映画「春画先生」公開記念舞台挨拶 内野聖陽、北香那、柄本佑、安達祐実、塩田明彦監督登壇

(2023年10月15日11:45)

映画「春画先生」公開記念舞台挨拶 内野聖陽、北香那、柄本佑、安達祐実、塩田明彦監督登壇
登壇した㊧から柄本佑、北香那、内野聖陽、安達祐実、塩田明彦監督(14日、新宿ピカデリーで)

映画「春画先生」の公開記念舞台挨拶が14日、都内で行われ、主演の内野聖陽(55)、北香那(26)、柄本佑(36)、安達祐実(42)と塩田明彦監督(62)が都内で行われた初日舞台あいさつに登壇して同作の撮影エピソードなどについて語った。

同作は内野が主演を務め、“笑い絵”ともいわれる春画の奥深い魅力を真面目に説く変わり者の春画研究者と、しっかり者の弟子という師弟コンビが繰り広げる春画愛を描いた異色の”偏愛コメディ”。劇映画で無修正の浮世絵春画が【R15+】で上映されるのは日本映画史上初としても話題を呼んでいる。

内野は、思い出に残っているシーンについて聞かれ、春画先生こと芳賀一郎が「ベッドの下から出てくるシーン」をあげた。台本を読んでいる時から「ベッドの下で芳賀はどんな表情で、気持ちでワクワクしているのかを一番観たいと思っていました」と笑顔でコメント。実際にそのシーンを映像で観た感想は「好きでした」とニヤリ。「自分の近くに芳賀のような人がいたら、心が寛容になるし、楽しいし、平和だと思います。僕もリミッターを外したいという気持ちになります」と自身が演じた芳賀というキャラクターへの愛を口にした。

北は、脚本を読み終わった時に、頭の中で衝撃音が鳴った感覚があったと明かした。その感覚を抱えたままもう一度読み返した時は「愛すべき変態たちが幸せに突っ走っていく姿が美しいと感じました。あの衝撃音は作品に一目惚れした瞬間の音だったのだと思います」と振り返った。愛すべき登場人物たちを演じるキャスト人を知り、「絶対にこの中でお芝居をしたいと感じました」と語った。

劇中では、安達演じる芳賀の亡き妻の姉・藤村一葉が、北演じる芳賀の弟子・春野弓子にとある飲み物を飲ませるシーンが登場する。塩田監督は「安達さんの演技が巧すぎて...」と衝撃シーンでの安達の芝居を絶賛。脚本を読んだ時に「どうやるのかな?」と一葉の演じ方を想像したという安達だが「結構、好きなタイプのお話なので、いろいろやりようがありそうでワクワクしました」とニコニコ。

そんな安達に鞭で打たれるシーンがある内野が「安達さんが本気モードだから、ちょっと目覚めそうになりました」と話すと、塩田監督が「リハーサルの時に、『これが気持ちいいんだー!!』って叫んでいました」とツッコミを入れる場面も。叫んだことは覚えていないとしながらも内野は「覚醒していたのだと思います」と断言。叫ぶ内野の姿を見て安達は「喜んでいるように見えましたし、もっといけるかもという気持ちでやっていました。この人(内野)は M なんだとも思いました」と嬉しそうに話した。

柄本は「笑いながら脚本を読んだし、メルヘンチックという感じでした」と印象を語ると、塩田監督は「大人のおとぎばなしです」。柄本は、インパクトあるシーンで観るものを惹きつける。劇中で柄本が身につけているパンツ(下着)は、鮮やかなブルー。これは江戸の空の色という意味もあるそうで、実は柄本のアイデアだった。「形は T バックと 決まっていたけれど、衣装合わせの段階では色は白か黒で迷っていて。辻村っぽくないと思った時に、ちょうど衣装合わせの部屋から見た空がよく晴れていて。『江戸の空のようなブルー、どうですかね?』と提案したら塩田監督が走ってきて、『それ、いいですね!』ということで決まりました(笑)」と振り返った。

内野は「役者という仕事自体が変態だと思います」と話し、その理由について「セリフ 1 行を研究して、裏を読み、掘っていく。普通はそんなことしないけれど、苦じゃない からやっちゃいます」と解答。柄本は「匂いの原因を辿ること」が自身の変態ポイントだといい、「人とすれ違った時になんとなくその人の匂いを嗅いでしまいます」と明かした。

安達も「分かります。香りでその人を覚えたり、思い出したりします。例えば、エレベーターに内野さんが乗った後に乗ったとして、『あ、内野さん乗ったんだな』って分かると思 う」と反応。内野が「え!もう加齢臭出ていたのかもしれませんね、」と慌てると、安達が「例えです!実際に内野さんの香りがしたわけではなく、香水の残り香とかで思い出すこと、ありますよね!(笑)」わらわせた。

そして、話題は変態からフェチの話へ。「うなじや鎖骨、足首には目がいきます」という内野と、「僕は膝!」と答えた柄本が盛り上がる。塩田監督が「柄本くんはすごく手が綺麗。撮影している時に綺麗な手をしているなぁ、と思っていました」と明かすと、柄本は「手はあまり自信がないところだったので、嬉しいです」と自身の手を見つめ、嬉しそうにしていた。

北は「コレクションしてしまうくらい、制服が好き。セーラー服が好きで、学生の時にセーラー服じゃなかったので、どうしても着たくて買ってしまいました(笑)。先日、妹も高校生になって、妹の制服をこっそり着て、誰にも見せられないけれど、写真も撮りました」と制服フェチを告白。

安達は「軽いところで...」と前置きし、ミルフィーユを 1 枚 1 枚はがしながら食べることとニヤリ。柄本も同調し、「僕はバームクーヘンを 1 枚 1 枚剥がしながら食べます!」と似たようなフェチに喜んでいた。

クセが強めな純愛映画にちなみ、恋をしたらどういうタイプになるのかを内野が回答することに。ガシガシ攻めるように見えて実は恋愛には消極的だという内野は「遠くから見て、告白せず、そのまま終わるタイプ。例えばホームセンターで働く女性に恋をしたら、次もドキドキしながらお店に行きます。でも、何もしない。そして次に行った時にはいなくてガッカリする。秘めたる恋心を抱きながら見守るタイプ。いつの間にか恋の対象が消えてしまうというパターン」と解説。

北は「意外!」と驚き、安達は「本能的にいくタイプだと思った」と微笑み、柄本は「すごく繊細だからイメージ通り」と反応。「みてくれがオスっぽい感じで、ガシガシ行きそうに見られがちだけど、内部は乙女です。いや、乙女じゃないか。乙女だと別の作品に...」とニヤニヤした内野は「雑な時は雑だけど、繊細な時はすごく繊細。すごく極端です」と自身のタイプを分析。『春画先生』のイベントは、フェチや愛を語る和気あいあいとした雰囲気に包まれたまま幕を閉じた。

【作品情報】
出演:内野聖陽 北香那 柄本佑 白川和子 安達祐実
原作・監督・脚本:塩田明彦
製作:中西一雄 小林敏之 小西啓介
プロデューサー:小室直子 共同プロデューサー:関口周平 ラインプロデューサー:松田広子
製作:『春画先生』製作委員会(カルチュア・エンタテインメント、TC エンタテインメント、ハピネットファントム・スタジオ)
企画・製作幹事:カルチュア・エンタテインメント 制作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2023/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/114 分 <R15+>
Ⓒ2023「春画先生」製作委員会
公式 HP: https://happinet-phantom.com/shunga-movie
10月13日(金)新宿ピカデリー他 全国公開