奥⼭⼤史 出演:池松壮亮 主題歌:ハンバート ハンバート 配給:東京テアトル
© 2024「ぼくのお⽇さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS
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9月、テアトル新宿、TOHO シネマズシャンテ ほか全国公開